株式投資は50%以上の確率で勝てる理由とルール設定

株式投資は50%以上の確率で勝てる理由とルール設定

株式投資で利益を出している個人投資家よりも、損失を出している個人投資家の方がずっと多いというデータがあります。

そういった情報の中には、「個人投資家の9割が負けている」という話もあり、「株式投資=損をする」というイメージも多くの人が抱いているのではないでしょうか。

しかし、実際に株を売買する勝率はそんなに低いものでしょうか?

私は、株式投資を15年ほど続けていますが、最初の2,3年は年間損失を出しましたが、その後の10数年は常に利益を出し続けています。

株式投資が本当に勝率の低い投資だとすれば、特別に頭が良いわけでもない私が、利益を出し続けられるわけがありません。

そこで、今回は株式投資の勝率について考えてみます。

結論から言えばタイトルのように、理屈を知っていて心理的な要因を除くとすれば「株式投資の勝率は50%以上」にできます。負ける投資家が多いのに、なぜ50%以上で勝てるのかという理由を解説します。

株式投資の勝率の考え方

株式投資には、勝率を変動させる要素がいくつかあります。

要素といっても、株価の変動に影響を与える要素は大なり小なり無数にありますが、基本的には次のように要素を分類します。

  • 勝率を50%にする要素(基準要素)
  • 勝率を50%以上にする要素(ポジティブ要素)
  • 勝率を50%以下のする要素(ネガティブ要素)

この3つの分類の中で、株価に与える影響度の強い要素を考えていけば、株式投資の勝率を判断することが可能です。

勝率を50%にする要素(株式投資の基準となる確率)

まずは、株式投資の勝率を50%にする要素について考えましょう。この要素は、投資の勝率の基準となるものです。

投資が成功するか失敗するかは、「50%を基準に勝率を上げる要素と下げる要素」を考えることで導くことができるからです。

そして、この株式投資の勝率の基準は、簡単に言えば「コインの表か裏か」というものです。

勝率を50%にする要素で大きいものは以下の2つです。

キャピタルゲイン

株式投資における利益は2種類ありますが、一つはキャピタルゲインと言われる「購入価格と売却価格の差」による利益です。

100万円で株を買い、200万円で売却したら、差額の100万円が利益になります。

ただし、200万円で株を買い、100万円で売却すると、逆に差額の100万円が損失になります。

この買った株が上がるか下がるかは、複雑な投資分析によって予想しますが、「結局は50%で上昇、50%で下落する」だけです。

上昇相場と下落相場

株式市場の動きは、チャートで表すことができ、それは波のように振る舞います。

1日の波、1ヵ月の波、1年の波など一定期間で表される波は、上昇相場と下落相場に分かれます。

この相場の上昇や下落は、政治や経済などに連動して動きますが、これも言ってみれば、「上がるか下がるか」の二択でしかありません。

勝率を50%から上げる要素

次に、勝率を50%以上に上げる要素を考えてみましょう。

株式投資の勝率を50%から引き上げる要素は、株式投資のもう一つの利益、「インカムゲイン」があるからです。

インカムゲイン

インカムゲインは、「配当金」や「株主優待」です。

上場する会社の株を保有し、特定の時期も保有し続ければ、配当金や株主優待を貰える権利が手に入ります。

全ての会社で配当金や株主優待を実施しているわけではありませんが、東証1部の銘柄であれば、ほぼ配当金は実施していますし、株主優待もかなりの企業が魅力ある商品やサービスを提供しています。

これらのインカムゲインは、減少することがあっても、株主にとってマイナスになることはありません。

  • キャピタルゲインは50%が利益(50%が損失)
  • インカムゲインは100%利益(実施しなくても0以下にはならない)

