下落相場になったら専業投資家はどうなるか?

下落相場になったら専業投資家はどうなるか?

2012年末から2018年半ばは、株式投資で生活する専業投資家にとって非常に勝ちやすい相場でした。

日経平均株価は約3倍、マザーズ指数は4倍以上になったわけですから、ガッツリ相場に張り付きトレードできる専業投資家では負ける方が難しいくらいの相場です。

その相場も2018年半ば以降は踊り場に入り、2019年半ばからは米国の金利引き下げや米中貿易戦争、消費増税など経済的に悪いニュースばかりが目立つようになっています。

もし、このままアベノミクスがハッキリと終焉を迎えて下落トレンドに陥ったとしたら専業投資家はどうなってしまうのかを考えてみました。

下落トレンドで専業投資家はどうなる?

下落相場に入ると、当たり前ですが株式投資だけの専業投資家は、非常に厳しい状況に陥ります。

これまでは50%~90%の確率で売買が成功していた取引が、10~50%の確率になるわけですから、そう簡単に利益がでるわけではありません。

専業投資家は生活費分の利益は絶対に必要

そんな投資から距離を置きたい状況でも、専業投資家は取引を続けなければいけません。

生活費を稼がなければいけないからです。何もしていなくても衣食住や社会保険などの支払いで年間で200万円程度は生活には必要です。

仮に1000万円で専業投資家をしているとしたら、年利25%の利益を出しても税金を支払えば200万円しか残りません。

相場が下落しているさ中に、年利25%を稼いでも貯蓄すら出来ないという厳しい状況ですね。

下落相場でも専業投資家でいられる人

そのため、専業投資家で下落トレンドでも生き残れる人は、おそらく次のような方々です。

  • 資産が億単位である人
  • 他に不労所得がある人

まず初めに、資産が1億円を超える場合に投資で資産運用すると考えれば、分散投資をしつつ年間利回り4%程度の運用をすれば、400万円の利益となり税金を差し引いて320万円程度が手元に入ります。

また、他に不動産などを所有し家賃収入など不労所得があるのであれば、生活費を考えなくて良いので働かなくても専業投資家として生活できます。

つまり、どんな相場でも専業投資家として生活出来る人は、「1億円以上の資産を持つ人」か「別の不労所得がある人」に限られるのが一般的です。

それでも専業投資家として生活するなら

もし、その2つの条件以外で専業投資家として生活するなら、「不景気にも好景気と同じような取引が出来る投資」を行うことが大切です。

株式投資は上昇を前提とした投資です。どういう事かと言えば、投資家も会社の経営者も株価の上昇を望んでいるということです。

何か不穏な理由でもない限り、自社の株価を下落させたい経営者も株主もいないのは当たり前の事ですね。

信用取引の空売りは禁じ手

信用取引では、持っていない株を売り、株価が下落したら買い戻すことが出来ます。

だからと言って、下落相場でも上昇相場と同じように空売りで取引出来るわけではありません。それは先ほど説明したように株は上昇することを基本としているからです。

そのため、空売り主体で売買すると、時には大きな反発に巻き込まれて大損する可能性があります。TOBや大規模な業務提携、予想外の業績上方修正などはいつでも起こり得るからです。

100万円の株が0円になっても損失は100万円ですが、500万円になった場合の損失は400万円で元本の4倍の損失になります。

この事から、下落相場だからと言って空売りを主体に株式投資をするのは個人投資家ではリスクが高く禁じ手と言えるでしょう。

FX取引を試してみる

株式投資と違いFX取引は通貨の綱引きです。全ての人が同じ方向を目指しているわけではなく、どちらかの通貨が強くなるかは投資家によって判断が違うのが特徴です。

そのため、不景気であってもFX取引では株のように勝ちにくいという事はありません。

株の禁じ手である空売り主体の取引をするのであれば、FX取引で売買する方がリスクが小さいと言えるでしょう。※もちろんレバレッジを上げ過ぎないことは前提ですが

ただし、株式投資とFX取引はやはり別の投資ですから、株式投資と同じように利益が出せるかはまた別問題です。

1億円の資産がなければ下落相場では働こう

1億円の資産がなくても、どうしても専業投資家で居続けたいと思うよりも、働く方が遥かに簡単です。

もし、最終的に投資で生きていく覚悟があるのであれば、就職までしなくてもアルバイトやパートでも十分です。貯蓄出来なくても生活費さえ稼げればOKです。

そして、それと並行して投資を続けることで、また次の上昇相場まで少しでも資産を増やしていけるように努力することが大切です。

そして、最終的に資産を1億円になれば資産的にも実力的にも専業投資家として生きるだけのポテンシャルは備わる事になると思います。

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