株式投資を始めるにあたって、多くの人が向き不向きについて考えると思います。
本記事はそんな投資の向き不向きの中で「数学が得意な人」の方が株式投資で有利かどうかを考えてみたいと思います。
株式投資ではどれくらい数字を使うのか?
株式投資をしていると、あらゆることに数字が絡んできます。個人投資家が株式投資を始めるにあたって、数学の知識はどれくらい必要なのでしょうか。
株価、株数、損益、PER、PBR、移動平均線、乖離率、貸借対照表、損益計算書など、株を買うにも投資分析するにも決算書を読むにも数字を理解することは株式投資に欠かせません。
そのため、数字が苦手な人にとっては株式投資は楽しくないものと思うかもしれません。株式投資の入門書などで勉強して、多くの数字を見て嫌になってしまう人も多いと思います。
しかし、数字が苦手だからと言って、投資を諦めてしまうのは勿体ないことです。
株式投資では数学は基礎さえ出来れば十分
投資の入門書などで数字が多くて諦めたという人にとって、「数字=数学」かもしれませんが、実はそうではありません。
一般の個人投資家にとって株式投資に、難しい数式や計算は基本的には必要ありません。ほとんどが、四則演算など算数レベルから初歩的な数学で事足りる数字です。
では、株式投資で利用する数学には具体的にどのようなものがあるでしょうか。
株式投資で使う数学は大きく3つ
株式投資で使う数学は大きく次の3つです。
- 割合(%)の計算
- 確率(期待値)の計算
- 平均の求め方
機関投資家や研究者になるとすれば大学以上の知識が必要になりますが、個人投資家が株式投資をするなら、割合、確率、平均の理解は中学校で教わる数学で十分です。
これらの数学を利用する具体的な事例は次の通りです。
株式投資で使う数学1:割合(%)の計算
株価の変動、損益率の計算、PER(株価収益率)の計算、銘柄比較など、株式投資で使う数学で最も多いのは「割合(%)」に関することです。
株式投資で使う数学2:確率(期待値)の計算
株価の上昇、下落の予想を立てる時には、経験や様々な条件から自分なりに確率を計算します。
株式投資を続けていれば、上昇と下落のどっちに動く可能性がどれだけ高いか、予想される利益と損失の差はどれくらいかなどを求める際に、確率や期待値を自然に計算するようになるでしょう。
株式投資で使う数学3:平均の求め方
平均は、移動平均線などテクニカル分析の基本的な考え方を理解するために必要になります。
他にも、指数とよばれる相場の動きを表す数字(日経平均株価やTOPIXなど)を理解するためには、平均についての知識が必要になります。
高度な数学が必要ない理由
高度で複雑な数学が株式投資に必要ない理由は以下の通りです。
- 高度な数学の計算は専門家がする
- 高度な数学の計算は固有名詞化されて答えだけを利用できる
- 株式投資を20年続ける私に高度な数学は理解できない
高度な数学の計算は専門家がする
高度な数学の計算は専門家の仕事です。個人投資家が株式投資で利益を出すために高度な数学の計算をする必要性はありません。
そこまで追求するなら証券アナリストを目指した方が良いかもしれないと思います。
高度な数学の計算は固有名詞化されて答えだけを利用できる
株式投資で売買の判断をするための数学の多くは固有名詞化されています。テクニカル分析はそういう固有名詞化された高度な数学の代表的なものです。
例えば、ボリンジャーバンドであれば証券会社のツールを使えば一発で表示され、それを求めるのに必要な計算をする必要はありません。
計算式は覚える必要がなく、それがどういう意味を持つのかを知っていれば十分です。
株式投資を20年続ける私に高度な数学は理解できない
私自身の20年の株式投資の経験からも、高度な数学の知識を必要としませんでした。必要があれば、高度な数学を身につける努力をしたでしょう。
しかし、割合、確率、平均以外の数学を使う事なく、ずっと資産が増え続けています。高度な数学を必要としない一番の理由です。
必要なのは高度な数学ではなく使い道
株式投資に必要なのは高度な数学の知識よりも、それによって導き出された答えの使い道です。
「ボリンジャーバンドとはどういう特徴があるのか」「日経平均株価によって得られる相場の評価はどういう特徴があるのか」などを理解できれば、高度な計算ができなくても利用することができます。
【まとめ】数学が得意である必要はないが義務教育水準の知識は身につけよう
以上のことから、株式投資をするのに数学が得意である必要はないと思います。
ただ、「割合」「確率」「平均」については義務教育水準の数学の知識はあった方が良いでしょう。中学生の頃に数学が嫌でサボっていたとしても、今から学習すれば十分に身につくレベルです。
数学が苦手だから投資は向いていないと諦める前に、少しだけ株式投資について学んでみてはいかがでしょうか。