ということですから、インカムゲインを一度でも貰えるような期間で株を保有すれば、株式投資の勝率は50%よりも高くなると言えます。

勝率を50%から下げる要素

次に、株式投資の勝率を下げる要素を考えてみましょう。

勝率を下げる要素は、いわゆる「引かれモノ」と言われる次の2つの要素です。

証券会社に支払う手数料

株式投資は、証券会社を通じて株の売買を行います。そのため、株を売買するためには証券会社に手数料を支払わなければいけません。

相場は100万円の売買で大体300円~1500円くらいでしょうか。売買の額に比べると小さな額ですが、売買が多くなるほど手数料がかさみ、利益を圧迫します。

投資の利益にかかる税金

もう一つの勝率を下げる要素は、配当金や売買譲渡益にかかる税金です。

株式投資では、利益の額に関わらず20.315%の税金が課税されます。1年間で100万円の利益があれば、約20万円が税金で引かれます。

株の税金は、1年間(1月1日~12月31日)までの合計の損益に対してかかりますが、合計が損失の場合に払戻しがあるわけではありません。(損失の繰越控除は可能)

詳細記事 【株式投資】株の売買譲渡損は確定申告することで3年間繰越控除できる

ですから、損失が出ても戻ってこない、利益が出たら払わないといけない税金は株式投資の勝率を押し下げる要因になります。

勝率を上げる要因を残し、勝率を下げる要因を排除する

ここから、勝率を50%以上にするのであれば、勝率を引き上げる要素から、勝率を引き下げる要素を排除すれば良いだけです。

つまり

「配当金や株主優待」を貰える期間の投資をしつつ、「手数料を支払わない」で「非課税になる」ように投資をする

というです。

配当金や株主優待を貰うつもりなら1年以上の長期投資

東証1部の上場銘柄の配当金は年間で2%程度です。

例えば100万円で株を買ったら、平均的な銘柄で年間に2万円は配当金が貰えるということになります。

この配当金や株主優待は年に1,2回程度実施されていますが、株価や業績、配当率が変動しないと考えると1年で2%、10年で20%の利益が約束されるということです。

つまり、配当金やインカムゲインの考え方だけで言えば、長期間投資するほど勝率が上がると言えます。

株を買う時は10万円以下の株を手数料無料で買う

株を売買する時に証券会社に支払う手数料は、証券会社や売買価格によっては手数料無料で売買することが可能です。

これらの証券会社を利用することで10万円以下の株を売買する時には、勝率を下げる手数料を支払わないで株式投資をすることが出来ます。

1年間で毎日10万円株を買ったとしたら、年間2000万円以上買えることになりますから、1日10万円の売買が無料であれば一般的な個人投資家であれば不満はないと言えるでしょう。

NISA口座、つみたてNISA口座を利用する

投資の配当金や譲渡益に対してかかる税金が非課税になるNISA口座を利用することで、勝率を下げる要素は無くなります。

NISAでは毎年120万円、つみたてNISAでは毎年40万円が非課税になりますが、投資で生活するような専業投資家でなければ十分な金額と言えます。

また、NISA口座、つみたてNISA口座を利用した場合には、売買手数料がかからない証券会社も多いので、先ほど10万円以下の売買手数料が無料の証券会社を利用しなくても、手数料による勝率の低下も防ぐことが可能です。

詳細記事 NISA口座の特徴やメリット・注意点を解説します

詳細記事 『つみたてNISA(積立NISA)』の特徴と注意点を解説

ルールさえ守れば株式投資は資産運用に向いている

株式投資は次のルールさえ守れば、勝率は50%以上になります。

  • 1年以上の長期投資
  • 売買する時は手数料無料
  • NISA口座、つみたてNISA口座を利用

単純なルールを守れば、あとはサイコロやコインで買うタイミングや対象銘柄を選んだとしても、理論上は50%以上で勝てると言えます。

しかし、それでも多くの個人投資家が負けているのが現状です。

その理由は別の記事で解説していますが、株式投資は損をしやすいという印象と、心理面を無視した株式投資の勝率は全く違うことがわかります。

関連記事 個人投資家が勝てないシンプルな理由【本来は50%以上で勝てるはず】

私自身が15年も株式投資を続けているから言えることですが、資産運用には株式投資は非常に適している投資だと思います。

資産運用に興味があるなら、株式投資について勉強してみてはいかがでしょうか。

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