ゴールデンクロスとデッドクロス【基本と使い方のポイント】

「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は移動平均線やMACDによるテクニカル分析をする際に売買サインになります。

売買判断は単純でわかりやすい反面、注意するべきポイントもあります。本記事では、ゴールデンクロスとデッドクロスの基本と使い方のコツについて解説します。

ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロスとデッドクロスは、簡単な仕組みなので投資初心者でも使いやすい売買サインです。

まずは、ゴールデンクロスとデッドクロスの基本知識について整理してみましょう。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上に突き抜けることで株価上昇のサインとして用いられます。

ゴールデンクロス

デッドクロス

逆に、デッドクロスは短期の移動平均線が長期の移動平均線を下に割り込むことで株価下落のサインとして用いられます。

デッドクロス

クロス判断に使われる移動平均線の期間

移動平均線で用いられる期間は次のようなものがあります。

  • 日足:5日、10日、20日、25日、50日、75日
  • 週足:13週、26週、52週

ゴールデンクロスとデッドクロスは、この異なる期間の移動平均線が交差するタイミングのことです。

また、移動平均線のクロスによる上昇下落のサインは、期間設定の長い移動平均線ほど強いサインになります。

  • 短い期間の移動平均線のクロスは弱いサイン
  • 長い期間の移動平均線のクロスは強いサイン

ゴールデンクロスとデッドクロスの注意点

移動平均線のクロスによる売買判断は単純ですが、注意すべき点もあります。

移動平均線は遅効性がある

移動平均線は、過去の一定期間を単純平均した値を算出します。そのため、株価の変動と移動平均線の変動にはタイムラグが生じます。

移動平均線がクロスしてトレンドの転換サインが出た時には、すでに株価の転換は一服していることも少なくありません。

例えば、移動平均線がゴールデンクロスしたタイミングでは株価は上昇のピークを過ぎていて、次の下落トレンドが始まっているというような場合もあります。

MACDは遅効しない移動平均線

「MACD」は「指数平滑移動平均」を用いることで、普通の移動平均線の遅効性を解消したテクニカル分析指標です。

そのため、MACDのゴールデンクロスとデッドクロスは、実際の株価チャートと連動しやすい傾向があります。

MACDの売買サイン

ゴールデンクロスとデッドクロスの効果的な使い方

ゴールデンクロスとデッドクロスを効果的に使用するためには、次のようなポイントがあります。

移動平均線は短期より長期の方が信頼性が高い

移動平均線を利用したゴールデンクロスとデッドクロスの売買判断は、長期の移動平均線で行うことが効果的です。

短期の移動平均線では、タイムラグによるフェイクが発生しやすいからです。

もし、短期の移動平均線でゴールデンクロスとデッドクロスを利用するなら、他のテクニカル分析と併用するか、より長期の移動平均線のクロスが起こる前の予備サインとして利用しましょう。

クロスする前に想定して売買する

また、移動平均線が株価チャートに遅行するというデメリットがある反面、ゴールデンクロスやデッドクロスのタイミングを予想することも難しくありません。

そのため、クロスする直前にトレンドの転換を予想して売買するのも、ゴールデンクロスとデッドクロスの有効な利用方法だと思います。

フェイクだった場合の損切りポイントを決める

テクニカル分析に共通することですが、損切りするポイントは予め決めて売買することが大切です。

ゴールデンクロスやデッドクロスがトレンドの転換にならない場合も珍しくありません。そのため、売買する時には損切りするポイントは必ず考えておくことが大切です。