株式投資を始めて間もない頃は、なぜ株価が動くのか全く予想できない人も多いと思います。
私自身も投資初心者の頃には、株価が変動する理由がわからずに、何となく売買していた記憶があります。
今回は、株が動く具体的な理由を解説します。
株を変動させる要因は大きく2つ
株が動く理由は大きくまとめると非常にシンプルで、以下の2つしかありません。
相場要因「マクロ的要因」とは?
相場要因とは、政治や経済の動向によって、株式市場が影響を受ける要因です。経済用語では「マクロ的要因」とも言います。
例えば、2019年ではアメリカと中国の貿易戦争が大きな話題となっています。輸出入にかかる関税は、それぞれの国の貿易収支に大きく影響します。
当然、国内の企業にとっても関税が高くなれば収益を圧迫しますし、関税が安くなれば収益は改善されます。
結果的に、こういった要因は株式市場に大きく影響を与え、そこに上場する企業の株価にも影響します。
相場要因については、別記事で詳しく解説していますので、そちらをお読みください。
個別要因「ミクロ的要因」とは?
個別要因とは、対象となる株式や企業に直接影響を与える要因を言います。経済用語では「ミクロ的要因」とも言います。
会社の業績が上がれば株価は上昇し、下がれば株価も下落します。これは、その株個別の要因であると言えます。
この個別要因についてさらに詳しく解説していきましょう。
株価を動かす個別要因
では、この個別要因にはどういったものが考えられるでしょうか。以下の項目は株価に影響を与える主な個別要因です。
業績に関する要因
最も分かりやすいのは、業績に関する要因です。企業の業績は株の価値、つまり株価に直接影響を与えます。現在、将来の業績が株価には織り込まれているからです。
業績に関する個別要因には次のようなものがあります。
当然ながら、企業の決算発表は最も大きな業績要因です。また上方修正や下方修正も、投資家からすればサプライズ的な要素があるために、発表されると株価が大きく変動します。
企業によっては、毎月の売上高などをIR発表していますが、こちらも業績を推測するための要素であるため、株価に影響を与えます。
株の需給に関する要因
業績に関係なくても、株の需給に関しても株価に影響を与える要因になります。
例えば、人気のある株はそれだけ多くの投資家が注目していますから、売り(供給)よりも買い(需要)が多くなり、株価が上昇しやすくなります。
株の需給に関する個別要因は次のようなものがあります。
企業規模や一般消費者からの知名度も株価を変動させる大きな要素になります。
また、企業の経営者がどういう人物なのかも、需給に大きな影響を与えますね。
誰もが知っているユニクロの社長である柳井さんやソフトバンクグループの会長である孫さんの発言は注目度が高く株価に大きな影響を与えます。
テーマ物色【特に重要】
また、同業種の上場企業の業績などから、関連する銘柄として物色されたり売られたりすることもあります。
これをテーマ物色と言いますが、業種が似通った企業や提携している企業などの影響を受けて、株の需給が変わり株価が変動することも、株価を動かす大きな要因です。
会社の事業・経営方針に関する要因
会社の将来の業績や財務に関係する事業・経営方針に関する要因も株価に影響を与えます。
主な項目は以下のようなものです。
例えば、国内産業がメインの企業が積極的に海外の企業と提携して、グローバル企業への方向転換をしたり、積極的な先行投資を繰り返し、事業を拡大しているような企業が、経営者が変わり保守的な経営方針を発表したとすれば、それは株価に大きな影響を与えます。
そして、他社との事業提携に関しても株価にとっては好影響な場合が多く、株価を上昇させる要因となります。
また、株主への姿勢も株価に影響を与える大きな要素です。配当性向や株主優待への取り組みが改善すれば、株主を重視している企業と判断され、株価が上昇する要素になります。
個別要因は無数にありますので、解説したのは代表的なほんの一例です。株価に影響を与える色々な要因を見つけることで投資の利益は確実に上がることは間違いありません。
【重要】株価は相場要因をベースに個別要因で動く
株価を動かす理由を見つけることで、なぜ株価が動いているのかを知ることが出来ます。
どういう事かと言えば、日経平均株価やトピックスなどの全体の動向を測る指標を基にして、個別株はその日の株価の基準が決まります。
例えば、日経平均株価が2%下落すれば、個別株についても2%低い水準を基準として考えることが出来ます。
それに、上で説明した個別要因による影響を加えて、個別株の動向が決まるということです。
当日だけでなく過去の動向も重要
当然ながら、相場要因にしても個別要因にしても、その日だけの影響で株価が動くわけではありません。
前日や前々日、もっと前からの相場要因や個別要因との関係も株価の変動には重要な要素になります。
株の変動要因は継続性に注意する
また、株の変動に関係する要因については、その要因がどれだけ継続するかを考える必要があります。
その要因でどれだけの期間、株価に影響が出るのかを予測することも大切です。
例えば、ちょっとした経営者の発言などの一過性の需給のバランスであれば、その変動が数週間あるいは数カ月続くとは思えません。
逆に、業績の上方修正や大きな事業提携などの話があれば、それによって継続的に株価の価値が上昇するかもしれないとの期待から長期的に株価が高くなる傾向が続くかもしれません。
株価の変動要因を探すのが株式投資上達のポイント
初心者が株式投資の技術を上達させるためには、この株価の変動要因をいかに上手く見つけられるかがポイントになります。
なぜ株価が動くのかが分かれば、その先を予測することも出来るようになります。株式投資で利益が出ないことを悩んでいる人は、まずは株価の変動要因を自分で理解できるように意識してみてはいかがでしょうか。
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