株式投資の売買注文には、指値注文や成行注文、逆指値注文だけでなく、他にも様々な条件を付けて発注することができます。
注文方法を使い分けることで、投資成績の向上にも繋がります。そこで今回は、株式投資に役立つ色々な注文方法について解説します。
執行条件と注文方法
執行条件とは、注文が発注されるための条件や約定後の条件などを定めることです。
通常の指値注文や成行注文では注文時に気配値に反映されますが、執行条件を付けた注文は、その条件が満たされるまでは注文が保留された状態になります。
逆指値注文は、条件付けした株価になるまで注文が保留状態になる注文方法です。
では、執行条件には、どのような条件が付けられるのでしょうか。
注文を出す時間を執行条件にする
売買注文の「時間指定」も執行条件付きの注文方法です。
- 寄付き成行(寄成)・・・寄付きにのみ成行注文が執行される
- 寄付き指値(寄指)・・・寄付にのみ指値注文が執行される
- 引け成行(引成)・・・引けにのみ成行注文が執行される
- 引け指値(引指)・・・引けにのみ指値注文が執行される
これらは、寄付き時や引け時にのみ注文が出される注文方法です。
寄付き注文では、約定しなかった注文は取り消しされます。また引け注文は、前場注文は前引けに、後場注文は大引けに発注されるので、注意が必要です。
この4つの注文方法は、寄付きと引けを執行条件とした代表的な注文方法です。また、これらに類似する注文方法に不成注文というのがあります。
不成注文(指成注文)
「不成注文」は「指成注文」とも言われる注文方法で、ザラ場には指値で注文を出しておき約定しなければ引け時点に成行注文に変わる注文方法です。
必ずその日に約定しなければいけない時に不成注文を使えば、引けギリギリまで指値注文を出しておけるので、非常に便利な注文方法です。
ただし、前場で不成注文を出してしまうと、前場の引けに成行注文に変わるために、大引けに成行注文として使いたい場合には、後場に注文を出さなければいけません。
IOC注文
IOC注文は「Immediate or Cancel order」の略称で、その瞬間だけ注文を通して、約定しない株は取り消しにする」注文方法です。
このIOC注文は、相場の値動きが激しい時に効果的な注文方法です。相場の変動が激しい時には、注文を取り消したくなったとしても動きが激しく、取り消しする前に約定してしまう可能性も高くなります。
IOC注文を使う事で、そのタイミングに限って売買したい注文だけを通すことが出来ます。
特殊な執行条件をつける注文方法
時間を執行条件にする以外にも特殊な条件を出す注文が可能です。
OCO注文
OCO注文は、「One Cancels the Other」の略称で、指値注文と逆指値注文の2つを同時に注文する注文方法です。
例えば、株価1000円で買った株を「1100円で利益確定」「900円でロスカット(損切り)」したいとします。
この場合には、OCO注文で1100円で指値注文を出しますが、万が一、株価が1100円をつけずに900円まで下落した場合には、逆指値注文をして900円でロスカット注文が出るように条件を付けることが出来ます。
IFD注文
IFD注文は、「If done」の略称で、買い注文と売り注文を同時に出す注文方法です。
例えば、1000円で株を買う注文を出しておき、その注文が約定した瞬間に、その株を1100円で売却するための注文を出すことが出来ます。
IFD注文は、現物では買い注文と売り注文をセット、信用取引では新規建て注文と返済注文をセットにして注文することが出来ます。
IFDOCO注文
IFDOCO注文は、IFD注文とOCO注文の両方を利用した注文方法です。
買い注文と売り注文をIFD注文で発注し、売り注文にはOCO注文で、指値による利益確定と逆指値によるロスカット注文を出すことを言います。
具体的には1000円で株を買う注文を出し、約定した場合には、1100円で売り指値注文、900円まで下がった場合には900円で逆指値による売り注文を発注しておくといった利用方法です。