株式投資を始める際に、自分がどういう期間で売買しようか考えていますか?長期投資と短期投資はやり方が全く違う投資になります。
今回は株式投資をするなら長期投資と短期投資、それぞれのメリット、デメリットを交えて解説します。
短期投資の特徴とメリット、デメリット
短期投資とは、売買の期間の短い投資のことを指します。
具体的には、1日で売買を完結するデイトレードや数日程度で売買を完結するスイングトレード、また数週間から1、2カ月程度で売買を完了する売買くらいまでを短期投資と一般的には呼ばれています。
株価の変動による売買額の差で得る利益をキャピタルゲインといい、短期投資とは、ほぼ100%キャピタルゲインを目的とした投資です。
短期投資のメリットとデメリットは?
短期投資のメリット
- 効率的に売買できると利益率が高い
- テクニカル分析が好きな人に向いている
- 投資資金が少ない人でも始めやすい
- 取引回数が増えるので投資の経験値が上がる
短期投資のデメリット
- 投資技術がないと損失が大きくなる
- 売買の頻度が高いので平日の日中に取引する時間が必要
- 継続的に利益を出すには努力が必要
メリット1:上手に売買できると利益率が高い
短期投資では、株価の変動の大きい銘柄を対象に売買することが多くなります。
長期投資に比べて短期間で株価が推移するので、安定して短期投資で利益が出せるなら、利益率はかなり高くなります。
資金を効率良く循環させることができる
メリット2:テクニカル分析が好きな人に向いている
短期投資は企業の財務や業績よりも、チャートの動きによって売買の判断をする方が多くなります。
株価が大きく動くキッカケは業績の修正などかもしれませんが、基本的には株価チャートの推移によって需給のバランスを判断します。
そのため、ファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析が好きな人に向いている投資になります。
チャートの波を見極める事が出来る人にオススメ
メリット3:投資資金が少ない人でも始めやすい
長期投資の場合は成果が出る(確定する)までに時間がかかりますが、短期投資の場合には1日や数週間程度で完了します。
そのため、利回りを考えると長期投資を躊躇する人にとっても始めやすい投資です。
メリット4:取引回数が増えるので投資の経験値が上がる
株式投資は勉強以上に経験がものを言います。短期間で売買することで、取引回数が増える事も、短期投資をする大きなメリットです。
年間に数回程度しか売買しない長期投資に比べると、年間に数百回売買を繰り返すような短期投資の方が経験値が大きくなるのは言うまでもありません。
株式投資は勉強以上に経験が大切
デメリット1:投資技術がないと損失が大きくなる
安定した利益が出せる技術があるなら利益率が大きくなる一方で、投資技術がないと損失を積み重ねて、結果的には投資資産を失うような大きな損失につながる恐れもあります。
取引回数が多く値動きが激しい分、失敗が大きくなる
デメリット2:売買の頻度が高いので時間が必要
投資の期間が短いほど売買の頻度は高くなり、それだけ時間を費やす必要があります。
仕事が忙しい人などには、負担が大きいのも短期投資のデメリットです。
売買と相場の分析、銘柄のスクリーニングに時間がかかる
デメリット3:継続的に利益を出すには努力が必要
株の変動は上昇か下落か確率は1/2です。そのため、テクニカル分析の技術が未熟であっても一定期間で考えると利益が出ている場合も十分考えれます。
しかし、継続して短期投資を繰り返す場合には、相当なテクニカル分析の技術や知識が必要になります。そこにはやはり努力や多数の失敗から学ぶ根気強さが必要になるでしょう。
長期投資の特徴とメリット、デメリット
長期投資とは、売買の期間の長い投資のことを指します。
具体的には、数カ月から数年程度まで、基本的には配当金を貰ったり、決算発表なども持ち越しながら長期間に渡り株を保有します。
株価の変動による利益(キャピタルゲイン)に対し、長期投資によって得る配当金や株主優待による利益をインカムゲインといいます。長期投資はキャピタルゲインとインカムゲインの両方を目的とした投資です。
長期投資のメリットとデメリットは?
