今回は、株式投資で配当金や譲渡損益を確定申告した際に、住民税の申告不要制度を利用することで、国民健康保険料に影響を与えないことが可能であるということを記事にしました。
※確定申告では私を含め一般人にはかなり複雑な条件のもとに税額の計算やそれ以外のことに影響を与えます。一概にこれが正解というには、難しいものがありますので、この記事は参考程度に読んでいただきたいと思います。
株の譲渡益や配当金を確定申告するデメリット
株式投資をする個人投資家では、ほとんどの人が特定口座の源泉徴収ありで口座を開設していると思います。
源泉徴収のメリットとしては、自動的に税金を徴収してくれるために確定申告が不要になるという事が第一に挙げられます。
しかし、もう一つのメリットとして利益が出ても所得金額への影響がないことが挙げられます。
所得金額は「総所得金額」、「合計所得」「総所得金額等」などに分類されますが、これらは課税される税金の決定だけでなく、国民健康保険料の算定に関わってくる金額です。
この金額が大きくなれば、控除が受けられなくなったり、国保料が値上がりするリスクになります。
つまり、「特定口座の源泉徴収あり」でのこれらのメリットは、確定申告をする場合にはデメリットになるということです。
確定申告をすると所得が上がる
株の配当金や譲渡益を確定申告すると所得が上がることになります。
配当金は確定申告をすると総合課税か申告分離課税のどちらかを、譲渡損益は申告分離課税で確定申告することになりますが、どちらにしても所得として申告するのであれば、所得が増加するのは仕方ありません。
では、「特定口座の源泉徴収あり」にしているなら確定申告をしない方が絶対に得になるでしょうか?
特定口座の源泉徴収ありでも確定申告するメリットがある
特定口座で源泉徴収ありを選択していても、改めて確定申告をするメリットはあります。
確定申告でメリットがあるケース
- 損益通算する場合
- 繰越控除する場合
- 配当控除を適用する場合
- 基礎控除等に余力がある場合
上記のような場合には、確定申告することで控除を適用したり、損益を通算することで源泉徴収で支払った税金を還付することができます。
確定申告することで国民健康保険料が上がる理由
国民健康保険料は所得を基に、保険料が算出されています。(※ただし、算出式や保険料は同じ所得であってもお住まいの自治体によって変わってきます)
そのため、損益通算や繰越控除を適用している場合でも、その年度に申告した損益通算後、控除後の損益がプラスだった場合には所得が多くなり、国民保険料に加入されている場合は保険料が高くなる場合があるということです。
住民税の申告不要制度で国民健康保険料を上げない方法
ただし、この国民健康保険料を上げない申告方法があります。それは、住民税の申告不要制度を利用する方法です。
確定申告は所得税の申告をする制度ですが、何もしなければ住民税も同じ課税方式での申告を自動的に行います。
ですから、住民税の申告所得を基に算出される国民健康保険料は、確定申告した際に自動的に通知される住民税側の課税方式や所得によって決まります。
しかし、住民税の申告不要制度を利用すれば、株の配当金や売買益に対して住民税では申告しないという方法が選択可能になります。
これによって、株で生じた利益が源泉徴収された状態で住民税では申告されないので、住民税の所得が上がる事なく保険料にも影響がありません。
住民税の申告不要制度の利用方法
住民税の申告不要制度は各自治体によって利用方法が異なるようです。ですから、住民税を申告不要にされたい場合にはお住まいの自治体にお問い合わせして、手順を確認してください。
住民税の申告不要制度の注意点
当たり前ですが、住民税を申告不要とする場合には、住民税の配当控除や損益通算は受ける事が出来ません。
ですから、配当控除や損益通算によって還付される税金と国民健康保険料の値上がり額とどちらか大きいかを予め計算しておく方が良いと思います。
【まとめ】確定申告は複雑だが、最善の方法を選べばお得に
確定申告は一般人には非常に複雑な条件分けや計算が必要になります。そのため、手間もかかり敬遠されがちですが、申告方法で最善の方法を選ぶことが出来れば、意外な還付やメリットがある場合があります。
※この記事は私の体験と調べによるものですが、専門家ではありませんので誤りがある場合もあります。この記事の内容により不利益を被った場合でも一切の責任はとれません。確定申告をする際には、必ずご自身で税務署や専門家、各自治体にご確認ください。
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