ストキャスティクスとは【基本と売買シグナルを解説します】

ストキャスティクスは一定期間の高値と安値のデータから、「買われ過ぎ」か「売られ過ぎ」を判断するオシレーター系のテクニカル分析です。

RSIと並んで、投資家の間では人気のあるテクニカル分析の指標となっていますので、ぜひ覚えておきたい指標の一つでもあります。

本記事では、そのストキャスティクスの基本と使い方を解説します。

ストキャスティクスの基本

ストキャスティクスは「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断するテクニカル分析指標です。

「%K(パーセントK)」、「%D(パーセントD)」、「スロー%D」の3本のラインを使って売買判断を行います。

ファーストストキャスティクスとスローストキャスティクス

3本のラインを使って売買判断をすると言いましたが、ストキャスティクスは「ファースト」と「スロー」に分類されます。

ファーストストキャスティクス

「%K」と「%D」の2本のラインを用いて売買判断を行います。

ファーストストキャスティクス

スローストキャスティクス

「%D」と「スロー%D」の2本のラインを用いて売買判断を行います。
スローストキャスティクス

基本はスローストキャスティクスを使う

ファーストストキャスティクスで使う「%K」はダマしが多いことから、ストキャスティクスを用いた売買判断は、スローストキャスティクスを使うことが一般的です。

「%K」「%D]「スロー%D」の計算式

ストキャスティクスに用いる「%K」「%D」「スロー%D」の計算式は以下のようになります。

%K

(当日終値ー過去N日間の安値)÷(過去N日間の高値ー過去N日間の安値)×100

%D

(当日終値ー過去N日間の安値)の3日間の合計÷(過去N日間の高値ー過去N日間の安値)の3日間の合計×100

スロー%D

%Dの3日移動平均

  • N=一般的には9日
  • %Kは当日の終値が過去N日間でも高値だった場合に100%
  • %Kは当日の終値が過去N日間での安値だった場合に0%
  • %Dは%Kの分母と分子をそれぞれ3日分を合計した値
  • スロー%Dは、%Dの3日間の平均値、つまり%Dの3日移動平均

「%K」「%D]「スロー%D」の意味

当日の終値が過去N日間の高値と比べて、どの水準にあるのかを数値化したものが%Kになることがわかります。

また、%Dは%Kを平均化した数値であることがわかります。そのため、%Dは突発的な株価の変動の影響を受けにくくダマしが少ないことがわかります。

そして、%Dの3日間の移動平均がスロー%Dになることから、%Dを遅行させたのがスロー%Dになることがわかります。

ストキャスティクスの売買シグナル

ストキャスティクスの売買判断は「ゾーン」と「2本のラインのクロス」を複合して行うことが一般的です。

ゾーンでは、20%以下の範囲を売られ過ぎ、80%以上の範囲を買われ過ぎとして判断されます。

ファーストストキャスティクスの売買シグナル

ファーストストキャスティクスでは、20%以下のソーンで%Kが%Dを上抜くゴールデンクロスが買いシグナル、80%以上のゾーンで%Kが%Dを下抜くデッドクロスが売りシグナルになります。

ファーストストキャスティクスの売買シグナル

スローストキャスティクスの売買シグナル

スローストキャスティクスでは、20%以下のソーンで%Dがスロー%Dを上抜くゴールデンクロス買いシグナル、80%以上のゾーンで%Dがスロー%Dを下抜くデッドクロスが売りシグナルになります。

スローストキャスティクスの売買シグナル