長期投資のメリットとして挙げられるのは次の通りです。
長期投資のメリット
- 投資期間が長期に及ぶほど利益になりやすい
- 売買の頻度が低いので時間がなくても出来る
- 不労所得を手にする事が出来る
長期投資のデメリット
- 投資資金が拘束されるので投資技術の向上が難しい
- 高い利益率を求めるには時間がかかる
- 企業の不祥事で株価が急落する可能性もある
メリット1:投資期間が長期に及ぶほど利益になりやすい
業績が安定している会社の株では、配当金もあり株価の下落が限定的になりやすいので、長期的に保有していると損失になりにくい傾向があります。
仮に、配当性向3%の会社の株を10年保有していれば30%(税引後約24%)の利回りになります。その間で株価が24%下落したとしても損失にはなりません。
また、安定した業績を出す会社であれば、10年間あれば配当金とは別に企業としての利益も相当増えることになるので、株価が下落する可能性自体が低くなるでしょう。

安定した利益を出せる会社なら基本的に株価は上昇する
メリット2:売買の頻度が低いので時間がなくても出来る
長期投資では、売買の頻度が数カ月に1度程度からなので、投資にかける時間は短期投資に比べて短くなります。
仕事をしながら無理なく株式投資ができる
メリット3:不労所得を手にする事が出来る
取引回数が少なくて済むということは、実質的な不労所得と考えることが出来ます。
例えば、1000万円の投資資金で年間配当3%の会社に分散投資したとすれば、年間で60万円の配当金、つまり不労所得が手に入ることになります。
これを10年間続けるだけで300万円の利益になりますから、ほぼ何もしないでこれだけの収入になるのは非常に大きいでしょう。
デメリット1:投資資金が拘束され投資技術の向上が難しい
長期投資の場合、株式を保有している間は投資資金を別の事に使えなくなります。
そのため、色々な投資パターンを試したりする機会が減り、投資技術を向上させるには不向きかもしれません。
投資頻度が多いほど株式投資の経験が増える
デメリット2:高い利益率を求めるには時間がかかる
基本的に、長期投資では成長性の高い動きの激しい株よりも安定した株に投資し、株価の上昇によるキャピタルゲインと配当金や株主優待によるインカムゲインを得ることを目的とします。
価値観や目的によっても見方は変わりますが、短期投資による株価の変動に比べると見劣りするのは事実です。
投資資金が少ない時に大きな利益が出ることは少ない
デメリット3:企業の不祥事で株価が急落する可能性もある
長期投資のリスク懸念で一番恐ろしいのは、株を保有している企業の不祥事です。過去にも有名な企業の不祥事による株価の大きな下落や上場廃止がありました。
こういった内容は、一般の投資家が事前に知る事は難しく、突然こういったニュースが公表されるとどうすることも出来ません。そのため、長期投資では分散投資によるリスクを抑える工夫が必要になります。
企業の不祥事は一般投資家が事前に知る事は難しい
生活環境に応じて投資期間は変化させる
短期投資と長期投資のどちらが必ず良いということはありません。個人的には利益率の短期投資、安定感の長期投資という印象ですが、それも人によって違う見方をするかもしれません。
私自身も投資を始めた頃は短期投資がメインでしたが、今は長期投資をメインとしています。意図してそうなったというよりは、自然に長期投資が多くなっていきました。
理由としては、投資資金が増える事によって少ない取引回数でも、ある程度の利益が期待できるようになった事、短期投資の失敗時にも投資資金が多くなれば損失が多くなり、それが精神的に負担になったことなどが考えられると思います。

株式投資を始めるに当たっては、特にこの投資がしたいと決めつけるよりも、生活の環境や株式投資の売買技術の向上に応じて投資期間も変化させるのが良いと思います。
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