株式投資では株価が異常な変動を起こさないように、1日の株価の変動幅にいくつかの制限を設けています。
今回は、その株価変動の制限の一つ「制限値幅」について解説します。
制限値幅(ストップ高、ストップ安)とは?
証券取引所では、株価の極端な急騰や暴落を防ぐため、前日の終値を基準価格として1日の株価変動を上下一定範囲で制限しています。この株価変動の範囲を値幅制限といいます。
この制限の上限を「ストップ高」、下限を「ストップ安」と言います。
例えば、株価1100円の銘柄の場合には、1日の値幅制限は800~1400円のレンジ(範囲)と決められています。
制限値幅のレンジ
この制限値幅のレンジは基準価格をもとに以下のように定められています。
基準価格(○○以上~△△未満) | 制限値幅 |
---|---|
1円~100円 | 30円 |
100円~200円 | 50円 |
200円~500円 | 80円 |
500円~700円 | 100円 |
700円~1,000円 | 150円 |
1,000円~1,500円 | 300円 |
1,500円~2,000円 | 400円 |
2,000円~3,000円 | 500円 |
3,000円~5,000円 | 700円 |
5,000円~7,000円 | 1,000円 |
7,000円~10,000円 | 1,500円 |
10,000円~15,000円 | 3,000円 |
15,000円~20,000円 | 4,000円 |
20,000円~30,000円 | 5,000円 |
30,000円~50,000円 | 7,000円 |
50,000円~70,000円 | 10,000円 |
70,000円~100,000円 | 15,000円 |
100,000円~150,000円 | 30,000円 |
150,000円~200,000円 | 40,000円 |
200,000円~300,000円 | 50,000円 |
300,000円~500,000円 | 70,000円 |
500,000円~700,000円 | 100,000円 |
700,000円~1,000,000円 | 150,000円 |
1,000,000円~1,500,000円 | 300,000円 |
1,500,000円~2,000,000円 | 400,000円 |
2,000,000円~3,000,000円 | 500,000円 |
3,000,000円~5,000,000円 | 700,000円 |
値幅制限によれば、1日の株価推移はおおよそ10%台~20%台に収まることがわかります。
ただし、低位株では、株価の値幅制限が50%を超える場合もあります。仕手株などで低位株が好んで物色されるのは、こういった値幅制限のレンジが関係していると言えます。
ただ、この値幅制限は状況によって、拡大することがあります。
値幅制限の特別措置
以下のような場合には、臨時に制限値幅を拡大する変更をすることがあります。
例えば、3営業日連続で
(1) ストップ高(安)となり、かつ、ストップ配分も行われず売買高が0株
(2) 売買高が0株のまま午後立会終了を迎え、午後立会終了時に限りストップ高(安)で売買が成立し、かつ、ストップ高(安)に買(売)呼値の残数あり
のいずれかに該当した場合、その翌営業日から制限値幅を拡大することとしております。
簡単にまとめると「3日連続ストップ高(安)張り付き」だった場合には、値幅制限が2倍に拡大されます。
※ただし、拡大されるのは、ストップ高が3日連続なら上限値幅が2倍、ストップ安が3日連続なら下限値幅が2倍になるということで、上限下限の片方だけが2倍に拡大します。
保有株が大引けでストップ高(安)した場合
保有株がストップ高やストップ安に張り付いた場合に、株を売却したい時はどうすればいいでしょうか。
保有株がストップ高した場合
ストップ高で大引けを迎えるということは、最終的に買い注文が売りの注文より多い状態が午後3時まで続いている状態です。
ストップ高またはストップ安で大引けを迎えた場合には、比例配分方式で注文が約定することになります。
そのため、ストップ高した保有株を売却する時は、売り注文を出しておけば約定します。
保有株がストップ安した場合
逆に保有株がストップ安して売却する時は、少ない買い注文に対する争奪戦になるため、絶対に売却できるわけではありません。
可能性としては、成行で売り注文を出していれば、買い注文が抽選で振り分けられるので約定する可能性があります。※ストップ安で指値注文よりも成行注文の方が優先度が高い
ストップ高大引けは翌日の寄り付きも上昇しやすい
私の経験上、ストップ高で大引けを迎えた保有株は翌日も株価が上昇する傾向があると思います。
大引け時の買い注文と売り注文の数量が極端に開いている場合などは、ストップ高で大引けを迎えたとしても、その時に売らないで翌日まで様子見しています。
ストップ高・ストップ安銘柄の探し方
ストップ高銘柄やストップ安銘柄は証券会社の提供するツールなどで探すことができます。
例えば、私の場合にはSBI証券で株の売買をしていますが、取引ツール「HYPER SBI」の機能で「マーケット情報→ランキング→ストップ高(安)」を選択すれば、リアルタイムにストップ高(安)している銘柄を探すことが出来ます。
値動きの大きい株や材料株を探すには効率的な方法ですね。
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