損切りとは、保有株が含み損を抱えた状態にあるにも関わらず、損失覚悟で株を売却する投資家として非常に辛い行為です。
誰だって株を買う時に損をするつもりなんてありません。利益を出すつもりで買った株を損失を確定するために売却するのは、何度も言いますが本当にツラい事です。今回はそんな損切りの必要性について記事にしてみました。
損切りをしない事で起こるデメリットとは?
保有株が下落したからと言って、必ずしも損切りをしないといけないわけではありません。
将来性に期待できる会社の株であれば、利益が出るまで保有するのも投資の戦略としては考えられます。
ただ、自分の予想に反して下落し始めた株を損切しない事で生じるデメリットについては認知しておいた方がいいでしょう。
新しい投資チャンスを逃す
損切りしない銘柄を保有しているという事は、投資資金を縛っているのと同じです。(俗にいう塩漬け状態)
もし、その損切りせずに縛られた投資資金を上昇しそうだと思える別の株を購入するのに使えたら、新しいチャンスを手に入れていたかもしれません。
もちろん、その新しい株も予想に反して下落し、損切りした銘柄が上昇する事だってあるかもしれません。
しかし、それは結果論であって新しいトレンドの出ている別の銘柄に切り替えた方が利益を生み出す可能性は高いはずですし、株式投資の経験値も得る事が出来ます。
資金を拘束されると投資経験が培われない
損切りせずに塩漬けすることによって起こるのは、投資チャンスを逃すだけではありません。
売買をしないことで、投資の経験を積むチャンスも同時に失う事になります。株式投資では、本やセミナーなどによる勉強以上に、売買の経験がものを言う世界です。
ただ、方針もなく無駄に塩漬けしてしまうと、その大切な経験を積むことさえ出来なくなってしまいます。
損切りをするか迷う時のポイント
次に損切りが必要かどうか迷っている時のポイントを解説します。
保有する株が下落した時に取れる行動はたったの3つです。
- 損切り
- 塩漬け
- 買い増し
そして、どの選択をするかは、株を買った時の理由も大きく影響します。
ファンダメンタル分析で買った株
収益性や財務状況を基に、株を買うのを決めたとすれば、株価が下落したとしても損切り以外の選択肢が出てくることになります。
特に長期投資の場合には、インカムゲイン(配当金や株主優待)が貰えるために、株価の下落にもある程度許容できると思います。
つまり、損切り以外の選択肢、「塩漬け」や「買い増し」も考慮に入れることが出来ます。
私の場合には、ファンダメンタルズ分析した長期保有目的の銘柄は株価が下落したら買い増しをしています。※買い増しは技術と経験がいるので、初心者にはオススメしません
ただし、ファンダメンタルズ分析で買ったとしても、以下の場合には損切りすることがあります。
本業の不振による業績の下方修正は損切り材料
業績不振による業績の下方修正は、損切りした方が良い場合が多いでしょう。
業績が想定より悪いということは、株主にとっては売り材料にならなくても、株主ではない投資家にとっては買い材料にはなりません。
つまり需要と供給のバランスから言えば、需要が著しく少ない状況が当面続くことになります。
特に一過性のものではない、本業の不振による下方修正では、買い増しや塩漬けよりは損切りという選択しを重視した方が上手くいく可能性が高いと思います。
テクニカル分析で買った株
次にテクニカル分析で買った株は、有無も言わずに損切りすると決めたら損切りします。
なぜならテクニカルとはチャートの動きから分析される売買シグナルです。その動きが自部の予想と違うようなら、その分析が間違いだったということでしかありません。
損切りのルールを決めよう
ただ、損切りをしましょうと言っても、どのタイミングで行えば良いのかは投資経験の長い個人投資家でも難しい問題です。損切りを上手く行うにはどうしたらいいでしょうか?
損切りのラインを決める
あらかじめ株を買う前に損切りするラインを決めてみましょう。特にデイトレードや短期投資の場合は、会社の財務や収益などに関係なく、株を売買することが多いため、こういった事前に損切りのラインを決めることが重要になってきます。
例えば、次のようなルールを決めてから株を買いましょう。
- 買い値よりも100円下落したら損切りする
- 買い値よりも5%下落したら損切りする
100円や5%の数字は、対象となる銘柄によって変わってきますので、あくまで一例です。
大切なのは株を買う前に損切するラインを決めるという事です。買ってしまってからだと、保有株として特別な感情が入りやすく、損切りが甘くなる可能性があるからです。
業績予想が自分の予想よりも下回れば売却
企業が四半期ごとに発表する四半期決算を確認して、自分の想定よりも売り上げや利益が下回った、あるいは下回ると判断した場合に損切するというのも立派な判断です。
長期投資の場合は、損切りをするか買い増しをして底値を拾っていくのかは、悩ましい問題ですが、業績が自分の予想に届かないということは、多くの投資家にとっても同じ印象でしょう。
そうなった場合には、長期的に株価が低迷する場合もあるので、業績が戻るのを待つよりも、新しく投資対象となる銘柄を探す方が効率が良いと思います。
全体相場が下落基調にある
個別株は常に全体相場に影響を受けます。景気が後退するなどで相場が冷え込んでくると、個別の株価の評価にも見直しが入ります。
下落相場の際の株価の下落は、会社の業績とは関係なく起こります。下落相場が長期になるほど、個別株の株価も下げる確率や下げ幅が大きくなる傾向があります。
そういう長期的な下落相場に入った時には、一旦保有株を損切りして相場が安定するのを静観するのも一つの方法です。
優秀な投資家は損切りの判断が上手い
個人的見解にはなりますが、優秀な投資家とは適切に損切りを行える人だと管理人は思っています。
利益を上げる事はもちろん大切な技術ですが、同じように失敗を認めて適切なタイミングで損切りする技術もまた同じくらい大切だと思います。
株式投資は結局は株価が上昇するか下落するかの2択でしかありません。その2択を常に正解することが出来るほど、株式投資は簡単ではなく、間違えた時の対応次第では、たった1度の失敗で大きく資産を減らすことだってあり得ます。
そうならないためにも、損切りという投資テクニックを身に着けて、大きなリスクに繋がらない投資を心掛けましょう。