相場が下落に転じるタイミングは積極投資は控えよう【リスク回避のコツ】

相場が下落に転じるタイミングでは積極的な投資は控えよう

相場が大きく転換するタイミングは投資家にとって最も重要なポイントです。特に上昇していた相場が転じて下落相場になる時には、それまでに投資で得た収入を一気に失う可能性もあります。

直近20年では、ITバブルの崩壊やライブドアショック、リーマンショックなどがそういうタイミングになります。

リーマンショック以降10年以上の歳月が流れていますが、過去のトレンド転換のスパンを考えても2019年の株式市場はいつ再びそういう転換のタイミングが来てもおかしくない時期には至っているでしょう。

上昇相場の押し目は買い場、下落相場への転換は最大リスク

上昇相場でも起こる急落相場は結果的に見れば買い場になります。一気に安くなった株を買い集めていれば再び株価は上昇を続けるために投資家にとってはチャンスになっていました。

しかし、下落相場への転換期における急落は投資家にとっては投資をする上で最大のリスクになります。

下落相場への転換が最大のリスクになる理屈

押し目と思って買った銘柄がさらに下落を続け含み損が拡大し、それを取り返そうとさらに買い増しを続けます。

下落相場の投資家の行動

  1. 株価が下落する
  2. 買い増し
  3. 株価が下落する
  4. 買い増し
  5. 何度か続けるうちに資産がパンクする

上昇相場に慣れた投資家の心理は、いつか必ず株価が反発するという幻想に陥りやすく、言ってみれば映画のようなハッピーエンドを期待してしまうことになります。

その結果、せっかくの上昇相場で儲けた利益を失うばかりか多額の借金を背負うような投資家も少なくはありません。

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仮想通貨ビットコインで考える上昇相場の転換点

このような現象は2018年の仮想通貨ビットコイン相場でもありました。ビットコインの勢いは凄まじくビットコイン長者が何十人と誕生しました。

しかし、それが行き過ぎた結果、仮想通貨相場は下落に転じ、相場の転換で押し目買いを続けた仮想通貨のトレーダーの中には酷い損失を被った人も多いでしょう。

ビットコインは再び上昇したものの・・

現在では、再びビットコインは120万円を突破して勢いに乗っていますので、もしビットコイン株価が戻るのを予想している人にとっては押し目買いのチャンスだったとも考えられます。

しかし、一度最高値の1/3にまで下落して再び戻ることを予想できた人は、多くの仮想通貨トレーダーの中でもほんの一握りでしょう。

つまり多くの人にとっては、資産を失うのに十分な下落相場への転換点だったと言えます。仮想通貨は市場が若い分、そういったスパンが極端に短いという特徴があったとも考えられます。

仮想通貨市場で起こることは株式市場でも起こる

仮想通貨自体は新興投資ですが、それを対岸の火事としてみることは出来ません。

バブル的な相場であった仮想通貨の方が勢いや振れ幅は大きいですが、仮想通貨も株式投資も根本は需給のバランスによる変動に過ぎません。売りたいと思う投資家が多ければ下落に転じるのはどちらも同じです。

歴史から見ても下落相場は避けられない

また、株式市場の歴史を見ても何度も固有名詞化された下落相場が発生しています。歴史から学ぶと言いますが、上昇相場の転換点を意識する時期は確実に近づいていると思います。

もちろん私も投資を収入のメインに生活していますから、下落相場が始まっても急落せずにソフトランディングしてくれるに越したことはありませんが、そうならない場合の備えは必要です。

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急落相場をチャンスと捉えるよりも警戒感を持つことが大切

2019年相場以降は、急落相場をチャンスと捉えるよりもリスク要因と考えることが重要だと思います。

上昇相場の急落であれば収益を伸ばすチャンスですが、そのまま上昇相場の転換点で同じ投資をしてしまえば、投資資金はかさみ、含み損が拡大し、損切りも出来ないくらいの損失を出し、身動きの取れない状況に陥るかもしれません。

そうなってしまうとリカバリーすることは容易でないばかりか破産する可能性すらあります。

投資について恐怖を煽るつもりはありませんが、自分の資産を守るということを第一に考える投資が大切だと思います。

下落相場の転換とただの押し目の違い

では、相場の転換点とただの押し目の見極めはどうすれば良いのかという問題が出てきます。

これは正直、相場の転換点は優れた投資家でもわからないことです。「そろそろ相場が終わる」「これはただの押し目になる」というのは、結果論でしかありません。

有名な話に、ある投資家が1929年の世界恐慌の直前に、靴磨きの少年が株の話をしていたことから、株をしない人までもが株の話をしだすのは、相場の終わりを告げていると株を売却し、世界恐慌による暴落を逃れたという話があります。

相場の終わりを経済指標などから正確に予測するのは難しく、時には経済指標や株価指標ではない様々な状況や要因から、その時期を予測することもあるということです。

それでも確実に下落相場はやってくる

100回の急落のうち、トレンドの転換になるものは5回程度かもしれません。それでも下落相場は確実にやってくると言えます。

上昇相場が長く続くほど、地震と同じように規模の大きさは増し、時には歴史に名を残すような大きな下落相場に陥ることもあります。

我々、個人投資家に出来ることは、その時までに相場から退場しているか、その時を最小リスクで乗り越えるかの2つの選択肢しかありません。

少なくともいくつかの経済指標が経済の鈍化や後退を示している中、2013年から2018年の相場のように急落相場でも積極的な投資を続けていくことが正解とは言えないと思います。

現実の世界は、映画の世界のようにハッピーエンドが約束されるものではありません。いつか起こる可能性のある下落相場への転換に向けて、急落時には控えめな投資を心掛ける時期は近いのではないでしょうか。

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