FX取引は少ない資金から好きな時間に売買できるという特徴から、日中に取引出来ないサラリーマンなどにも人気で、何億円も稼ぐトレーダーを何人も生み出してきました。
しかし、一方で投資における基礎知識やリスク管理の知識がなければ、損失を出す可能性も少なくありません。
そこで今回は、投資初心者のためのFX取引について「最低限知っておくべきFXの基礎知識と用語解説」と題してFX取引で最低限身につけるべき内容を説明します。
FX取引とは
FX取引は「Foreign Exchange」の略称で、日本語で言えば「外国為替証拠金取引」と言います。
外国為替という名前からもわかるように、FX取引は「異なる通貨を売買するトレード」です。
例えば、日本円と米ドル、米ドルとユーロ、日本円とトルコリラなど、違う通貨ペアで買ったり売ったりの取引をするのがFX取引です。
通貨ペア
FX取引で売買する2つの通貨のことを「通貨ペア」と言います。通貨ペアの組み合わせは、FX会社によって違いますが代表的な通貨ペアは以下のようなものがあります。
これらの通貨は、取引量が多く世界中の投資家に取引されていますが、他にも新興国の通貨など値動きの大きい通貨もあるため、自分の得意な通貨ペアを見つけることがFX取引で利益を出すための重要なポイントになります。
通貨単位
通貨単位とは、通貨ペアの売買単位です。
例えば、米ドル円の通貨ペアの取引単位が1000通貨単位とすれば、一度に売買する米ドル円は1000ドル単位ということになります。1万通貨単位であれば、1万ドル単位ですね。
同じ通貨ペアでも取引で利用するFX会社によって最低通貨単位は違うので、FX口座を開設する前に、自分の取引にマッチしたFX会社を調べることが大切です。
取引時間
FX取引は「24時間」取引が可能です。
正確には、「月曜日の午前7時頃から土曜日の午前7時頃」まで、FX取引市場は休むことなく売買が可能です(アメリカがサマータイム導入時は午前6時頃まで)
株式投資は日本市場であれば、平日の午前9時から午後3時までが取引時間です。FX取引は何故休むことなく24時間取引が出来るのでしょうか?
FX取引の市場は世界を周る
なぜFX取引が24時間取引が出来るかと言えば、FXの取引市場が時間ごとに移動しているからです。
具体的には日本時間では以下のように取引市場が変化していきます。
詳細記事 FXトレードの取引時間

スプレッド
スプレッドとは、FX取引をする時の「買値(ASK)」と「売値(BID)」の価格差のことを言います。
例えば、スプレッドが0.3銭となっていればその時点で買値の方が売値よりも0.3銭高い値段になるということです。
式で表すと「買値=売値+0.3銭(0.003円)」という意味ですね。
これは1通貨あたりのスプレッドですから、1万通貨で売買すると買値と売値で30円の違いということになります。
スプレッドは売買手数料の代わり
このスプレッドは普通に考えれば、売買する時にトレーダーにとって不利な仕組みです。
しかし、FX取引では基本的にFX業者は手数料無料で売買サービスを提供しています。
スプレッドは業者が得る手数料の代わりになる仕組みと考えてください。
例えば、米ドル円のスプレッドが0.3銭だとすると、1万通貨単位の売買で30円の手数料だと言えます。
約100万円分(1ドル100円で1万ドル分)の売買で30円の手数料と考えれば、100万円あたり数百円程度の手数料がかかる株式投資と比べると、かなり安いことがわかります。
証拠金とレバレッジ
FX取引は「証拠金」というお金をFX取引業者に預け入れ、証拠金にレバレッジをかけて売買を行います。
証拠金とは、いわば保証金のようなもので売買で損失を出した時に、保証金から損失が補填されます。
レバレッジは、「てこの原理」などで用いられる「てこ」を意味します。
簡単にまとめると、「証拠金(保証金)」に対して何倍のレバレッジ(てこ)が有効になるかという解釈をしてもらえば良いと思います。
例えば、レバレッジ10倍となれば10万円の証拠金に対して100万円の通貨ペアを保有することが可能になります。
日本のFX取引業者のレバレッジは最大25倍
日本のFX取引業者ではレバレッジが25倍までの取引が可能となっています。
10万円の証拠金で最大250万円の売買が可能ということですから、相当な金額の取引が出来ます。
しかし、最大のレバレッジをかけて売買するのはリスクが高く、安全性の面から考えるとレバレッジ25倍での取引は無謀とも言えるでしょう。
スワップポイント
スワップポイントは、FXで取引する通貨ペアでの、金利の高い通貨と金利の低い通貨の間の金利の差のことを言います。単に「スワップ」という事もあります。
例えば、米ドルと日本円のFX取引では、米ドルの方が日本円よりも金利が高くなるために、「日本円を売って米ドルを買った場合」にはスワップポイントを受け取ることが出来ます。
逆に「米ドルを売って日本円を買った場合」にはスワップポイントを支払わなければいけません。
スワップポイントは、1日ごとに加算、減算されるために日々受けとりや支払いが生じます。
ちなみに、現在の米ドル円のスワップポイントは1日あたり70円~80円程度になります。

FX会社
FX取引をするためには、売買の仲介を行うFX会社に口座を開設する必要があります。つまり、証券会社や金融機関などの会社です。
これまでに説明した「通貨ペアの種類」「スプレッド」「スワップポイント」などは、どの会社のFX取引を利用するか違います。
FX取引をする取引目的や投資額、投資スタイルなどによって自分に合うFX会社を選ぶことが大切です。
FX取引で重要なポイント
FX取引の売買で、重要なポイントは以下のようなものがあります。
リスク管理(レバレッジコントロール)
FX取引の大きな魅力は「少ない資金で多額の売買が出来る事」です。
レバレッジが大きいことから、10万円を口座に入金すれば250万円の売買が可能になるために、高レバレッジで売買すれば短期間で資産を何倍にすることも不可能ではありません。
その反面、高レバレッジによる取引では損失を出すリスクも同様に大きくなります。
そのため、FX取引ではレバレッジをコントロールし、万が一の損失が発生した時にも余裕をもって売買できるようなリスク管理が必要となります。
通貨ペアの特徴
FX取引で取引できる通貨ペアは多岐にわたりますが、各通貨の動きはある意味、世界経済の縮図とも言えますので、通貨ペア自体の動きも他の通貨ペアに連動していることは想像できると思います。
しかし一方で、各通貨ペアは独自の特徴も持っている事があります。
例えば、「AB通貨ペアではトレンドが発生すると維持しやすい」とか、「BC通貨ペアではトレンドが細かく転換しやすい」などといった特徴です。
その通貨ペアの特徴を掴むことで、より正確な売買判断が出来ることから取引の勝率も変わってきます。
世界の主要経済指標
通貨の動きは世界経済の縮図と言いましたが、そのために通貨の強さはその通貨を利用する国の経済に大きくかかわってきます。
そのため、世界各国の主要な経済指標の影響を大きく受けるのがFX取引です。
例えば、米ドルは基軸通貨ですからアメリカの経済指標はあらゆる通貨に対して影響力を持ちます。
新興国に至っては経済成長の伸びが大きいことから、成長率の予想と結果次第で通貨の強さが大きく変わってきます。
FX取引で資産を運用するには、世界の経済情勢を知ることが重要と言えるでしょう。
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