「権利確定日」と「権利付き最終日」、「権利落ち日」の違いと仕組み

「権利確定日」と「権利付き最終日」を詳しく解説

株式投資で「配当金」や「株主優待」を受け取るのには、特定の日に株を保有していなければいけません。

しかし、株の売買のルール上、特定の日がいつなのかという計算は株式投資に慣れていない個人投資家にとって少し複雑です。

今回は、配当金や株主優待を貰うために知っておくべき、株式投資のルールについて解説します。

配当金や株主優待に関する日程と名称

配当金や株主優待を受け取るには、特定の日に株を保有している必要があります。以下は、配当金や株主優待に関係する日にちの名称と特徴を簡単にまとめたものです。

配当に関する日にち

    1. 権利付き最終日:権利確定日の2営業日前。
    2. 権利落ち日:権利付き最終日の翌営業日。
    3. 権利確定日(基準日):月末決算企業なら該当月の最終営業日
配当と権利日の関係
日付 29日(水) 30日(木) 31日(金)
名称 権利付き
最終日
権利落ち日 権利確定日
営業日 2営業日前 1営業日前 基準日
内容 大引けに
株を保有
していると
配当が貰える
この2営業日に株を保有していても
配当は貰えない。

※日本証券取引所のサイトなどでは「〇〇日から起算して3営業日前」という表現をしていますが、それも配当金を貰える日程の仕組みをややこしくなる要因だと思いますので、記事中では「〇〇日の2営業日前」と表現しています。

権利付き最終日

配当金や株主優待を貰うためには、この権利付き最終日の大引けに株を保有していなければいけません。

言い換えれば、数カ月間株を保有していたとしても、この日の大引けに株を持っていない投資家は配当金を貰う権利がないということになります。

権利確定日が31日(金曜日)であれば、権利付き最終日は2営業日前の29日(水曜日)になります。

権利落ち日

権利付き最終日の翌営業日で、権利確定日の前営業日を権利落ち日と言います。(配当権利落ち日とも言います)

この日は、配当金や株主優待を貰う権利を取得した翌日(翌営業日)になるために、この日以降に株を売却しても配当金が貰えるということになります。

権利確定日が31(金曜日)であれば、権利落ち日は1営業日前の30日(木曜日)になります。

権利落ち日の特徴

この権利落ち日の寄り付き(株式市場が始まる時間)は、前日の株価が基準にはなりません。

通常の営業日であれば、前営業日の終値が1000円なら、当日の寄り付きは1000円が基準価格になります。

しかし、権利落ち日では、貰える配当金の価格だけ基準となる株価が下落して始まります。

例えば、前日の終値が1000円で、配当金が1株あたり20円を予定している株の権利落ち日の基準となる株価は980円ということになります。

権利確定日

会社の決算日や中間決算日などが、権利確定日となります。

例えば、3月末決算の企業であれば、3月末や9月末に株を保有している株主に対して配当金や株主優待を支払います。

つまり、3月31日や9月30日が月末にあたりますので、この日が権利確定日になります。

ここで、疑問が出てきます。

権利付き最終日に株を保有したら配当金が貰えるのに、権利確定日にも株を保有しなければいけないの?

権利確定日は株主名簿上で株主となる日

配当金や株主優待を貰うためには、権利確定日は「株主名簿上で株主として記載されなければいけない日」といことです。

実は、株を売買する日と名義上株主になる日には3営業日のズレがあります。「株を買った日の2営業日後が株主名簿に記載される日」だと考えてください。

つまり、配当権利付き最終日に株を買ったら、権利確定日に株主として株主名簿に記載されるということです。

詳細記事 約定日と受渡日の関係と注意点について解説します

土日や祝日を跨いだ権利確定日

株式投資で使う「営業日」ですが、営業日とは株式市場が開いている日ということです。つまり土日祝日など株の売買が出来ない日は含みません。

権利付き最終日は権利日の2業日前ですが、間に土日や祝日を挟むのであれば土日は考えないで数える必要があります。

土日を挟んだ営業日の計算
日付 276日(金) 28(土) 29(日) 30日(月) 31日(火)
名称 権利付き
最終日
権利落ち日 権利確定日
営業日 2営業日前 1営業日前 基準日
内容 大引けに
株を保有
していると
配当が貰える
営業日ではない この2営業日に株を保有していても
配当は貰えない。(売却しても良い)
土日と祝日(火曜)を挟んだ営業日の計算
日付 26日(火) 27(土) 28(日) 29(月) 30日(祝) 31日(水)
名称 権利付き
最終日
権利落ち日 権利確定日
営業日 2営業日前 1営業日前 基準日

権利確定日や権利付き最終日を知る方法

権利確定日は証券会社のサイトなどで知る事が出来ます。

私はSBI証券を利用していますので、SBI証券を例に権利確定日の調べ方を解説します。

SBI証券でログインして、銘柄を検索して特定の銘柄の情報を表示します。

そうすると株価の情報などが表示されますが、右側にある「詳細情報」をクリックします。

権利確定日の調べ方1

クリック後に表示の下部に配当基準日が表示されます。

配当基準日

配当基準日は土日祝日でも該当するようですので、権利確定日はこの配当基準日より前の直近の平日になります。

※この画像の場合には、配当基準日2019年3月31日は日曜日なので権利確定日は3月29日(金)です

複雑な権利日の要点だけ抑えよう

この記事を書いていて改めて感じた事は、この「権利付き最終日」「権利落ち日」「権利確定日」という名称は非常にややこしいということです。

ですから、難しく考えないで以下のことだけ最低限覚えておけばOKです。

「権利付き最終日」の大引けに株を保有していれば配当金や株主優待は貰える

※この記事は2019年7月16日以降の権利日のルールです。それ以前は、権利付き最終売買日は権利確定日の3営業日前(1日長い)でした。

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