損益計算書では最初に売上高があって、そこから各経費を引いて、営業外損益、特別損益などを加減してから当期純利益にたどり着きます。会社の収益内容を順どって見るにはわかりやすいですが、収益力を見る上では少しわかりにくいので、損益計算書を元にわかりやすい表に変えてみましょう。
売上高純利益率
損益計算書では売上高と〇〇利益という項目が多くありますが、まずは一番最初と最後に注目してみましょう。
損益計算書の先頭にある売上高と末端にある当期純利益に注目するとこのような表になります。これは二つ会社の売上高と最終的に手元に残った会社の利益を表しています。
A社とB社は同じ売上高ですが、当期純利益を見るとB社はA社の倍の収益を上げていることがわかります。これだけの情報から投資先を選ぶとしたらどちらの会社を選ぶでしょうか。当然収益力が高いB社になりますね。
この売上高と純利益の数字を基にした収益力を測る数字を「売上高純利益率」と言います。
A社では
- 1,000,000÷10,000,000×100=10%
B社では
- 2,000,000÷10,000,000×100=20%
になります。
売上高経常利益率
では次にこちらの表をご覧ください。
今度は売上高と経常利益の割合を表したものになります。こちらも売上高純利益率と同様の計算で収益力を測ることが出来ます。
売上高経常利益率では、営業利益に営業外損益を加えた経常利益を元にしているため、本業以外の資産運用による配当や受取金利などが多いと利益は増加し、借入金などの有利子負債が多い場合は利益が減少します。会社の本業以外の収益力も加えた指数のため、事業全体の常態的な収益性を測るのに適しています。
売上高経常利益率を測るポイント
本業以外の事業全体の収益力を測る事が出来る
売上高営業利益率
では次にこちらの表をご覧ください。
こちらは売上高と営業利益の割合を表したものになります。
営業利益では会社の本業での収益がわかるため、純粋な会社の営業による収益力を測ることが出来ます。
売上高営業利益率を測るポイント
会社の本業での収益力を測ることが出来る
このように収益率、収益力と言っても、どの利益を考えて求めるかによって内容は大きく異なります。損益計算書の項目を分析しながら、会社の実態をより詳しく把握することが可能になります。では次に、売上高純利益率、売上高経常利益率、売上高営業利益率を応用して色々な分析方法を考えてみましょう。
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