【実践投資手法】JT株でレンジ取引買い下がり手法を考察

【実践投資手法】JT株でレンジ取引買い下がり手法を考察

私は株式投資の利益を主な収入源として10年程度生活しています。

一年で資産を何倍にも・・というのはアベノミクス初期以外ではありませんが、少なくとも日経平均株価の上昇率より高い利益率を得ています。

今回は、そんな私が用いるレンジ取引買い下がり手法についてJT株を例に具体的に考察していきます。

※この記事はあくまでJT株を例に私の投資手法を解説しているだけで、JT株投資を勧めるものではありません。投資によって不利益を被ったとしても責任は負いかねますのでご了承ください。

レンジ取引買い下がり手法とは?

まず初めに、レンジ取引買い下がり手法について簡単に解説します。ちなみに、この名称は私自身の投資手法を勝手に命名しただけの造語です。

レンジ取引買い下がり投資手法

この投資手法は、至ってシンプルです。

  1. 株価が下落すれば一定のスパンで買い下がる
  2. 株価が上昇すれば一定のスパンで利益確定
  3. 再び、買値まで下落すれば買い戻し

やっている事はこれだけで、レンジ取引と買い下がりをミックスした手法です。

直近の投資成績(参考)

この手法を主体とした私の投資成績は以下のようになっています。

全期間投資成績

2013年以降は1200万円程度を資産運用していますが、毎年平均30%程度の利益率をあげています。

レンジ取引買い下がり手法をJT株で活用する

では、この手法を用いたJT株の売買について考えてみましょう。

JT株とは?

JTは日本たばこ産業の略称で、誰もが知る大企業ですね。このJT株の特徴は2020年10月時点で次のようになります。

  • 株価2000円前後
  • 配当利回り7%台
  • 財務大臣が筆頭株主
  • PER約12倍、PBR1倍台でともに割安
  • 業績はやや鈍化傾向

JTの筆頭株主は財務大臣で、発行株のうち33%を保有しています。JT株は配当利回り7%と超高配当銘柄というのも投資家の間では有名ですが、そのうちの1/3を政府が受け取っていることになります。

先行きが厳しいと予想されるたばこ産業ですが、意外にも業績から見れば割安な銘柄とも言えるでしょう。もちろん、今後のたばこ需要の縮小を見込んでいるのも忘れてはいけません。

5年チャートは下落トレンド

ちなみに、JT株の5年チャートはずっと下落トレンドです。4500円で買ったとすれば配当金よりも含み損の方が大きいですね。

5年で半値以下というのは既存株主にとっては厳しい話ですが、そのおかげで高配当で割安な銘柄になったとも言えます。

もちろん、トレンドが強いために今後も下落トレンドが継続する可能性も十分に考えられます。

JT株5年チャート

 

JT株をレンジ取引買い下がり手法で売買する

では、具体的にレンジ取引買い下がり手法を用いてJT株を売買してみましょう。

今回は、売買レンジを50円、購入株単位は100株とします。

まず、株価2000円の時に100株を購入します。この後はJT株の動向次第でレンジ取引をするか、買い下がるかを決定します。

株価が50円上昇した場合

株価が50円上昇して2050円になるなら売却して5千円の利益になります。その後は、持ち株がないので再び株価が2000円に戻るようであれば買い戻します。

以降は再び50円上昇すれば再度利益確定を行います。もし、株価2000円に戻る事がなければJT株を用いたレンジ取引買い下がり手法は終了となり、5千円の利益を得ることになります。

