相場が大きく転換するタイミングは投資家にとって最も重要なポイントです。特に上昇していた相場が転じて下落相場になる時には、利益を一気に失う可能性もあります。
直近25年では、ITバブルの崩壊やライブドアショック、リーマンショックなどがそういうタイミングになります。
リーマンショック以降15年以上の歳月が流れていますが、過去のトレンド転換のスパンを考えても、いつ大規模な下落相場がスタートしても不思議ではありません。
上昇相場の急落は買い場だが下落相場への転換点なら最大リスク
上昇相場の中にある急落は結果的に考えれば買い場です。安くなった株を買い集めていれば、再び株価は上昇したタイミングで大きな利益になります。
しかし、下落相場への転換として起こる急落は投資家にとって最大のリスクになります。
下落相場への転換が最大のリスクになる理屈
押し目と思って買った株がさらに下落を続け含み損が拡大し、それを取り戻そうとして、さらに買い増しを続けます。
個人投資家は買い増しの悪循環により、致命的な損失を被るリスクがあります。
- 株価が下落する
- 買い増し
- 株価が下落する
- 買い増し
- 何度か続けるうちに資産がパンクする
上昇相場に慣れた投資家の心理は、株価は必ず反発するという幻想に陥りやすく、映画のようなハッピーエンドを期待しています。
その結果、せっかく上昇相場で得た利益を失うばかりか、場合によっては負債を背負う個人投資家もいます。
仮想通貨ビットコインで考える上昇相場の転換点
このような現象は2018年の仮想通貨ビットコイン相場でもありました。ビットコインの上昇の勢いは凄まじくビットコイン長者が数多く誕生しました。
しかし、それが行き過ぎた結果、仮想通貨相場は下落に転じ、相場の転換で押し目買いを続けた仮想通貨のトレーダーの中には酷い損失を被った人も多いでしょう。
ビットコインは再び上昇したものの・・
現在ではビットコインはその下落を乗り越え上昇しているので、ビットコインの反発を予想している人にとっては押し目買いのチャンスだったとも考えられます。
しかし、既存のホルダーの中には最高値の1/3にまで下落したビットコインで、手痛い損失を被った人も少なくありません。
資産を失うのに十分な下落相場だったと言えます。仮想通貨は市場が若い分、そういったことが短いスパンで起こったとも考えられます。
仮想通貨市場で起こることは株式市場でも起こる
株式投資をしている個人投資家も、仮想通貨を対岸の火事としてみることは出来ません。
バブル的な相場であった仮想通貨の方が勢いや振れ幅は大きいですが、株式投資も根本は需給のバランスによる変動に過ぎません。株も仮想通貨も売りたい投資家が多ければ下落に転じるのはどちらも同じです。
歴史から考えても下落相場は避けられない
また、歴史的にも固有名詞のついた下落相場は度々発生しています。長期に渡る上昇相場の転換点を意識する時期は確実に近づいているでしょう。
急落相場をチャンスと捉えず警戒感を持つことが大切
長期的な上昇相場であっても、急落相場をチャンスと捉えるよりも警戒感を強く持つべきです。
急落相場の10回に1回は下落相場への転換点かもしれません。遅かれ早かれ、リスク管理が出来ていない投資をしているなら、そのタイミングで致命的な損失が出る可能性があります。
投資について恐怖を煽るつもりはありませんが、資産を守ることを第一に考えた投資が大切だと思います。