【株式投資】一般口座と特定口座の違い【確定申告】

今年も確定申告の時期が近付いてきました。そこで今回は証券口座の「一般口座」と「特定口座」の違いやメリット、納税方法について解説します。

証券会社の口座は「一般口座」と「特定口座」がある

株式投資を始める際には、証券会社で口座を開設します。口座開設で必要になるのが「一般口座」と「特定口座」の選択です。

この2つの口座の違いは、簡単に言えば「税金の計算を自分で行うか、証券会社が行うか」の違いです。

一般口座とは

名称的には「一般口座」で口座開設するのが普通だと認識されそうですが、一般口座を開設するメリットは基本的にはありません。

一般口座では、証券会社から発行される取引報告書を基に、自分で損益の計算から納税まで行う必要があります。

特定口座とは

対して、「特定口座」は名称的には、何か目的があって使用される口座だと認識されそうですが、一般的に個人投資家が口座開設するのが特定口座です。特定口座では、損益の計算を証券会社が行ってくれます。

1月の下旬ごろに証券会社から「特定口座年間取引報告書」という書類が郵送されるか、証券会社のサイトから閲覧できるようになり、前年の株式投資の売買や配当金による損益や納税額を確認する事が可能です。

特定口座を開設するのが一般的

上記のような理由から、個人投資家が一般的に証券口座を開設するなら特定口座が基本になります。一般口座を開設し、自分で全ての計算を自分で行うメリットはありません。

私自身も20年近く株式投資をしていますが、証券口座は特定口座を利用しています。ただ、数カ月だけ設定を間違えて一般口座で取引してしまったことがありましたが、その翌年の確定申告は非常に面倒で手間だけかかりました。

特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」

特定口座では「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の選択もあります。

株式投資での源泉徴収とは、特定口座内で計算された利益に対する納税を、証券会社が行ってくれる制度です。

「源泉徴収あり」のメリット:確定申告が不要

特定口座の「源泉徴収あり」を選択した場合には、納税などの税法上の手続き義務はありません。つまり、確定申告をする必要がありません。

また、確定申告が義務ではありませんが、還付や損益通算などをする場合には、確定申告をすることも可能です。

「源泉徴収あり」のメリット:国民健康保険料に影響が出ない

また「源泉徴収あり」の特例として、特定口座で源泉徴収して確定申告をしなければ、利益が発生していても国民健康保険料が高くなることはありません。

国民健康保険料は、前年度の所得金額から算出されます。ですから株式投資の利益がを確定申告をしてしまうと、国民年金保険料が高くなってしまうというわけですね。

国民健康保険は、自営業の方や年金受給者、アルバイトやパートをしている方などで社会保険未加入者などが加入していると思います。

「源泉徴収あり」の注意点

特定口座は証券会社ごとに口座管理されています。そのため、複数の証券会社で特定口座を開設していた場合には、損益の合算は自動的には行えません。

一方の証券口座で利益、もう一方の証券会社で損失が出ている場合は、確定申告することで損益通算ができます。つまり、「源泉徴収あり」でも損益通算するなら確定申告が必要になります。

「源泉徴収なし」のメリット:給与所得者の20万円特例

「源泉徴収なし」を選択した場合は、証券会社が発行した年間取引報告書を基に、確定申告を行わなければいけません。

株式投資で利益が発生した場合は確定申告をしなければいけませんが例外があります。給与所得者で給与以外の所得が20万円以下の場合です。

そのため、株式投資を含む副業等の所得が20万円以下と想定される場合には「源泉徴収あり」よりも「源泉徴収なし」を選択した方がメリットになります。

源泉徴収の有無の選択は前年までに

特定口座の源泉徴収の有無は1年ごとに選択が可能です。

ですから、「源泉徴収なし」で口座開設している人が、翌年に「源泉徴収あり」に変更する場合は、本年中に手続きを行う必要があります。

詳細はご利用の証券会社にお尋ねください。

損失は源泉徴収の有無に関わらず確定申告の義務はない

配当金と譲渡損失を合算して損失になった場合には、確定申告の義務はありません。しかし、損失の繰越控除を利用するなら損失を確定申告しておけば、3年間の繰越控除が利用できます。

【まとめ】証券口座は特定口座を選ぶ

以上の内容から、証券口座は一般口座ではなく特定口座を開設する方がオススメです。

特定口座の源泉徴収の有無は、メリットとデメリットから考える必要があるので、一概に正解はありません。ただ、私のような国民健康保険加入者なら、「源泉徴収あり」を選択して、自分で確定申告をするか選ぶ方がメリットがあると思います。

給与所得者では、利益が20万円以下の少額になることが、ほぼ確定しているなら源泉徴収は必要ないかもしれません。

※この記事による判断をもとに不利益を被った場合でも一切の責任はとれません。確定申告をする際には、必ずご自身で税務署や専門家、各自治体にご確認ください。