株価が50円下落した場合

株価が50円下落して1950円になるなら100株買い増しします。2000円で購入した100株と併せて200株になります。

その後はJT株の値動きによってレンジ取引になるか再度買い下がるかを決定します。

仮に、1950円をつけた後に2000円に戻るのであれば、1950円で買った100株だけを売却して5千円の利益とします。

逆に、1900円になるようであれば再び買い増しして合計300株を保有する事になります。

株価1800円に下落した場合10回のレンジ売買で含み損を相殺

レンジ取引買い下がり手法の最大の強みは、株価下落による含み損を細かいレンジ売買で補うことが出来るという事です。

仮にJT株が1800円まで下落するなら、保有株は2000円、1950円、1900円、1850円、1800円で購入した500株です。1800円なら含み損の合計は5万円になります。

これは50円レンジ100株単位で売買するならば10回分の売買で相殺する事が可能になります。

普通の買い下がりでは平均買付単価は下げれても株価が上昇しない限り含み損は解消しません。細かいレンジで売買してその都度利益確定した方が、私の投資経験では損失を抑え株価が元に戻らなくても利益に繋げる可能性が高くなります。

配当と筆頭株主【JT株の強みと弱み】

今回はJT株を対象にレンジ売買買い下がり手法を考察していますが、決してJT株が投資対象として確実に利益になる銘柄というわけではありません。

私が投資する場合には以下の事も、リスク考慮としています。

JT株の配当利回り

JT株の配当利回りは投資家にとって大きな魅力です。

仮に10年間、業績を維持し続けるとすれば2000円で買った100株(=20万円分)については14万円の配当金を受け取ることが出来ます。税金を差し引いても10万円は回収出来ます。

ただし、高い配当金は大きな魅力であると同時にリスクにもなります。もしJTの業績が著しく悪化し無配になってしまったら、配当目的の長期投資家は一斉にJT株を手放すでしょう。

JTの筆頭株主

JTの筆頭株主が財務大臣、つまり政府が筆頭株主であるということは投資家にある種の安心感を与えます。つまり株としての信用度が高いということです。

JT法にJT株の政府保有比率を1/3以上とする定めがあるため、簡単には現在の政府保有比率は変わらないとされていますが、コロナ禍による景気低迷、財源不足を補うためには場合によっては、JT法が改正されるかもしれません。

配当にしろ筆頭株主にしろ、現在のJTの強みが低下するとなれば株価は一気に下落する可能性があります。

レンジ取引買い下がり手法によるリスクと注意点

株価の底はわからない

レンジ取引買い下がり手法では株価が下落するほど保有株が増えるために想定以上に資金が拘束され、含み損を抱える可能性もあります。

例のようにJT株を100株ずつ50円レンジで取引した場合に株価が一辺倒に1500円になれば200万円近い株を保有して、30万円近い含み損を抱えることになります。

損切りしないで買い下がる投資手法である以上、想像以上に大きな損失を被ることも考える必要があります。

短期間で大きな利益は得られない

レンジ取引買い下がり手法の特徴として、大きな利益を得られないというデメリットがあります。

考えてみれば当然ですが、一定のレンジで利益確定をするためにダブルガバー、テンガバー銘柄であったとしても、利益になるのは自分の決めたレンジのみです。

さらに最初の100株を買った時点よりも株価が下落しないとすれば、利益は100株のレンジ取引の利益のみになります。

この手法が最も効果的なのは大きなレンジ相場を描くような銘柄を長期的に保有、売買する時です。

買い下がるので資金には十分に余裕を持たせよう

この手法では一度の売買で多くの資金を投入してしまえば、たちまち資金がパンクしてます。ですから、相当余裕を持たせて買い下がりを行えるよう資金管理をする必要があります。

私自身もJT株ではこの手法を始めたばかりで、ゆくゆくは総額500万円分程保有したいと考えてますが、現状では株価2000円程度で100株買っただけす。

この手法は特定の銘柄に拘らず分散投資することで活きてくるので、JTも特別ではなく十数銘柄ある保有株のうちの一つです。

著しい業績の悪化には損切りを

買い下がりを主体とした投資手法ですが、それは株価と業績のバランスが安定してこそ可能です。

もし、大きく業績が悪化して回復が望めないようであれば、素直に損切りする事も大切です。

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