投資を始めるのに必要なのはお金ではなく3つの経験

投資を始める際に、最初の投資資金としてどれくらい必要なのかは誰もが気になるポイントです。

投資資金が少ないからと言って投資を諦める人や、沢山稼ごうと考えて無理して多額の投資資金を貯める人もいるのではないでしょうか。しかし、最初に準備する投資資金は実はそれほど重要ではありません。

本記事では、投資資金よりも重要な「投資に必要な経験」について解説します。

株を始める投資資金の目安は?

私は株式投資を始める際に、約50万円の投資資金を準備しました。20年経過した今では、株式投資の利益総額は100倍の5000万円程度です。

私自身が優秀な投資家ということは一切ありません。むしろトレード下手な投資家です。20年間、真面目に資産運用を続ければ、誰もが実現できる程度の利益です。

この、50万円という資金は人によっては多すぎる、少なすぎると感じるかもしれません。

私が株式投資を始めたのは20代前半で、貯蓄が少なく50万円が投資資金として支出できる金額の上限でした。本気で株式投資で稼ぎたいと思っていたので、身の丈からすれば少し頑張った金額です。

最初の投資資金は自分が出せる金額で良い

では、これから投資を始めたいという人は私と同じように50万円の資金を最初に準備してくださいと考えているかといえば全くそんなことはありません。

「投資を始めるのに必要な投資資金は、自分にとって投資に出せると思う金額で良い」というのが正しい考え方です。

逆に、「10万円くらいは出せるけど、たった10万円の投資で利益が出てもわずかなものだし、100万円までは貯金で増やそう」と考えているとすれば、それは間違いだとハッキリと断言できます。

5万円しか初期投資資金に余裕がなくても投資に興味があるのであれば、5万円で始めるべきです。株式投資にしてもFX取引にしてもそれくらいの金額があれば始めることが出来ます。

最初の投資資金が少なくて良い理由

私の経験上、投資において最初の投資資金は重要ではありません。投資資金が多くても少なくても「投資が下手なら損をするから」です。

そして、投資を始めたばかりの人は基本的に投資下手です。

仮に最初の1年間における資産運用の成績が-20%だとすれば、10万円なら2万円の損失、1000万円なら200万円の損失になります。

10万円よりも1000万円で投資を始めた方が、得られる経験や知識は多いでしょう。しかし、200万円の価値はありません。

私自身も最初の3年は損失を出していました。利益になる売買もありましたが、損失になる売買の方が多かったのはハッキリと覚えています。

つまり、最初の投資資金は多すぎない方が投資初心者には良いということが言えます。無理して多額の投資資金を準備して株を始めることは、無駄であるとさえ思います。

大切なのは経験を積むこと

では、全く資産が増えず損をする期間が無駄な時間かと言えばそれも間違いです。

私の場合は、損失を出していた3年間があったからこそ、現在、100倍の利益を出すことができました。

私が得たのは次の3つの経験です。

  • 投資で利益を出す経験
  • 投資で損失を出す経験
  • 投資資金に応じた適切な金額で売買する経験

何度も言いますが、投資を始める時にいくら投資資金があったとしても、投資が下手であれば損をするだけです。

10万円で始めるより1000万円で始めた方が、100倍の知識や経験が身につくなら価値はありますが、得られる知識や経験にそこまで大きな違いはありません。

成功と失敗を繰り返すことで価値観を修正する

経験を積むことで、自分の投資判断と実際の株価変動の違いを修正することが出来ます。

デモトレードやシミュレーションでも出来ると思うかもしれませんが、自分のお金を使って売買することに比べると、経験値は雲泥の差になります。

リアルなトレードだからこそ、記憶や感情に残る経験が培われます。

投資資金と売買金額のバランスを修正する

自分の投資資金と売買に使う資金のバランスを知る事も重要です。

1度の売買金額が多過ぎれば、少しのミスでリカバリーできないような損失を出す可能性があります。

さじ加減は投資の経験によって培われるものですから、投資初心者が適切な売買金額をわかるはずがありません。

経験しないとわからない事を身につけるのが、投資資金よりも重要であると断言できます。

投資資金は売買に慣れてから追加すればOK

そう考えると、投資資金を貯めるため費やした時間や労力は、少ない投資資金で始めて投資の経験や時間に変えたほうが良いとは思いませんか?

投資資金を増やしたいのであれば、勝てる投資をしていれば自然に増えるし、好きなタイミングで追加投資することも出来ます。

身の丈にあった投資資金で経験を積もう

投資資金が多いことが悪いと言っているわけではありませんので誤解しないでください。金銭的価値観も人それぞれですから、投資資金をいくらにするかは自由です。

本人にとって少なすぎると感じる投資資金ではデモトレードと同じで、損失を出しても真剣に考えることをしないかもしれません。

自分にとって、投資に使うのに値すると思う資金にすれば良いと思います。

今回伝えたかったのは、投資を始めたいなら、資金がないからと諦めるのではなく、経験や技術を身につけるために少しでも早く始める方が効率的だということです。