私は株式投資のデイトレードの大半は松井証券の一日信用取引を利用して売買しています。その理由は一日で売却すれば手数料が発生しないというメリットがあるからです。
しかし、デイトレードで株を売買するつもりでも、買った銘柄を売れないケースも時々発生します。
そんな時には一日信用取引で買った銘柄を持ち越すしかありませんが、その際に役に立つ上手な持ち越し方について解説します。
※一日信用取引では空売り注文(売り建玉)も可能ですが、今回の解説は買い建玉を決済するための方法です。
一日信用取引で売買した銘柄を売却(決済)しないとどうなるか
当日に売買を完結する事が前提の松井証券の一日信用取引ですが、もし売却せずに大引けを迎えて放置したらどうなるのでしょうか。
この場合、翌営業日に任意決済されます。
松井証券のサイトより引用(2022年10月現在)
信用期日(弁済期限)は、新規建を行った日の翌営業日です。新規建を行った日の大引けまでに建玉の反対売買または現引・現渡をお願いします。
新規建を行った日の大引けまでに建玉の反対売買または現引・現渡が行われなかった場合は、翌営業日にお客様の口座において当社の任意で該当建玉を決済します。任意決済は1注文当たり3,250円(税込3,575円)の手数料がかかります。
※ 一日信用取引の建玉について、反対売買の発注方法は当社任意ですが、原則として、同一銘柄・同一区分(買・売)の建玉は、1注文にまとめて発注します。
引用元

このように、任意で該当建玉を決済すると明記されていますが、私が数回ほど体験した中では寄付きの成り行き注文となっていました。
※数年前まで「約定代金×0.3%(最低手数料20円、税抜)」の手数料でした
一日信用取引で売却(決済)できないケース
では、一日で売買するつもりで、一日信用取引を利用しているのに売却出来ないケースとはどういった時でしょうか。
1日で売却できないケース
- ストップ安張り付きで大引けを迎える
- 買い建玉が大きすぎて売却すると株価が大きく下落する
- ストップ高したが、まだ上がりそうなので売りたくない
- 売却するのを忘れていた
- 売りたい株価で買いが入らなかった
上記のような場合には、一日信用取引でも売却することが出来ない、もしくは売却しないという選択になります。
では、売却せずに持ち越した場合に、翌営業日に成り売り注文にならないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
一日信用取引で売却しない場合は「現引」をする
売却しない場合の選択肢としては、「現引」の手続きをしましょう。
現引とは、信用取引で買った買建玉を現物株に変更する手続きです。この手続きをすることで、翌営業日に自動的に成行注文が入ることはありません。現物株として保有するのですから売却時期は自由です。
この現引の手続きをするのは、松井証券のサイトの一日信用取引の建玉一覧から現引したい銘柄を選択し注文画面に移動すれば、現引という選択が出てきます。
現引の手数料は?
松井証券では現引する際の手数料は、無料です。(2022年10月現在)

ただし、これは現引にかかる手数料です。その銘柄を現引きしたとして、その後に売却する際には別途通常の売買手数料が発生します。
300万円が任意決済か売却かの判断ポイント
松井証券では現物株の取引きは100万円毎に手数料が1100円加算されます。
300万円までの現物取引の売買手数料は3300円(税込)です。そして300万円を超える場合には、4400円の手数料になります。(2022年10月現在)
つまり、一日信用で持ち越す株が300万円までなら、任意決済の方が手数料が高くなり、300万円を超える場合には現引きして自分で売却した方が手数料が高くなります。
なので、手数料だけで考えるなら300万円の取引が任意決済か現引きするかの分かれ道になります。
現引の注意点
現引の注意点は、証券口座に現引するための資金が残っているかということです。口座内に50万円しかないのに100万円の現引は出来ません。
口座内に買付余力を残しておく
現引の手続きが出来る時間がポイント
この現引の手続きですが、手続きが可能な時間がポイントです。実は、この現引の手続きは大引け後にも可能です。
東証の大引けの時間が15:00であるのに対して、現引の注文は15:30まで可能です。ですから、仮に大引けまでに決済しないのであれば、その後30分ほど現引するか任意決済にするかを考えることが可能です。
現引・現渡注文は15:30まで発注することが可能です。ただし、東証の場合、15:00時点で返済注文を発注している建玉は、15:00以降、比例配分処理が完了するまで注文取消ができず、現引・現渡を行うことができません。比例配分処理の完了後から15:30までの間に当該注文を取消した場合、現引・現渡を行うことができます。
引用元
一日信用取引でなるべく持ち越したくない場合
現引注文をすれば任意決済はないとはいえ、現物になった株の売却時には手数料が発生します。出来る事なら、一日信用で買った株はその日に決済したいものです。
そんな場合は、ギリギリまで諦めずに「引け注文(指値)」を発注しましょう。大引けで希望する株価で売却注文を出すことで、注文が約定するかもしれません。
引け注文であれば、大引け時に約定しなければ失効となりますから、約定しなくても失効後に現引の手続きをすれば任意決済にはなりません。
※ただし、ストップ安張り付き時などには失効になるまで時間がかかり現引の手続き時間の15:30には間に合わない可能性もあります。他にも現引に間に合わないケースもあるので、引け注文の利用の際は松井証券に注文における失効時間の詳細を確認してください。
どうしても持ち越したくないなら
一日信用取引で買った株をどうしても持ち越したくないなら、「指成注文」や「成行引け注文」を利用しましょう。
どちらも大引け時に成行注文になるので、買い板が少ない場合や特別売り気配など特殊な状況でない場合には、その日の大引けで約定する可能性が高いです。
成行注文のため、買い注文がなければ大きく損失が出ますが、買い板がしっかりしている場合には大きく株価が下落することはないでしょう。
私も一日信用取引で大引けまで売れなかった銘柄は「指成注文」でギリギリまで指値にして、売れなければ自動的に大引けで成行になるようにしています。
※今回の記事は2022年10月現在の松井証券のサービス体系を基に解説しています。今後変更する場合もありますので、詳細は松井証券のホームページから必ず確認してください。万が一、この記事のみを参考に取引されて損失が出たとしても責任は負いかねますのでご了承ください。
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