純資産倍率(PBR)の基本と使い方

ファンダメンタルズ分析「純資産倍率(PBR)」

この記事ではファンダメンタルズ分析の代表格の1つである純資産倍率(PBR)について解説します。

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純資産倍率(PBR)とは?

純資産倍率は「会社の純資産と株価の関係」を表すファンダメンタルズ分析の指標です。PBRとは「price book-value ratio」の略称になります。純資産とは会社が解散した時に、株主の手元に残る資産になるため「純資産倍率は会社の解散価値を示す」とも言われます。

純資産倍率という言葉だけで、何となく意味はわかると思いますが、その求め方はこちらになります。

純資産倍率(PBR)の計算式

純資産とは借入金などの負債ではなく企業が持っている資産のことです。理論上、会社が解散するのであれば、純資産は株主に配分されます。

純資産倍率(PBR)からわかる事

この計算式に基づくと、PBRが1倍であれば「現在の株価と会社の純資産がちょうど釣り合っている」という事になります。ではPBRは大きくなる場合と小さくなる場合はどう考えられるでしょうか?

純資産倍率(PBR)が1倍で株価と純資産が釣り合う

純資産倍率(PBR)が1倍未満の場合

このPBRが1倍を下回った場合はどう考えることが出来るでしょうか?感覚的に1倍を割り込むと考えると、あまり良くないイメージがあるかもしれません。

しかし、純資産倍率では「数字が小さいほど株価に対しての1株当たりの純資産が大きい」という事が言えます。つまり、PBRが1倍より小さいほど、純資産的には1株当たりの価値が高いということになります。

純資産倍率(PBR)が1倍未満で1株の価値が純資産を上回る

純資産倍率(PBR)が1倍より大きい場合

逆にPBRが1倍を上回った場合には、1株に対しての純資産の割合は小さいということになります。例えばPBRが4倍だとすれば、株価の内の1/4が会社の純資産という考え方も出来るでしょう。

純資産倍率(PBR)がなぜ1倍を割れるのか

普通に考えると、PBRが1倍を超えるのが当然だと思いませんか?しかし、日本証券取引所グループが発表している統計資料によると、東証1部のPBRの平均は1.1倍(2018年12月)とほぼ「純資産=株価」と言えるような水準です。中にはPBRが0.5倍以下の会社も珍しくはありません。

これには純資産倍率が必ずしも会社の実質的な価値と株価の関係にないという事も言えるかもしれません。

純資産は現金や預金だけではない

純資産とは、負債や借入金ではなく会社が持つ資産です。それは現金や預金だけではありません。純資産には機械設備、車両、不動産などすぐに現金化出来なかったり、現金化する過程で価値が変わるものも含まれます。

これはどういう事かと言えば、「純資産=会社の持っているお金」ではないという事です。

つまり、会社の純資産がいかに多くても、現金化する事によって価値を損なう機械設備や車両などの、いわゆる中古品などに関しては、会社が経営をしているという条件の基での価値になるということです。

もし会社が解散するとして、株数に応じて株主に純資産を分配するとしても、現金化するとすればその価値は大きく減少する場合があるという事です。だから、PBRが1倍を割れているからと言っても、それが必ずしも実質的な解散価値ではないという事は注意しなければいけません。

純資産の内訳に注意する

純資産倍率(PBR)の特徴

純資産倍率(PBR)の特徴

  • 純資産と株価の関係がわかる
  • 純資産は現金資産ではない
  • PBR1倍以下の会社も多数存在する
  • 新しい会社ほどPBRは高い
  • 成長企業ほどPBRは高い
  • 経営が安定している会社のPBRは比較的低い
  • 古い会社のPBRは比較的低い

純資産倍率の特徴をまとめてみると上記のようになります。最初の3項目はもう解説していますので、残りの部分も解説していきましょう。

PBRは若い成長企業ほど高くなる

さて、PBRの傾向として若い会社ほど高くなる傾向があります。理由は簡単で創業して間もない会社には、利益の蓄積が少ないために純資産自体は少なく、基本的には銀行などからの借入(他人資本)で経営しているからです。

逆に古い会社は、その分利益の蓄えが潤沢になりやすく、PBRは低くなる傾向にあります。

また、成長性の高い会社でも当然PBRは高くなる傾向にあります。現在の純資産よりも、成長によって得られる利益の方が魅力的だからです。

そのため、東証1部の銘柄では先ほど説明したようにPBRの平均は1.1倍ですが、東証マザーズでは4.9倍もあります。マザーズ市場に上場している銘柄は若く成長性が高い企業が多いからですね。

新興市場はPBRが高くて当然である

【まとめ】純資産倍率(PBR)の上手な見方

PBRはファンダメンタルズ分析の代表的な指標ですが、あくまで純資産と株価の関係だけを表した数値です。そのため、PBRだけで会社が割安、割高を判断することは出来ません。

業績の安定性や成長性はもちろん、純資産の内訳にも注目して、なぜ今のPBR水準になっているかを理解する必要があります。

また、株価収益率(PER)など他のファンダメンタルズ分析も含めて総合的に判断することで、より投資判断を正確なものにしてくれるでしょう。

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