【株式投資】特定口座年間取引報告書の見方と使い方

新年に入り、私が口座開設している松井証券から特定口座年間取引報告書が届きました。

今回は、投資初心者の方へ向けて年間取引報告書の項目の見方を解説します。

特定口座年間取引報告書とは

特定口座年間取引報告書は、1年間(1月1日~12月31日)の間の特定口座で発生した売買による譲渡益、保有株の配当金、それらの利益にかかる税金が記載された書類です。

特定口座年間取引報告書は、証券会社が発行する書類であるため、証券会社ごとに作成されます。

また、郵送ではなく証券会社のサイトからデータをPDFでダウンロードするように選択することも可能です。

最近では、特定口座年間取引報告書はダウンロードした方が証券会社の手数料が有利になることや、確定申告がデータのまま提出できるようになったことから、郵送を選ぶメリットが少なくなりました。

松井証券の特定口座年間取引報告書

こちらは私の松井証券の特定口座年間取引報告書になります。(※個人情報がわかる部分はカットしています)

松井証券の年間取引報告書

特定口座年間取引所の解説

特定口座年間取引報告書では次の項目が記載されています。

譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額

以下の画像の一番上の行に課税額と税種が記載されているのがわかります。

年間取引報告書の譲渡益項目

左から順に「源泉徴収額(所得税)」「株式等譲渡所得割額(住民税)」「外国所得税の額」が並びます。これらの項目では、株の売買によって発生した課税額がわかります。2024年1月は、株式投資にかかる譲渡益は所得税が15.315%、住民税が5%となっています。

次の項目である譲渡区分は「上場分」と「特定信用分」にわかれており、この違いは「現物取引と信用取引の違い」です。

松井証券では、売買手数料が無料になる一日信用取引を利用している人も多いと思います。私も松井証券では一日信用取引を利用していますので、特定信用分の取引額が多くなっています。

譲渡区分では「①譲渡の対価の額(収入金額)」「②取得費及び譲渡に要した費用の額等」「③差引金額(譲渡所得等の金額)」とあります。

「①譲渡の対価の額(収入金額)」で売却した株価の総額を表し、「②取得費及び譲渡に要した費用の額等」で買った株価の総額及び手数料を表しています。

つまり、①から②を差し引いた③が、株の売買による譲渡損益です。

配当等の額及び源泉徴収税額等

年間取引報告書の配当金項目

「配当等の額及び源泉徴収税額等」では受け取った配当金の総額と所得税、住民税の額が記載されています。

配当金に関する詳細は別紙で、「配当金の交付状況」という書類に記載されていますので、自分の配当状況を詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

特定口座年間取引報告書を確定申告する

私が利用する「特定口座(源泉徴収あり)」では、証券会社が株の譲渡益、配当金、それにかかる税金の計算を行い、納税まで自動的にしてくれる口座です。

しかし、特定口座年間取引報告書を確定申告時に提出することで、別の証券口座と損益通算や、使用していない控除を使う事で税金の還付を受けることができます。※収入形態によって変わります

また、特定口座でも「源泉徴収なし」で口座開設している場合には、譲渡益や配当金の受け取りがある場合には、確定申告をしなければいけません。※主たる収入が給与所得で副収入が20万円以下なら確定申告が不要なケースもあります

他にも、確定申告をすることで還付などメリットがある場合、確定申告が義務づけられる場合があるので、特定口座年間取引報告書は大切に保管しましょう。