本記事は、私の株式投資の手法についてJT株を例に具体的に解説します。
※この記事はあくまでJT株を例に私の投資手法を解説しているだけで、JT株投資を勧めるものではありません。
レンジ取引買い下がり手法とは?
この投資手法は、至ってシンプルです。
- 株価が下落すれば一定のスパンで買い下がる
- 株価が上昇すれば一定のスパンで利益確定
- 再度、買値まで下落すれば買い戻し
やっている事はこれだけで、レンジ取引と買い下がりをミックスした手法です。
JT(日本たばこ産業)株の現状
では、この手法を用いたJT株の売買について考えてみましょう。
JTは日本たばこ産業の略称で、誰もが知る大企業ですね。このJT株の特徴は2020年10月時点で次のようになります。
- 株価2000円前後
- 配当利回り7%台
- 財務大臣が筆頭株主
- PER約12倍、PBR1倍台でともに割安
- 業績はやや鈍化傾向
JTの筆頭株主は財務大臣で、発行株のうち33%を保有しています。JT株は配当利回り7%と超高配当銘柄というのも投資家の間では有名ですが、そのうちの1/3を政府が受け取っていることになります。
ちなみに、JT株の5年チャートはずっと下落トレンドです。4500円で買ったとすれば配当金よりも含み損の方が大きいですね。
5年で半値以下というのは既存株主にとっては厳しい話ですが、そのおかげで高配当で割安な銘柄になったとも言えます。
もちろん、トレンドが強いために今後も下落トレンドが継続する可能性も十分に考えられます。
JT株をレンジ取引買い下がり手法で売買する
では、具体的にレンジ取引買い下がり手法を用いてJT株を売買してみましょう。
今回は、売買レンジを100円、買い増し数を100株とします。
まず、株価2000円の時に100株を購入します。この後はJT株の動向次第でレンジ取引をするか、買い下がるかを決定します。
株価が100円上昇した場合
株価が100円上昇して2100円になるなら売却して1万円の利益になります。その後は、持ち株がないので再び株価が2000円に戻るようであれば買い戻します。
以降は再び100円上昇すれば再度利益確定を行います。もし、株価2000円に戻る事がなければJT株を用いたレンジ取引買い下がり手法は終了となり、1万円の利益を得ることになります。
株価が100円下落した場合
株価が100円下落して1900円になれば100株買い増しします。2000円で購入した100株と併せて200株になります。
その後はJT株の値動きによってレンジ取引になるか再度買い下がるかを決定します。
仮に、1900円をつけた後に2000円に戻るのであれば、1900円で買った100株だけを売却して1万円の利益とします。
逆に、1800円になるようであれば再び買い増しして合計300株を保有する事になります。
株価1600円に下落した場合10回のレンジ売買で含み損を相殺
レンジ取引買い下がり手法の最大の強みは、株価下落による含み損を細かいレンジ売買で補えることです。
仮にJT株が1600円まで下落するなら、保有株は2000円、1900円、1800円、1700円、1600円で購入した500株です。1600円なら含み損の合計は10万円になります。
買い増し、利益確定を100円幅100株単位とするなら、10回分の売買で相殺する事が可能になります。
普通の買い下がりでは平均買付単価は下げれても株価が上昇しない限り含み損は解消しません。細かいレンジで売買してその都度利益確定した方が、私の投資経験では損失を抑え株価が元に戻らなくても利益に繋げる可能性が高くなります。
レンジ取引買い下がり手法によるリスクと注意点
株価の底はわからない
レンジ取引買い下がり手法では株価が下落するほど保有株が増えるために想定以上に資金が拘束され、含み損を抱える可能性もあります。
例のようにJT株を100株ずつ100円レンジで取引した場合に株価がに1500円になれば100万円近い株を保有して、15万円近い含み損を抱えることになります。
短期間で大きな利益は得られない
レンジ取引買い下がり手法の特徴として、大きな利益を得られないというデメリットがあります。
一定のレンジで利益確定をするためにダブルガバー、テンガバー銘柄であったとしても、利益になるのは自分の決めたレンジのみです。
さらに最初の100株を買った時点よりも株価が下落しないとすれば、利益は100株のレンジ取引の利益のみになります。
この手法が最も効果的なのは大きなレンジ相場を描くような銘柄を長期的に保有、売買する時です。
買い下がるので資金には十分に余裕を持たせよう
この手法では一度の売買で多くの資金を投入してしまえば、たちまち資金がパンクしてます。ですから、資金に十分な余裕を持たせて買い下がりを行えるよう資金管理をする必要があります。
著しい業績の悪化には損切りを
買い下がりを主体とした投資手法ですが、それは株価と業績のバランスが安定してこそ可能です。
もし、業績が著しく悪化して回復が望めないようであれば、素直に損切りする事も大切です。