投資を始めるのに必要なのはお金ではなく3つの経験

株式投資にしてもFX取引にしても初期投資資金をいくらにするのかは、投資を始める際に誰もが気にするポイントです。

投資資金が少ないからと言って投資を躊躇う人や、沢山稼ごうと考えて無理して多額の投資資金を貯める人もいるのではないでしょうか。

もちろん投資資金があってこそ株や為替の売買が可能になるわけですが、投資資金は実はそれほど重要ではありません。

今回は、そんな投資資金よりも重要な投資に必要な経験について解説します。

株を始める投資資金の目安は?

株式投資を始めるのに初期投資資金はいくら必要でしょうか。

私自身は、初期投資資金は50万円くらで株式投資を始めました。15年経過した今では、株式投資による利益の総額は初期投資費用の60倍の3000万円程度です。

私自身が優秀な投資家ということは一切ありません(むしろトレード下手な投資家です)ので、真剣に投資をすれば誰でも10数年で達成できると思います。

ただ、50万円という投資資金は人によっては多すぎる、少なすぎると感じるかもしれません。

私自身は当時20代前半でしたが、貯蓄は少なく何とか出せる程度の投資資金でした。本気で株式投資で稼ぎたいと思っていたので、身の丈からすれば少し頑張った金額です。

答え:自分が出せると思う金額で良い

では、これから投資を始めたいという人は私と同じように50万円くらいは最初に準備してくださいと考えているかといえば全くそんなことはありません。

「投資を始めるのに必要な投資資金は、自分にとって投資に出せると思う金額で良い」というのが答えです。

逆に、「現在10万円くらいは出せるけど、たった10万円の投資で利益が出てもわずかなものだし、100万円までは貯めよう」と考えているとすれば、それは間違いだとハッキリと断言できます。

5万円しか初期投資資金に余裕がなくても投資に興味があるのであれば、5万円で始めるべきです。株式投資にしてもFX取引にしてもそれくらいの金額があれば始めることが出来ます。

ただ、もし投資はしたいけど貯金が全く無くて5万円も出せないというのであれば、その時は数日間だけ頑張って普段の仕事とは別にアルバイトなどして5万円ほど貯めてください。

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初期投資資金が少なくて良い理由

私の経験上、投資において初期費用はそれほど重要ではありません。なぜそう言い切るのかと言えば、投資資金が多くても少なくても「投資が下手なら損をするから」です。

そして、投資を始めたばかりの人は基本的にみんな下手です。

仮に投資初心者が最初の1年間で資産を運用する成績の平均が投資資産の-20%だとすれば、10万円なら2万円の損失、1000万円なら200万円の損失ということになります。

10万円よりも1000万円で投資を始める方が、確かに得られる経験や知識は多くなります。しかし、その違いに200万円の価値があると言えるでしょうか?

私自身も最初の2、3年くらいは損失を出していました。利益になる売買もありましたが、損失になる売買の方が多かったのはハッキリと覚えています。

つまり、初期投資資金は多すぎない方が投資初心者には良いということが言えます。無理して多額の投資資金を出して株を始めることは、無駄であるとさえ思います。

大切なのは経験を積むこと

では、全く資産が増えず損をする期間が無駄な時間かと言えばそれも間違いです。

私の場合は、3年間は投資資金がマイナスになっている状態でしたが、その3年間があったからこそ、その後の12年で投資資産を60倍にすることが出来ました。

この間で、私が得たのは以下の3つの経験です。

  • 投資で利益を出す経験
  • 投資で損失を出す経験
  • 投資資金に応じた適切な金額で売買する経験

何度も言いますが、投資を始める時にいくら投資資金があったとしても投資が下手であれば損をするだけです。

頑張って貯めた1000万円であっても投資技術が未熟なら500万円になってしまうかもしれません。

10万円で始めて5万円になった場合と比べて、100倍の知識や経験がつくなら構いませんが、得られる知識や経験にそこまで大きな違いはありません。

成功と失敗を繰り返すことで自分の判断を修正する

経験を積むことで、自分の投資判断と実際の株価の変動による損益の違いを修正することが出来ます。

これは、デモトレードやシミュレーションでも出来ると思うかもしれませんが、実際に自分のお金を使って売買することに比べると、経験値は雲泥の差になります。

リアルなトレードだからこそ、記憶や感情に残る経験が培われると言えます。

投資資金と売買のバランスを修正する

株価の推移を予測する経験も必要ですが、それと同じくらい大切なのは自分の投資資金と売買に使う資金のバランスを知る事も重要です。

100万円の投資資金で投資するにしても、1度の売買に使う資金が多過ぎれば、少しのミスでリカバリーできないような損失を出す可能性があります。

ただ、そのさじ加減は投資の経験によって培われるものですから、投資初心者である間にはわかりようのない事です。

そういった、経験しないとわからない事を身につけるのが、投資資金よりも重要であると断言できます。

投資資金は売買に慣れてから追加すればOK

そう考えると、投資資金を貯めるため費やした時間や労力は、少ない投資資金で始めて投資の経験や投資の時間に変えたほうが良いとは思いませんか?

もし投資資金を増やしたいのであれば、勝てる投資をしていれば自然に増えるし、同時進行で貯金して好きなタイミングで追加投資することも出来ます。

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投資資金は身の丈にあった金額で経験を積もう

最後に念のため、投資資金が多いことが悪いと言っているわけではありませんので誤解しないでください。

金銭的価値観も人それぞれですから、出せる資金があれば投資資金をいくらにするかは自由だと思います。

逆に少なすぎると感じる投資資金では損失を出しても、そこから真剣に考えることをしないかもしれません。

ですから自分にとって、投資に使うのに値すると思う資金を投資資金にすれば良いと思います。

今回伝えたかったのは、投資を始めたいなら、資金がないからと躊躇するのではなく、経験や技術を身につけるために少しでも早く始める方が効率的だということです。

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