私は株式投資とFX取引の両方を手掛ける個人投資家ですが、メインは株式投資なのでFX取引よりも知識が深く、収益も当然株式投資の方が多くなっています。
しかし、「短期投資の勝率は株よりFX取引の方が断然に高い」と言えます。
今回は、FX取引の短期投資は株式投資よりも勝率が高い理由とそのために起きるリスク管理の注意点について解説しています。
FXが株よりも短期投資で勝てる理由
短期投資とは、1日で売買するデイトレードや数日程度で売買するスイングトレードのような投資です。
FXが株よりも短期投資で勝ちやすい理由には、FXと株式投資の「取引時間」と「値動きの特徴」の違いが大きいと言えます。
取引時間によるFXと株の違いと特徴
株式投資が平日の9:00~15:00(1時間の昼休憩を挟む)の5時間しか取引出来ないのに対して、FX取引では平日の24時間取引ができます。しかもFX取引市場は原則的には日本の祝日でも取引が可能です。
FX取引市場は圧倒的に取引時間が長い
この事からわかるように「FX取引市場は株式市場に比べて圧倒的に取引時間が長い」と言えます。
この圧倒的に長い取引時間が短期投資には以下のような影響を与えます。
値動きの連続性が保てる
株式市場は1日の内、5時間しか取引が出来ません。
午後3時から午前9時の間は売買が出来ないために、「当日の寄り付き」は「前日の大引け」とは連続性がないと言えます。
そのため、日本の株式市場の寄り付きは海外市場の影響を受けて始まり、前日の終値に比べて1%、2%程度のズレがあることも珍しくありません。
対して、FX取引市場は24時間の取引が出来る事から「連続性が保てる」と言えます。
連続性が保てることで、「自分の相場観が変わった時点で素早く損切りが出来る」ので短期投資の勝率を上げることになります。
売買チャンスが圧倒的に増える
取引時間が長いということは、それだけ売買チャンスが多いということになります。
「株式投資:5時間」「FX取引:24時間」ですから単純に考えると約5倍の売買チャンスがあると言えます。
この違いが短期投資に与える影響は「売買チャンスが常にあるので利益を出すために無理に取引する必要がない」ということです。
無理な取引をしないことによって、勝率の高い取引だけを行う事が可能です。
リアルタイムで取引が出来る
日中に働く人にとって株式投資では、デイトレードでもスイングトレードでも「リアルタイムに相場を見る」ということが出来ません。
どちらにしても仕事の合間に売買することになるので、相場の変動や雰囲気をリアルタイムで取引しているプロの投資家のように知ることは難しいと言えます。
一方でFX取引では、仕事の無い時間でも常に売買が出来るために、「リアルタイムで市場を見ながら売買することが可能」です。
この違いは短期投資の勝率を大きく上げる要素になります。
値動きの特徴によるFXと株の違いと特徴
取引時間と同じく、通貨の値動きについてもFXと株では違いがあり、短期投資でFX取引の方が勝率が高くなる理由の一つです。
この値幅は、売買する銘柄や通貨ペアでも大きく変わりますが、ハッキリと言えることは「株式投資よりもFX取引の方が値幅が圧倒的に狭く振幅しやすい」ということです。
値幅が狭く振幅する=短期投資で勝率が高くなる
なぜ「値幅が狭く振幅する」ことが短期投資の勝率を高くするのでしょうか。「振幅するように値が動く」ということは、「同じ値段を何度も行き来する」ということです。
つまり、特定の場所で買っても売っても「振幅する回数が多いほど利益に繋げる機会が多い」ということが言えます。
失敗した取引でもリカバリーできる
FX取引では、仮に買った後に予想に反して下がったとしても、振幅すれば再び買い値以上に戻るので、しばらく放置していれば利益に繋げることが可能です。
株の場合は日経平均株価やTOPIXなどの指数はある程度振幅しますが、個別株の場合は振幅する程度は低く、買った後に下落したとすれば、戻ってくる可能性はFX取引に比べれば低いと言えます。
この違いが、FX取引と株式投資での短期売買での勝率に大きな違いを与えています。
注意:FX取引は勝ちやすい分、リスク管理が重要
このようにFX取引は短期投資では勝率が高く、初心者にも勝ちやすい投資(トレード)と言えますが、その反面注意が必要です。
それは「FX取引は勝ちやすく慢心しやすい」ということです。
9割成功がリスク管理に穴を開ける
私自身もFX取引の売買は基本的には利益になるまで決済をしません。そのため勝率だけで言えば9割を超えていると思います。多くのFXトレーダーにとっても勝率が軽く5割を超える人が多いのではないでしょうか。
1,2割の失敗というのは投資の割合としては非常に小さい確率と言えます。
しかし、逆に1割しか失敗しないという事が、リスク管理には大きな穴を開ける可能性があります。
それは「失敗した取引の損切りが難しい」からです。
失敗を認めにくい
損切りとは失敗した取引の損失を確定することです。しかし、勝率の高いFX取引の短期投資では、失敗だと判断するのが難しいとも言えます。
値動きが振幅しやすいことから数日で戻ってくる可能性があると判断してしまい、結果的にそのまま戻らずに損失を確定するタイミングを失い、含み損を大きくしてしまうというのがFX取引では多々見受けられます。
特に証拠金のレバレッジが大きいために、自分の本来の資産を大きく超えた額で売買すると、余計に損切りが難しくなります。
勝ちやすいからこそ、負けたときの対応が難しいということには注意が必要です。
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