株式投資と人間関係の共通点

私は投資歴約20年の個人投資家ですが、株式投資と人付き合いには様々な共通点があると思います。良好な人間関係の構築と同様に、株式投資では株との適切な距離感や考え方は無くてはならないものです。

本記事では、株式投資の適切な距離感や考え方を人間関係と比較して解説します。

負けない株式投資と良好な人間関係の共通点

株式投資と人間関係には次のような共通点があります。

株式投資と人間関係の共通点
株式投資 人間関係
魅力がある株を買う 魅力がある人と付き合う
分散投資をし過ぎない 過多な人付き合いは避ける
過去の売買記録を参考にする 過去の人付き合いを参考にする
価値観が合わなくなれば売る 価値観が合わなくなれば離れる
保有株に依存しない 相手に依存しない
理解出来ていると思わない 理解出来ていると思わない

魅力がある株を買う

株式投資は株を買わなければ始まりません。もちろん、株を買うなら自分にとって魅的と思える株を買うでしょう。

人付き合いにしても、自分にとって魅力のない人と仲良くなろうとは思わないのと一緒です。

保有株との付き合い方は千差万別

個人投資家には様々なタイプの人がいます。成長力のある株を好む人もいれば、私のように安定感のある株を好む人もいます。

どういう株に魅力を感じるのかは、どういう人に魅力を感じるのかと同じです。自分の興味ない株に投資しても、その企業の価値を理解することは難しいでしょう。

分散投資し過ぎない

株式投資ではリスクヘッジのために複数銘柄へ分散投資をすることが一般的です。魅力的な保有株が多いのは良いことですが、自分が把握しきれない数の銘柄への分散投資は資金効率を損なう可能性があります。

人付き合いでも、人付き合いが多くなり過ぎれば、全ての人との関係が希薄になり、良い交友関係を築くのが難しくなります。

時間も資金も有限ですから、自分にとって適切な銘柄数で分散投資をするべきです。

過去の売買記録を参考にする

株式投資でも人間関係でも失敗は付き物です。全ての取引や人付き合いが上手くいくわけではありません。

しかし、株式投資も人間関係も過去の経験から学び、より良い選択をすることが出来ます。過去の失敗や成功の記録や経験を参考すれば、新しく株に投資する時に成功する確率は上がるでしょう。

価値観が合わなくなれば売る

塩漬けは株式投資では絶対に避けるべき失敗です。好ましくない経営方針の転換や慢性的な業績の悪化など、投資対象として好ましくないと判断すれば損切りするのが投資との誠意ある向き合い方です。

保有株は家族や友人ではなく知人

家族や友人なら一蓮托生という道もあると思います。それはお互いが大きく影響を与え合うことが出来る関係だからです。

しかし、一般的な個人投資家が投資した企業に大きな影響力を持つことはありません。適切な分散投資でリスクヘッジをしているなら、お互いに与え合う影響は限定的です。人間関係で言えば、知人レベルの付き合いだと考えるのが妥当です。

保有株に依存しない

損切りできないのと同様に、保有株への依存も絶対に避けましょう。依存は思考の放棄です。適切な利益確定と損切りを見極めなければ、株式投資は負けることがほぼ確定します。

付き合う人の取捨選択も良好な交友関係を築く上で大切なことです。

理解出来ていると思わない

一般的な投資家にとって、会社の決算書やIR情報などで企業を分析したとしても、その会社について理解できることは限られています。理解できたという慢心があるとリスクへの備えが疎かになります。

人間関係でも同様に、相手のことを理解出来ていると過信すると、相手の些細な挙動を見逃したり、気づかない内に疎遠になっていくことがあります。