個人投資家が大損するのは「逆張り」と「資金管理」の失敗

投資に興味がない人の中には「個人投資家は勝てない」という固定観念が少なからずあるようです。

本記事では、個人投資家が投資で最終的に負けてしまう単純な仕組みについて解説します。

投資家は勝ち続けるとリスク管理が下手になる

個人投資家に言えることは、勝ち続けることは必ずしも良いことではないという事です。

ずっと利益を出し続けると潜在的に「自分は負けない」という意識を持ち始めるからです。そのため、大きな損失を出した経験がある投資家よりも、勝ち続ける投資家の方がリスク管理に対しては緩慢な場合もあります。

個人投資家が負けるのは「逆張り」と「資金管理」の失敗

個人投資家が大きく負ける時は、大半が「逆張り」と「資金管理」の失敗が重なった時です。

逆張りとは相場のトレンドの反転を狙ったトレードを言いますが、下落相場の場合には上昇に転じると判断した時に買いを入れるのが逆張りですね。

下落が反転するタイミングが当たれば、逆張りで利益になります。しかし、逆張りはタイミングを間違えたときには、大きなリスクにもなります。

下落時の逆張りの大きなリスクとは

逆張りが大きなリスクになるのは「トレンドが崩れてなければ損切りしない限り損失が膨らみ続ける」からです。

「上げ100日下げ3日」という相場格言があるように、上昇相場に比べて下落相場はずっと早いペースで進行します。

その結果に起こる、予想を超える大きな含み損を抱える可能性が下落時の逆張りの最大のリスクと言えるでしょう。

大きな含み損を抱えた時は資金管理でミスをする

そして、大きな含み損を抱えた時は資金管理において誤る可能性が高くなります。

自分の予想を超える含み損で冷静な売買判断が出来ず、早く損失を取り戻したいという気持ちが逸り、自己資金に対して過剰な資金の売買をしてしまいます。

「セリングクライマックス」という用語がありますが、これは下落トレンドの最後は理屈とは矛盾するような大きな下落する時に用いられる用語です。

これは、そういった投資家が下落トレンドで資金管理を誤った末の強制ロスカットなどを巻き込んだ下落によって起こります。

失敗したことがないと考える投資家ほど大損する

自らが優秀な投資家であると考える人ほど、こういう時には大きな損失を出す傾向があります。

特にアベノミクス以降でずっと上昇トレンドが続いた相場しか知らない投資家の中には、「株は保有していれば最終的には上昇する」という思考を持っている方も多いのではないでしょうか?

長期的に分散投資をしていれば正しいかもしれませんが、下落相場で短期的に「逆張りの追加投資と含み損の塩漬け」を繰り返していれば、あっという間に資金が枯渇して、信用取引であれば強制ロスカットをくらう可能性もあります。

逆張りと資金管理で失敗しないためのポイント

逆張りと資金管理で失敗しないためには、投資技術よりも精神的なコントロールが重要になります。

大切なのは「自分の投資技術を過小評価すること」です。勝ち続ける投資家ほど、自信過剰になり自分の本来の投資技術よりも自己評価が高くなりがちです。

投資において自信過剰は致命的な損失を出す要因にもなりかねません。

自己評価が低ければ得られる利益は少なくなるかもしれませんが、致命的な損失を回避できる可能性が高まります。

ですから、自己評価は高いよりも低い方が、投資を続けるなら有益であると言えるでしょう。

逆張りは悪い投資ではないが売買は慎重に行う

逆張り自体が悪い投資ではありません。人によって性格や考え方は違いますから、順張りが得意な人も逆張りが得意な人もいます。

ただ、逆張りの方が資金管理を誤った時に損切りが出来ずに大きな失敗に繋がるリスクが大きいことも事実です。

ですから、逆張りをする時は自分が本当に投資したい資金より少ない資金で行う事が大きなリスクを回避するポイントです。

100万円で逆張りしたいと考えているなら、実際の資金を50万円にすることで資金に余裕が生まれるので、損失を出した時に精神的に狼狽えることは少なくなります。

逆張りは必ず損切りラインを決めて実行する

また、損切りする価格は予め決めておく必要があります。そして、反転せずに株価がその水準まで落ちたのであれば、必ず損切りを実行しましょう。

ただ、損切りは「言うが易し行うは難し」です。予定通りに損切りが出来る人であれば、かなりの投資上級者と言えるでしょう。

そういう意味でも投資資金を抑えた逆張りを心掛けることが、一般的な個人投資家のリスク管理としては実行しやすいと思います。