ファンダメンタルズ分析の基本と考え方

ファンダメンタルズ分析とは、企業の業績や財務状況などから株価が『割安』か『割高』かを判断する分析方法です。

企業の根本的な価値を判断するのに優れているため、短期的な値動きよりも長期で投資する銘柄を分析する際に非常に役に立つ分析方法です。

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具体的なファンダメンタルズ分析はどんなもの?

企業の業績や財務状況と聞けば、難しそうで敬遠したくなりそうですが、基本的なファンダメンタルズ分析は、少し勉強すれば簡単に理解できます。

では何を勉強すれば、ファンダメンタルズ分析を理解することが出来るのでしょうか?

ファンダメンタルズ分析の基本は決算書

ファンダメンタルズ分析は、企業の業績や財務状況をもとに株価の割高、割安を判断する基準ですから、企業の決算発表はファンダメンタルズ分析の基本とも言えます。

決算書では会社の業績の進捗や結果に加えて、以下の3つの大切な業績や財務に係る項目を掲載しています。

  • 貸借対照表・・会社の期末時点での財政状態を表したもの
  • 損益計算書・・会社がどれだけ稼いだかを表したもの
  • キャッシュフロー計算書・・会社のキャッシュ(現金や預金)の動きを表したもの

 

決算書を読み分析することも立派なファンダメンタルズ分析です。ただ、投資する会社を見つけるために、数千社に及ぶ上場企業の決算書を精査するのは非常に大変です。

そこで、企業の業績や財務状況を簡単に比較することが出来るように作られたのが「指標」です。

ファンダメンタルズ分析で使われる指標

ファンダメンタルズ分析の指標とは、企業の業績や財務状況を比較する時に役立つ、それぞれの企業の数値(能力)だと考えてください。

今回は株式投資をすると高頻度で出てくるファンダメンタルズ分析の指標をわかりやすくまとめてみました。

株価収益率(PER)

株価収益率(PER)は『株価』と『利益』の関係を表した数字です。

株価収益率(PER)=株価÷一株当たりの当期純利益

※一株当たりの当期純利益=当期純利益÷発行済み株式数

『株価』を『1株当たりの純利益』で割る事で、その会社の株が割安か割高かを判断します。

株価収益率(PER)でわかる事

具体的には、PERが15倍という会社の株があれば、その会社は15年で株の価値と同じだけの利益を得るという事になります。

PERが低ければ低いほど、将来における会社の価値が株価に反映されていないと考えることができます。

東証1部や2部などの比較的、業績は堅調でも成長性が乏しい企業ではPERは低くなる傾向があります。逆に、マザーズ市場では成長性の高い企業が多いことから、将来性が見込まれるのでPERが高くなる傾向にあります。

より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

純資産倍率(PBR)

純資産倍率(PBR)は「株価」と「会社の純資産」の関係を表した数字で、会社の「解散価値」とも言われています。

純資産倍率(PBR)=株価÷一株当たりの純資産
※一株当たりの純資産=株主資本/発行済み株式数

『株価』を『1株あたりの純資産』で割る事で、その会社の株が財務的に割安か割高かを判断します。

PBRが解散価値とも言われる理由は、会社が解散した時の1株当たりの価値(解散時に分配される会社の純資産)でもあるからですね。

PBRが1倍なら株価と会社の純資産は同等

具体的にはPBRが2倍であれば、株価は会社の保有する純資産の倍の価格で取引されているということになります。

もし、PBRが1倍であれば、株価と企業の純資産は同等であると言えます。では、会社が解散したとすれば、株価と同等の純資産が会社にはあるので、株主には株価と同じだけの資産が分配されると考えることが出来るのでしょうか?

純資産には設備や車両なども含まれるのに注意

残念ながら、PBR1倍だからといって、必ずしも解散した場合の1株に株価と同じだけの価値が残るわけではありません。

会社の純資産には、会社の持つ土地・建物などの不動産や機械設備、車両なども含まれるため、厳密にそれらの価値がそのまま現金に換金されるわけではないからです。

自己資本利益率(ROE)

自己資本利益率は『会社の自己資本(株主資本)』から『収益性』を算出した数字です。

自己資本利益率(ROE)の計算式

  • 当期純利益÷自己資本(株主資本)×100%
  • 一株当たり利益(EPS)÷一株当たり純資産(BPS)×100%
  • 株価収益率(PER)÷純資産倍率(PBR)×100%

『会社の純利益』を『株主資本』で割る事で、株主資本に対してどれだけ効率よく利益を生み出しているかを判断することができます。

具体的にはROEが10%であれば、その年は株主資本を元に10%の利益を上げたという事になります。

海外投資家が重視するROE

海外投資家がROEを重視し、効率よく資本を利用する会社に注目する傾向が高いことから、昨今の日本市場でもROEが注目されるようになりました。

総資産利益率(ROA)

総資産利益率(ROA)では他人資本(銀行からの借入など)も加えて企業の利益率を求めるため、ROEと併用することでより正確な企業の収益力を分析することができます。

総資産利益率(ROA)の計算式

  • 当期純利益÷総資産×100%

ファンダメンタルズ分析は中長期投資で役立つ分析手法

株価の変動のパターンや傾向から、将来の株価の動きを予測するテクニカル分析と違い、ファンダメンタルズ分析は業績と財務状況からあるべきの株価の水準を判断します。

「株価は企業価値に見合う位置に収まる」という考え方が基本になっていて、需要と供給のバランスで株価が変動したとしても、業績と財務状況さえブレなければ、割安な銘柄もいずれは適正な位置まで上昇するということです。

そのため、ファンダメンタルズ分析はデイトレードや短期投資よりも、数カ月から数年スパンで投資をする中期投資や長期投資で役に立つ分析手法です。

日中に株の売買が難しい一般的な兼業投資家の人にとっては、無くてはならない分析手法と言えるでしょう。