「仕手株」という言葉は投資をしない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか?
私自身、保有株が仕手株になった経験がありますが、仕手株について言える事は、夢があるがリスクも極端に高い株ということです。
今回はそんな仕手株について解説します。
仕手株とは
仕手株とは、特定の投資家たちによって、意図的に株価を大きく変動するように仕向けられた株のことを言います。また、これらの特定の投資家は「仕手筋」と呼ばれています。
仕手筋は、対象となる株を買い集め、タイミングをみて一気に買い上がることで、短期間で株価を数倍、数十倍にまで上昇させることがあります。
この意図的な株価の操作は、当然ですが違法行為として、金融商品取引法により禁止されている行為です。
仕手株になりやすい銘柄の特徴
ただ、株価が大きく変動するように仕向けられた仕手株を個人が売買することは、短期的に大きな利益を見込める魅力的な株として人気が高いのも事実です。
では、そういった仕手筋によって株価が大きく上昇するように仕向けられる仕手株には、どういった特徴があるのでしょうか。
仕手筋が株を買い集める際には、目立たないようにするために、大きな挙動が出る前に仕手株だというのに気づくのは難しいと思います。
ただ、仕手株ということは「仕手筋がコントロールできる株」であることが必須条件ですから、普段から出来高の多い大型株や人気株などは対象にはなりにくいでしょう。
また、株の上昇幅を考えると、値嵩株(ねがさかぶ)よりも株価が1000円以下の中小型株が仕手株としての条件になりやすいと言えます。
もう一つ重要なのは、貸借銘柄かどうかというのもポイントになります。仕手株の値動きは上昇一辺倒というわけではありません。下落する時にも大きい下落率になることから、空売りが可能な貸借銘柄であることも、仕手株になりやすい条件と言えるでしょう。
ここで少しだけ、私がした仕手株の体験談をお話しします。
保有株が仕手株化した体験談
私の保有株の中にも、2018年から2019年にかけて仕手株になったのではないかと思う銘柄が一つありました。
その株は関東地方のフリーペーパーなどを扱う企業の株で、ジャスダック市場に上場する小型株でした。業績も特に大きく拡大するわけではなく、2018年中ごろまでは株価水準が500円台から600円台程度で推移していました。
仕手株になる挙動
普段から出来高も少なく、大きな値動きの少ない株でしたが、ある時期を境に不思議な値動きをすることがありました。
数カ月に一度程度、一時的に株価がストップ高付近まで値上がりしては元の株価くらいに戻るということを、数回程度繰り返していたんですね。
今思えばあれは、仕手筋の仕込みだったようにも思えます。ただ、私はファンダメンタルズ分析を投資の軸にしているために、会社の業績や財務に合わない株高だったために、何度目かのストップ高水準で売却してしまいました。
仕手株化した保有株の株価推移
私は売却していましたが、2019年中ごろまでのこの株の値動きは、たった2ヵ月で500円台だった株価が一時最高値5000円付近まで10倍の値をつけるような動きになりました。
確実に仕手株とは断言できませんが、おそらく仕手株であると推測することが出来ると思います。
以下はその株の1年間の株価チャートです。
体験談による仕手株の最初の挙動
以上のことから、私が感じた仕手株の最初の挙動は、
という3つです。
他にもパターンはあると思いますが、私自身の経験した仕手株の準備段階と推測されるのは、このような動きです。
仕手株は投資初心者にはリスクが高い
株価が数倍以上になる仕手株は保有していれば大きな利益になりますが、反面、失敗した時には大きな損失になります。
先ほどの株のチャートを見てもらえばわかりますが、一時は株価5000円をつけた株が数か月後には1000円を切って1/5の株価になっています。もし最高値圏で株を買ってしまうと、どういうことになるかは一目瞭然ですね。
仕手株は仕手筋も失敗する場合がある
仕手株は株価操縦した仕手筋ですら、失敗する可能性のある難しい売買です。多くの投資家に注目されるということは、それだけ多くの売買が入り乱れることになり、全員が大きな利益を得られるわけではありません。
仕手株の株価水準はいずれ戻る
仕手株は、結局のところは株の需要と供給のバランスを作為的に傾けることによって作り出された相場です。
そこに、その株の本来の業績や財務的な要素は関係ありません。PER100倍200倍、PBR10倍20倍にも関わらず、利益成長率が10%にも満たないとすれば、需要と供給のバランスが適正になれば株価が下落するのは、株式市場の道理です。
仕手株を買うのは挙動が出始めた段階
私自身は仕手株の投資をオススメはしませんが、どうしても仕手株をターゲットに株式投資をするのであれば、こういった株の最初の挙動を見逃さない選別眼が必要になります。
株価が数倍になった後に、仕手株を売買し始めたとしても、利益が出る可能性は初動から売買できた投資家に比べると圧倒的に低くなるからです。
当然、数千社ある上場企業の中でどれが仕手株になるのかを、1つに絞ることは難しい(というより普通の投資家には無理)なので、日々いくつかの挙動のある銘柄をピックアップして、じっくりと動きを監視する必要があるでしょう。
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