【平凡な投資家】長短2つの手法で下落相場から資産を守る投資法

下落相場では保有株を減らして、次の上昇相場に備えるのがセオリーですが、多くの個人投資家はポジポジ病を抱えて、不利な状況下でも何とか株式投資を続けようとしているんじゃないでしょうか。私もその中の一人です。

本記事では、そんなポジポジ病の個人投資家の私が実践している、下落相場で資産を守る投資法について解説します。

下落相場の優先事項

上昇相場では積極的な投資スタンスは利益を伸ばす大きな要素ですが、下落相場ではこれまでの利益を全て吹き飛ばす原因になります。

上昇相場では上昇相場の、下落相場では下落相場の考え方や投資理論があります。

一部の優秀な投資家と自分を重ねない

下落相場では、投資する株を慎重にスクリーニングして選んだとしても、下落するのを前提で投資するべきです。

一部の優秀な投資家は、どんな相場でも的確に上昇する銘柄を買って利益を上げることが出来ますが、一般投資家が同じレベルの投資判断が出来るわけではありません。

勝つ投資より負けない投資

私の経験では、下落相場では勝つことより負けないことを意識する方が、結果的に投資成績が良くなります。

結果オーライで勝てる上昇相場と違い、下落相場ではちょっとした判断の誤りが大きな損失に繋がる可能性が高くなります。消極的な投資に切り替え、資産を守ることを最優先に考えましょう。

下落相場で資産を減らさない2つの投資手法

私は下落相場で資産を減らさないために、次の2つの消極的な手法を組み合わせています。

買い下がり長期投資

どんな相場でも株価が上昇する確信を持てない株を買う意味はありません。ですから、下落相場であっても銘柄のスクリーニングは必要です。

しかし、下落相場では自分の投資判断とは別に、株価が下がることを前提として投資手法を確立するべきというのが私の考え方です。

そのような理由から私は、長期投資で保有したい銘柄を見つけても、下落相場では必ず小ロットで買います。上昇相場なら最初から100万円投資するとすれば、下落相場なら最初に買うのは20万円くらいです。

小利回りの短期投資

相場は大きなトレンドの中に、小さなトレンドが含まれています。

例えば、1年で日経平均株価が20%下落したとしても、その中には数%の小さな上下の波が何度もあります。

投資のセオリーである「損切りは早く、利確は遅く」には反しますが、株価が上がりにくい相場では小さい利確を積み重ねた方が効果的に利益を積み上げられると感じています。

5%でも利益が出ているなら利確して次の下落を待てば、小さな利益を積み重ねることができます。もし、そのまま株が上昇したなら別の銘柄を探して、同じことをすれば良いだけです。

2つの投資手法の組み合わせが効果的

それぞれの手法は単体で使うなら、単なる消極的手法です。組み合わせることで、より下落相場に適した手法になります。

買い下がった株は細かく利確する

「買い下がり長期投資」だけでは、単に買付単価を下げているだけに過ぎません。最初に買った株以外は、利益が出た時点で売却します。

例えば、株価1000円で100株を最初に買って、次に株価950円で追加の100株を買ったとしましょう。

この後に、株価が1000円に戻ったのなら、買い増した100株は売却して利益確定します。5%程度の小さな利益ですが、確実な利益を積み重さねることが大切です。

またその後に、株価が950円に下がったなら同じことを繰り返します。株価が900円になっても、850円になっても同様の買い下がりと利益確定のチャンスがあれば売却を繰り返します。

利幅5%程度を基準

買い下がりや利益確定は、あまり細かい値幅ですると資金や売買の手間がかかるので、個人的には5%程度の値幅がオススメです。

本当の長期投資は最初に買った株だけ

買い増した株は上昇すれば売却するため、長期投資になるのは最初に買った株だけです。

下落相場でも株価が下がらずに、上昇を続けるなら最初に買った株で配当金と株高による含み益が見込めます。

「もっと沢山買っていれば、もっと利益になったのに」と考えるかもしれませんが、それは上昇相場だったら言えることです。下落相場で上昇する銘柄をスクリーニングで見つけ続けることは簡単ではありません。結果オーライくらいで捉えましょう。

この手法の注意点

私自身はこの二つの投資手法を組み合わせることによって、年間20%くらい相場が下落したとしても、投資資産を守れる投資が可能になっています。

ただ、下げることを前提としているとは言え、それでも時には想定外の強い下落になることもあります。そういった場合には、損切りやその他の手法で対応することもあります。

強い売り圧力を感じたら様子見

買い下がる前提の手法とはいえ、強い売り圧力を感じた場合には、買い下がりを控えたり、買い下がるスパンを長くして様子を見ましょう。

業績が著しく変化したら撤退

大幅な業績悪化や業績修正などで見通しが変わるなら潔く撤退しましょう。買い下がった分、一度に買った時に比べて損失は少ないはずです。

下落相場でも適性に合った投資手法を考えることが大切

今回、解説したのは私の適正にあった下落相場で資産を守るための投資手法です。そもそも、投資手法は各投資家の適正に応じて効果が変わってくるので、この手法が全ての人の正解とは思っていません。

一つの考え方、手法としてこういうやり方があるということで、参考にしていただければと思います。