私は2004年に株式投資を始めて15年になりますが、最初の3年間は負け越しましたが、少なくとも直近の10年はずっと利益を出し続けています。
データを残している2011年以降の成績では以下のような成績となり、アベノミクスの経済効果はあれど着実に利益を重ねる事ができています。※税金20%を差し引いた手元に残る利益です。
今回はそんな私の投資手法について、方法と注意点について解説します。
10年利益を出し続ける私の投資手法は?
10年勝ち続ける投資手法と言えば、どれだけ専門的で難しい事をしているのかと言えば、実際にはとてもシンプルな投資手法です。
簡単に言えば、「含み損よりも短期投資の利益や配当金が上回るような投資手法」です。
手順としては次の4つだけです。
- 100株ずつ一定の株価で買い下がる
- 買値より1%以上、上昇したら利益確定
- 再び買い値に戻ったら買い戻し
- 含み損は損切りせずに長期投資
ステップ1:100株ずつ一定の株価で買い下がる
ドルコスト平均法という投資法がありますが似たような方法です。日本の株式を買う時の最低株数である100株で、一定の株価の下落ごとに買い増ししていくだけです。
例えば、株価1000円で100株、970円で100株、940円で100株といったように、一定の下落に応じて追加で100株ずつ買い増しします。
言ってみればナンピン買いという手法ですね。ナンピン買いは、資金管理を誤れば大きな損失に繋がる恐れもありますが、方法さえ間違わなければ投資家にとって強い味方にもなります。
この100株という最低単元株数で購入するのは、ナンピン買いによって保有する株が大きくなり過ぎるのを防ぐ目的でもあります。
例えば、株価1000円の株を30円下落する毎に買い下がるのであれば、一度も反発することなく700円まで下落したとしても1000株で85万円で購入することが出来ます。(15万円ほど含み損になりますが)
もし株価1000円でナンピン買いするのが難しいのであれば、買い増し幅を30円から50円にするなどナンピン幅を広げるか、株価500円くらいの株をターゲットにすれば、半分の40万円程度の資金で済みます。
ステップ2:買値より1%以上、上昇したら利益確定
次に、大切なことが利益が出た時点で必ず利益確定をするという事です。
株価下落による買い増しをすることで平均買付単価を下げる事が出来ますが、平均買付単価以上になり利益にならなければ売却しないというのが典型的なナンピンの手法です。
しかし、平均買付単価ではなく、買い増しした100株単体での利益で考えることが、この手法の1つめのポイントになります。
例えば株価が1000円で100株、970円で100株、940円で100株買ったとします。(平均買付単価970円)
その後株価が960円まで戻ったとしたら、940円で買った100株だけを売却します。
そうすると株価960円時点では含み損は5000円ですが、2000円の利益確定が出来ている事になります。
株価は必ず平均買付単価まで戻るとは限りません。利益が確定している株があれば利益確定をすれば良いと言うのが、この投資手法の考え方です。
私は1%以上の上昇で利益確定をしていますが、これはあくまで目安として考えてください。時には2,3%以上を利益確定の目安としている事もあります。
ステップ3:再び買い値に戻ったら買い戻し
この投資手法の最大のポイントは、利益確定した株が再び買い値に戻ったら買い戻すことにあります。
上の例では、940円で買った株を960円で利益確定して20円の利益を得ました。しかし、再び株価が940円に下落したら、再び100株買い増しします。
その後、株価が910円まで下げればそのまま買い増しを続け、もし再び950円以上になったとしたら、再び利益確定をして940円に下がるのを待ちます。
株価は波のように上下して動くものですから、何度でも利益確定や買い戻しの機会がある可能性があります。
ステップ4:含み損は損切りせずに長期投資
では、株価が購入時よりも安くなった株はどうすればいいでしょうか?
