プロスペクト理論で投資技術を向上しよう【損した時の投資の心理学】

投資家は含み益が出ている時と、含み損が出ている時で論理的に矛盾した思考に陥ることがあります。

本記事では、行動経済学における投資家心理に影響を与える「プロスペクト理論」について解説します。

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論は簡単に言えば「人は損失を回避する時は、非合理的な判断をする」という理論です。

投資の鉄則に「損小利大」という言葉がありますが、これは「損失は最小限で回避して、利益は最大化する」という意味があります。

しかし、実際には「損大利小」の投資をする人が多いのは、プロスペクト理論に基づけば、投資家は合理性を伴わない選択をする傾向があるからです。

例えば、100万円の含み益が出ている保有株の業績が鈍化し始めたなら、潔く利益確定できるのに対して、100万円の含み損が出ている保有株の業績が鈍化したとしても簡単に損切りは出来ません。

どちらも業績の鈍化は同じであっても、損失を確定させるという行為に対して、投資家は合理性が伴わない判断に陥る傾向があります。

損失回避の心理を理解する

「損をしたくない」という心理は、投資においては大きな弊害になります。

損失が出ている時に一発逆転を狙うのは、ドラマや映画なら盛り上がるシチュエーションですが、投資においては致命的なリスクになります。

強い損失回避行動に注意しよう

損失が出ている時は、自分が強い回避行動に囚われていないかを意識することが大切です。

例えば、過度な「ナンピン買い」で資金リスクを大きくしたり、損失を補填するつもりで普段は取引しないような仕手株で短期売買したり、無謀な損失回避行動をとっていないかを自分に問いかけてみましょう。

プロスペクト理論を意識して冷静な投資判断をしよう

損失回避の欲求が強くなれば、一か八かのギャンブルのような方法で損失を補填しようとします。

そうならないためにも、心理的にプロスペクト理論が働くことを意識して、自分の投資が損失回避のためのギャンブルになっていないかを意識しましょう。