本記事では、ファンダメンタルズ分析の1つで、収益性と成長力から株価が割安かどうかを判断するPEGレシオについて解説します。
PEGレシオとは?
PEGレシオ(ペグレシオ)は「Price Earnings Growth Ratio」の略称で、日本語では「価格収益成長率」という名称で知られています。
ファンダメンタルズ分析では業績や財務状況などから株価の割安性を測ることが一般的ですが、PEGレシオは「企業の成長性」で株価の割安性を測るという特徴があります。
PEGレシオの計算式
PEGレシオの計算式は以下の通りです。
PEGレシオ=予想PER÷予想利益成長率
予想利益成長率とは
予想利益成長率は利益の伸び率のことで連続する2期のEPSで比べることが一般的です。例えば、今期のEPSが100円で来期の予想EPSが120円だとすれば、20%の予想利益成長率になります。
PEGレシオの計算例
実際にPEGレシオを求めてみましょう。PER15倍で予想利益成長率が20%の場合にはPEGレシオの計算は以下のようになります。
PEGレシオの判断基準
PEGレシオは、PERが高く成長率が低いほどPEGレシオは高くなり、PERが低く成長率が低いほどPEGレシオは低くなります。
そのため「PEGレシオの値が小さいほど株価が割安」と判断できます。
PEGレシオの判断基準は一般的には以下のように考えられています。
PEGレシオが有効でないケース
PEGレシオは、PERやEPS成長率がマイナスだった場合には、PEGレシオもマイナスになるために機能しません。
そのため、業績が赤字だったり、成長が鈍化している銘柄ではPEGレシオによる投資判断が難しいでしょう。
PEGレシオの効果的な利用方法
PEGレシオは「成長力のある企業」の投資分析で効果を発揮するファンダメンタルズ指標です。
成長性のある企業をPER(株価収益率)だけで判断すると、どうしても割高になってしまいます。
東証1部のPER平均が15倍前後にも関わらず、成長力のある企業はPERが100倍を超えることも珍しくありません。
そういう場合にPEGレシオで成長性を加味することで、収益率と成長性の2つの側面から株価の割安性を測る事が出来るというわけです。
例えば、PER100倍でも成長率が100%であれば「100倍÷100%=1」となり、PEGレシオは1倍になるため割高ではないという判断になります。
PEGレシオが効果的なのは次のような企業の株の投資判断する時です。
- 成長性のある企業
- 新興市場の企業
- 継続的に業績を伸ばす企業
ファンダメンタルズ分析は一つの指標だけで多角的な割安性を判断できるわけではありません。
企業の特徴によって、様々なファンダメンタルズ分析の指標を使い分けることが大切です。