決算発表は多くのザラ場引け後(平日の15:00以降)に行われます。そのため、決算発表がある日は保有株を持ち越すか売却するかは、多くの投資家にとって悩みどころとなります。
今回はそんな決算発表が株価に与える影響について考えてみました。
決算発表と株価への影響
決算発表が株価に与える影響は投資家にとって極めて重要です。発表後に株価が10%以上変動することも珍しくありません。
企業の業績や進捗状況、事業の内容など全てを考慮した上で、投資家は買いか売りかを判断するのですから、具体的な数値として開示される決算発表が注目されるのは当然です。
では、決算発表のどんな項目が株価に大きく影響を与えるのでしょうか。
株価に影響を与える決算書の項目
個人的に特に株価に影響を与えるであろうと思う決算発表の内容は以下の通りです。
- 将来の業績予想
- 業績の進捗率
- 投資家が期待する業績とのギャップ
個人的にはやはり業績に関する内容が株価に最も大きな影響を与えることになると思います。正確には業績のある一面が株価に影響を与えると考えています。
業績の良し悪しではなくギャップが株価に影響する
業績の良し悪しよりも投資家が期待する業績と実際の業績の乖離が株価に影響するというのが、15年株式投資をしていて感じていることです。
つまり、業績が良いと思われている企業の決算が良くても、それが投資家の予想の範囲内であれば株価上昇の要因としては軽微で、逆に業績が悪いと思われていた企業の業績が普通だった場合の方が株価が上昇しやすいということです。
発表される業績と投資家が期待する業績のギャップを想定する
重要なのは発表される業績と投資家が期待する業績のギャップを想定することです。
株価には実際の業績だけでなく、投資家による業績期待が影響を与えています。決算発表は、その期待に対する答え合わせでもあります。
銘柄を保有している以上、四半期決算発表の度に(3カ月に1度)答え会わせをしていくということになります。保有しているからこそ、その企業については保有していない投資家よりも情報に長けているはずです。
決算発表時には投資家の過剰な期待に注意
業績が良いと考えられる銘柄には、投資家から過大な期待がかかります。
そのため、投資家が好業績を期待する銘柄では、決算発表の直前にかけて株価が上昇する傾向があります。
私は投資家の期待から決算発表直前に株価が上昇している銘柄は、一部利益確定して決算発表を待つようにしています。
行き過ぎた失望感は逆に好材料
また、業績の進捗が悪い銘柄には、失望感から過剰に株価が下落していることがあります。
そういう銘柄は、決算発表後に投資家の想定よりも業績が持ち直し、大きく反発するようこともあります。
私は業績の進捗状況が悪く株価が大きく下落している銘柄は、決算発表前に買い増しするようにしています。
【まとめ】一概に好業績と株価の変動は連動しない
業績が良ければ株価が上がるという考えは、決算発表直後の動きとしては、必ずしも正しくありません。
「材料出尽くし」という投資用語があるように、良い決算だから株価が上昇するほど株式投資は単純ではありません。
投資を15年続けていても、決算発表時の保有株をどうするかは非常に難しい選択です。ただ、投資家の期待が会社の実体以上になっていないかを、注意深く観察することで決算発表におけるリスクは低減させることは出来るでしょう。