今回は株式投資を始める時に、面倒と感じることの一つは証券会社を選ぶ事です。証券会社によって、売買手数料や提供するサービスなどの特徴が異なるため、複数の証券会社を比較して悩む人も少なくないでしょう。
今回は、株式投資歴20年になる私の経験から、複数の証券口座を開設する理由についてまとめました。
手数料だけならSBI証券か楽天証券で良い
最近では、SBI証券や楽天証券では現物株式の取引手数料が無料になるプランを提供しています。そのため、極論を言えばSBI証券か楽天証券の口座を開設して、手数料無料になる取引プランに従って株を売買すれば、無駄なコストは必要ありません。
ちなみに、私自身もSBI証券を1番多く利用しています。金融商品の取り扱い数も多く、サービス内容も充実しているため、大きな不満はありません。
これは、楽天証券でも言えることです。ネット証券の中では、SBI証券と楽天証券が口座開設数で言えば2トップであり、つまり投資家にとってメリットが大きいと言えます。
複数口座を開設した理由
しかし、私は3つの証券会社で口座を開設していて、どの証券会社も現役で利用しています。具体的には以下の3つです。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
私がわざわざ3つの証券会社を分けて利用するのは次のような理由があるからです。
証券会社の不具合に対するリスクヘッジ
基本的に、株の売買や情報収集は証券会社の取引ツールやサイトを通じて行います。しかし、証券会社の取引ツールやサイトは常に万全ではありません。
時には、一部の機能が使えなくなったり、酷い時には証券ツール自体が使えなくなることもあります。(最近でこそ、頻度は少なくなりましたが)
そういう時に、別の証券会社のサービスが使えれば、全く取引できないというリスクを回避することが出来ます。
提供する取引ツールの機能が違う
証券会社によって、提供する取引ツールや情報の内容が異なります。そのため、証券会社を複数開設することで幅広い情報を得られたり、状況によって取引ツールを使い分けることができます。
運用目的に応じて証券口座を分ける
証券口座は目的によって使い分ける場合もあります。
- 普通に利用する証券口座
- NISAのための証券口座
- 夫婦共有資産の証券口座
- 特定の目的のための資産を運用する口座
例えば、上記のように運用方針が異なる資産があるならば、一つの口座で管理するよりも複数口座にわけで管理した方がわかりやすく効率的です。
複数の証券口座を管理するデメリット
複数の証券口座を開設する理由がある反面で、それがデメリットになることもあります。
ポートフォリオの管理が面倒
複数の証券口座を理由するためには、資金を分割してそれぞれの証券会社に預けなければいけません。
そうなると、保有株の管理や資金の分配の手間は増えます。実際、私も3社の証券会社で取引をしているため、ポートフォリオは別途エクセルで管理しています。
このデメリットを補う方法として、マネーフォワードのような複数の金融口座を管理するサービスもあるので、そういうサービスを使うのも良いでしょう。
複数の証券口座の損益通算する時は確定申告が必要
株式投資の利益には所得税や住民税がかかります。
通常、1つの証券口座を特定口座で開設していれば、煩わしい税金の計算から納税まで証券会社の方でやってくれます。しかし、複数の証券口座を開設していて、利益が出ている口座と損失が出ている口座がある場合には、損益通算は自身で行う必要があります。
例えば、
- A証券で100万円の利益が出て約20万円の税金が引かれた
- B証券で50万円の損失が出た
とするならば、損益を合算すれば50万円の利益になるので、課税額は約10万円です。
しかし、証券口座が異なるためB証券で発生した損失はA証券は確認出来ません。この場合、A証券で払い過ぎた税金の還付を受けるためには、確定申告をして損益通算する必要があります。
引っ越し時の手続きの手間が増える
引っ越しに伴う住所変更も証券口座の数だけ必要です。基本的にはオンライン主体で完了する手続きですが、それでも手間は手間です。
証券口座数は資産や環境に応じて
証券会社を複数開設する理由とデメリットについて解説しましたが、資産や環境によって正解は変わります。
ただ、証券口座の開設や口座管理料は多くの証券会社で無料ですから、気になる証券会社があれば一度開設してみるのが良いのかなと思います。