RSIは最もよく利用されているテクニカル分析の一つで、「Relative Strength Index」の略称で、日本語では「相対力指数」と言います。
今回はそのRSIについての基本と使い方を詳しく解説していきましょう。
RSI(相対力指数)とは
RSIは日本語名の「相対力」が示すように、株価が「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するためのオシレーター系のテクニカル指標です。
RSI(相対力指数)の求め方
RSIの具体的な求め方は、以下の数値を使います。
- 過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計
- 同期間の上げ幅と下げ幅の合計
そして、RSIの計算式は以下のようになります。
この数式だけでは、RSIがさっぱりわからない人もいると思うので、具体的に説明します。
RSIの計算例
具体的な例として、10日間のRSI(相対力指数)を計算してみましょう。例えば、その期間の株価の推移と変動がこのようになっていたとします。
日 | 株価 | 株価の変動幅 |
---|---|---|
前日(基準日) | 100円 | - |
1日目 | 105円 | +5円 |
2日目 | 109円 | +4円 |
3日目 | 113円 | +4円 |
4日目 | 108円 | -5円 |
5日目 | 112円 | +4円 |
6日目 | 121円 | +9円 |
7日目 | 117円 | -4円 |
8日目 | 114円 | -3円 |
9日目 | 118円 | +4円 |
10日目 | 121円 | +3円 |
この表では、100円の株価を基準にした1日目から10日目までの株価の変動がわかります。
この中で、まずは株価が上昇した日と下落した日の合計を出します。
+5円(1日目)+4円(2日目)+4円(3日目)+4円(5日目)+9円(6日目)+4円(9日目)+3円(10日目)=+33円
-5円(4日目)-4円(7日目)-3円(8日目)=-12円=12円(下げ幅)
これを先ほどのRSIの計算式に当てはめてみましょう。
RSI=33円÷(33円+12円)×100
=33円÷(33円+12円)×100=73.33…≒73%
つまり、この10日間のRSI(相対力指数)は約73%ということになります。
RSIの数字の意味
RSIの数値0から100%の間で推移しますが、RSIが低いほど売られすぎ、高いほど買われすぎとして捉えられます。
その理由は、計算式でもわかるように
ということが関係しています。
分母にくらべて、分子の割合が大きいということは、「株価が上昇した幅の合計の方が、下落した幅の合計に比べて多い」ということになりますから、株が積極的に買われているということになります。
極端に言えば、
- RSIが100%ならその期間の株価の終値はずっと前日より高く
- RSIが0ならその期間の株価はずっと前日より低い
ということになります。
RSI(相対力指数)を利用したテクニカル分析の方法
では、このRSIはどのようにして、テクニカル分析として株価の予測に利用されるのでしょうか。
RSI(相対力指数)は「逆張りとしてのテクニカル分析」です。そのため、RSIの数値によって、相場の転換点を予測することが可能になります。
RSIの買われ過ぎ、売られ過ぎの目安
RSI(相対力指数)は、一般的に以下のような目安で判断されます。
- 70%~80%を超えると買われ過ぎ
- 20%~30%を割り込むと売られ過ぎ
RSIをチャートで表すとこのようになります。
上の日足チャートに対して、下は期間14日のRSIです。
この図では、RSIが70%を超えている期間と、RSIが30%を下回っている期間があり、結果的にはその後に株価が転換しているのがわかります。
RSIを設定する期間
上のチャートでは、RSIの期間を14日で設定しています。設定する期間は、それの分析に用いるチャートの期間によって変わりますが、一般的には次のような期間が用いられます。
- 日足:9日 14日 22日 30日
- 週足:9週 13週
どの期間のRSIを利用するかは、その株価チャートとの相性もありますので、過去のRSIの傾向から、どの期間のRSIが連動しているかを知る事が重要です。
ただ、一般的にはデフォルトは14日になっていることが多いと思います。
RSI(相対力指数)が有効な活用方法のヒント
RSIは逆張りによる投資判断をするのに、有効なテクニカル分析です。
そのため、トレンドの転換点を見極める時には、信頼性の高いテクニカル分析と言えます。
ただし、長期的に安定した上昇トレンドや下落トレンドでは、RSIが高値圏や安値圏で推移し続けることもあるために、ボックス相場の方が信頼性が高いと言えるでしょう。
また、他のテクニカル分析と同様に、いくつかのテクニカル分析を併用して投資判断することが、より正確な分析をするためには必要と言えます。
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