【譲渡損失の繰越控除】株式投資で損した人こそ確定申告でおトクに?

株式投資で損した人こそ確定申告でおトクに?

毎年2月中旬から3月中旬までは確定申告の時期です。確定申告では、前年1年間で発生した所得と納税額を申告します。

株式投資で確定申告が必要(義務)になるのは、「一般口座」か「特定口座(源泉徴収なし)」で取引している人で前年に利益があった人です。※「特定口座の源泉徴収あり」で証券口座を開設している人では納税も自動的に行われるために、確定申告は必要ありません。

株式投資で年間を通じて損失を出している人では、支払う税金はありませんから確定申告は必要ありません。しかし、損失が出ている時に確定申告をすることで将来的に支払う税金が安くなる場合があるという事が今回の記事の内容になります。

スポンサーリンク

株式投資の譲渡損失は3年間繰越控除ができる

繰越控除というと難しいですが、簡単に言い換えれば「株式投資の損失を今後3年間の利益と相殺することができますよ」という制度です。

つまり前年に300万円の損失が確定している場合、その後の3年間の合計で300万円までの利益に対しての税金がかかりません。

3年間の繰越控除を受けるには?

この3年間の繰越控除を受けるには、損失を出た年以降に確定申告をしなければいけません。

利益がなくても確定申告をするのは不思議かもしれませんが、申告することで〇〇年に株式投資で△△△万円の損失が出ましたよという事を伝えることができます。そして、その翌年から3年の間に利益分も確定申告する事によって、繰越控除した分を利用することができます。

3年間の譲渡損失繰越控除の例

以下に譲渡損失の繰越控除の例を挙げてみます。

300万円の損失に3年間の繰越控除を適用する場合
内容 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年
年間譲渡損益 -300万円 +100万円 +150万円 +150万円
繰越控除残額 300万円 200万円 50万円
控除利用額 100万円 150万円 50万円
控除後の課税所得額 0円 0円 0円 100万円

上記の例では300万円の損失が出た場合に、繰越控除した場合としなかった場合ではその後の3年間に合計で300万円分の課税所得の違いが出てきます。

どちらも損失を出した年から4年間の合計損益は100万円になるにも関わらず、譲渡損失を繰越控除しないと300万円に対する税金を支払わなければいけません。こうなると、株式投資で資産運用なんてとても出来ないですね。

そうならない為にも繰越控除の確定申告がいかに重要かがわかります。

繰越控除の注意点とポイント

では繰越控除の注意点とポイントを見てみましょう。

繰越控除の確定申告は毎年行う

繰越控除は、損失控除してから3年間という期限付きです。しかし、その3年の間に繰越控除を利用するのであれば、必ず「毎年」確定申告を行いしょう。

確定申告をしていない年を挟むと譲渡損益の繰越控除は出来なくなります。例えば、損失の繰越控除申告をした翌年は利益がほとんどないからといって、確定申告をしなければ、その翌々年以降の控除は受けられません。

譲渡損失の繰越控除は複数年の損失も適用される

例えば、損失を出した年に繰越控除したとして、翌年も損失を出したとします。その場合は、損失を出した2年分の繰越控除が可能になります。

その後、利益が出たのであれば、古い控除分から利用されることになります。

NISA口座は繰越控除適用外

NISA口座は損失が出たとしても、繰越控除が出来ません。

NISA口座は非課税ですが、代わりに損失が出たとしても繰越控除は出来ない仕組みになっています。繰越控除が出来るのは、一般口座、特定口座になります。

国民健康保険の加入者で損失より利益が大きい場合

損失の繰越控除をした翌年や翌々年などに繰越控除残よりも利益が大きい場合にも注意が必要です。

そのため、10万円を損失の繰越控除をして、300万円の利益を確定申告したとすれば、課税所得は290万円になりますが国民健康保険料の算出にも影響してきます。この場合は、繰越控除しない方が総合的に支払う税金や保険料は安くなると思います。

※住民税の申告不要制度を利用することも可能です。

配偶者控除の合計所得金額に注意

結婚されている人で夫または妻の扶養になっている場合には注意が必要です。この繰越控除は所得合計には加味されません。

例えば、100万円の損失を繰越控除して、その翌年に100万円の利益が出たとした場合には、確定申告すれば課税所得は0になりますが「合計所得は100万円」とみなされます。そのため、扶養判断や控除金額の判定に影響が出る恐れがありますので注意が必要です。

確定申告書等作成コーナーのよくある質問(下記リンク)
https://www.keisan.nta.go.jp/h29yokuaru/cat2/cat21/cat215/shinkokubunrikazei.html

【まとめ】繰越控除はお得だが、条件によっては気をつけよう

一般的に損失が出て繰越控除をするのであれば、その後3年間の利益への課税は大きく減額される可能性が高いでしょう。私自身は、幸いにも今のところ繰越控除を行う必要がないので利用していませんが、大きな損失が出た場合には利用するつもりでいます。

しかし、その後3年間の利益の額や環境によっては、この救済措置が裏目に出てしまう事もあるので注意が必要ですね。

※この記事は私の体験と調べによるものですが、専門家ではありませんので誤りがある場合もあります。この記事の内容により不利益を被った場合でも一切の責任はとれません。確定申告をする際には、必ずご自身で税務署や専門家、各自治体にご確認ください。

コメント