投資を始めようと思う人は、大体「株式投資」と「FX取引」のどちらかで迷うと思います。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、どちらが投資が安全かというのは、選択する上で大きなポイントになると思います。
そこで今回は、投資初心者の方の抱く「株式投資とFXはどちらが安全か」という疑問について答えたいと思います。
株式投資とFX取引の違いは?
どちらが安全かを知るためには、それぞれの特徴を知る必要があります。まずは以下の表をご覧ください。
項目/投資の種類 | 株式投資 | FX取引 |
---|---|---|
取引時間 | 平日の9:00~15:00 | 平日の24時間 |
1日のボラティリティ | 概ね数%~数十% | 概ね1%未満~数% |
レバレッジ | 信用取引で約3倍 | 最大25倍 |
最低取引額 | 数万円~(銘柄により) | 10万円程度 |
リスク | 信用取引なら元本以上 | 高レバレッジなら元本以上 |
株式投資とFX取引で特徴が大きく異なる項目を並べてみました。この表から、次のようなことがわかります。
ボラティリティは株が大きいのでFXの方が安全?
ボラティリティとは、「変動の幅」のことです。FX取引で売買する通貨間の変動よりも、株式投資で売買する企業の株の方が、ボラティリティは圧倒的に大きくなります。
ボレティリティが大きいという事は、それだけ株価が下に変動する可能性が高いということです。中には1日で20%下落する銘柄も珍しいことではありません。
そのため、ボラティリティを考えると株式投資の方がFX取引よりも下値リスクが高いと言えます。
レバレッジはFX取引が大きいので株式投資の方が安全?
レバレッジとは日本語では、「てこ(の原理)」です。投資で使うレバレッジは投資資金(元本)に対して何倍の金額の取引が出来るかということを表します。
FX取引のレバレッジが大きい理由
FX取引のレバレッジが株式投資の8倍以上ある理由は、先ほど説明したボラティリティが小さいことが挙げられます。
例えば、米ドル円の通貨ペアでは1日に、1%動かない日の方が多く、1年を通じてみても1日で5%動く日は滅多にありません。
そのため、レバレッジが大きくても、資産を失う危険性は少ないと考える事が出来ます。
株もFXもレバレッジを最大にすると破産する
ただし、株式投資でもFX取引でもレバレッジを最大にして売買すれば、いつかは破産することになるでしょう。
どちらも滅多に起こる事ではありませんが、1年を通じて考えた場合には、十分にそれだけの変動が起こる可能性はあります。
株は半分、FXは3倍までのレバレッジが安全
投資初心者が安全に投資をしたいのであれば、株式投資でもFX取引でも大きいレバレッジをかける事は考えないことです。
ここからは私の投資経験や耳にした個人投資家の話に基づく考えになりますが、
- 株式投資ではレバレッジは1/2(投資資金の半分)まで
- FX取引ではレバレッジ3倍まで
で始めるのであれば、どちらも同程度の安全性は確保できると思います。
最大値の変動を元に投資資産の安全管理をする
どちらの投資をするにしても、大切なのは最大値の変動が起きたときに、自分の資産がどう動くかを予め計算しておくことです。
どちらもレバレッジさえコントロール出来れば、安全と言えるし、無理なレバレッジをかけると危険な投資になると言えます。
と、ここで終わりにしたいところですが、以下に少しだけ続きます。
長期投資では株式投資の方が安全
ただし、1年以上に及ぶ長期投資で考えた場合には、株式投資の方が安全と言えるかもしれません。
その理由は株式投資は次のような特性があるからです。
株は、会社の経営者も株主も基本的には、会社の成長を期待しています。ですから、業績が安定して利益を積み重ねて、成長できる企業であれば、自然と株価も上昇することになります。
また、株式投資では配当金や株主優待があり、株を保有することで株主は年に1,2回程度、それらを受け取ることが出来ます。東証1部の配当金の利回りは年間で2%程度ですので、赤字経営が続かず株価を維持すれば、10年で20%のインカムゲインが貰えます。
割安株の中には配当性向4%を超える銘柄もあるので、そういう銘柄であればより高いインカムゲインが期待できます。
FX取引の特性は?
FX取引は通貨間の綱引きなので、その動きがどちらか一方向に動くことを、みんなが望んでいるわけではありません。
また、FX取引ではスプレッド(金利差)があるために、通貨ペアの金利の高い通貨を買っておけば、インカムゲインが入りますが、株式投資の配当金に比べると利回りが小さいと言えます。
スプレッドの大きい通貨ペアもありますが、FX取引においては金利の高い通貨ほど安定性がなく、スプレッドは貰えても通貨価値の変動によって損失が出る可能性が高くなります。
ただし、これは株式投資を主体とする私の主観も入っていますので、一つの参考程度にしておいてください。あとは、投資をする人との相性もあるので、両方を試してみて、自分にはどちらが向いているかを知る事も安全性を確かめる上では、大切だと思います。
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