私はこの手法では、滅多に損切りは行いません。購入時より安くなった株は長期投資をしています。
例えば、上の例の1000円で買った100株は、ずっと利益確定できずに株価は910円から940円をウロウロしていたとします。その場合は、1000円で買った株は売らなければ、配当金が貰えるために数年すれば売却損よりも受け取った配当金の総額の方が多くなります。
逆に言えば、この手法を用いる場合には、長期投資に価値がある銘柄を選ぶとも言えますね。
この投資手法の注意点
この投資手法は私にとってはメインとなる投資手法ですが、用いる際には以下のような注意点があります。
- 資金余力を意識する
- 割安高配当銘柄を選ぶ
- 業績の継続的なマイナスや無配は損切り
注意点1:資金余力を意識する
一番重要な注意点は、自己資金の余力です。
例えば自己資金100万円しかないのに、100株で20万円の銘柄でこの手法を用いるとすれば、買い増し資金が5回しか続かず、その後は買い増しも出来ない塩漬け状態になってしまいます。
仮に株価が50%下落しても余力があるような資金管理が必要になります。
例えば、投資資金100万円なら、株価500円(100株5万円)の銘柄で25円下落毎に100株買い増しするなど、十分に資金に余力を持たせる必要があります。
仮に株価が半分になったとしても、それ以外の投資や生活に影響を与える事がないように資金コントロールをしなければいけません。
注意点2:割安高配当銘柄を選ぶ
株価が半分になっても問題のない資金管理をすると言っても、そう簡単に株価が半分になるような銘柄を保有するのは長期投資では懸命ではありません。
そのためには、元々割安である銘柄や配当利回りの高い銘柄を選ぶ必要があります。
PERやPBRが割安であれば株価の底値に近く、配当利回りが高ければ数年保有すれば含み損以上に配当金を貰える可能性が高くなります。
また、会社の自己資本比率や有利子負債などからも財務が健全である企業が好ましいと言えるでしょう。
注意点3:業績の継続的なマイナスや無配は損切り
この手法では損切りは滅多に行いませんが、状況が変わるようであれば損切りを考えなければいけません。
例えば、業績が継続的にマイナスになるような示唆があれば、財務が健全とは言え悪化するという事です。また配当金も無配になるようであれば長期投資のメリットが大きく失われるために、この手法の効果が半減してしまいます。
この投資手法の特徴
私はこの投資手法を主として株式投資を行っていますが、基本的に株価が下落していったとしても、含み損よりも短期の売買や配当金による利益の方が多くなり、年間を通じては負けることがありません。
もちろん、大きな下落相場が来れば1年単位では損失になる可能性もありますが、それでもボラティリティが高くなれば、その分、短期投資の利益も大きくなるために極端な損失にはならないと考えています。
利益率は高くない
ただし、この投資手法を用いることで、高い利益率は得られません。
大きく買って大きく売るという取引の方が、成功した時に得られる利益は大きくなるのは当然です。
どちらかと言えば、守りの投資手法と言えるこの方法では、せいぜい日経平均株価に比べて年間で十数%程度から50%くらいになると思います。(私の投資成績の実績上)
年間で何倍にもしたいと考えるのであれば、この手法は適切ではありません。
年間を通じて利益を出しやすい
ただ、要は「保有株の含み損<短期投資の利益+配当金」となれば良いわけですから、1年という単位では利益が出やすいのも特徴です。
デイトレードにはある種の才能やコツが必要になりますが、この手法では基本的に対象となる銘柄さえ間違わなければ、売買する株価を設定してルール通りに取引するだけなので、それほど難しく考える必要はありません。
そういう意味で凡人である私には、利益が出しやすい手法であることは間違いありません。
FX取引でも応用できる
今年の7月くらいから私はFX取引を始めました。FX取引と言えば、テクニカル分析による売買判断が主流であるために、私の投資手法とは異なるので敬遠していました。
しかし、私のこの投資手法を使ってFX取引をしてみたらどうなるかを試してみたかったので、この3カ月ほどはFX取引にもこの手法を取り入れています。
結果として、現在で280万円ほどの証拠金にたいして14万円ほど利益になっています。
FX取引の場合は、配当金の代わりにスワップポイントを当てはめると同じような手法になります。
最初にも書いたように私はこの投資手法で売買してから利益を出し続けています。
ただ、投資は性格による取引手法の違いも出てくるために、全ての人が同じように勝てるわけではないと思います。
この手法なら誰でも勝てるというわけではなく、こういう手法で利益を出している人もいるというくらいの感覚で読んでもらえると嬉しいです。
コメント
初めて拝見させていただいたのですが、
わかりやすく、丁寧に書いてあり
大変勉強になりました。
ありがとうございます。
これからちょこちょこ覗かせていただきます!
ご訪問、暖かいコメントありがとうございます。
当ブログがみい様の投資のお役に立てれば非常に嬉しく思います。
最近は投資成績の更新のみになっていますが、時々お役に立てる記事も更新しますのでお時間ある時にまた見に来てください。