中長期投資をメインにした私の投資スタイルでは、基本的に割安株や財務的に良好な銘柄を保有しています。
改めて自分の投資スタイルについて感じたことですが、私は人気のない割安株が大好物です。元々の期待が少ない分、PBRが低く下値は知れてるし、PERが低い分、配当性向が高く長期投資に向いている。人気がない=投資家にとって面白み(夢)はないけど着実に資産を増やしたいならオススメだと思います。
— ひで@投資家/ブログ勉強中 (@kabutlife) May 10, 2019
個人投資家の中には「成長性が非常に高く派手な値動きをする銘柄」を好む人や私のように「割安で比較的落ち着いた値動きをする銘柄」を好む人に分かれるんじゃないでしょうか。
今回は割安、財務良好銘柄をメインに株式投資をする私の経験から、「なぜ割安、財務良好株は上昇しないのか」という疑問について解説していきます。
割安株、財務良好株とは?
まず「割安株」や「財務良好な株」がどういう銘柄なのかを解説します。
「割安株」とは?
「割安株」とは株価収益率(PER)や純資産倍率(PBR)など、収益や財務と株価を比較する指標が、平均的な株と比べて低い銘柄を指します。
当然、「平均と比べる」となると、業種や上場する市場(東証1部やマザーズ)によっても変わってきます。ただ、成長株が中心のマザーズ市場は、元々割安株自体が当てはまらないと言えるでしょう。
東証1部の平均PERが16.2、平均PBRが1.2、ですから、それを基準に考えると大体、これくらいが割安株の基準になると思います。
株価収益率(PER)12倍以下、PBRが1.0倍以下


また配当率も割安銘柄を測る基準として大切ですが、年間配当2%台後半くらいあれば東証1部の平均よりは高く、利回りが良い銘柄と考えることが出来ます。
「財務良好な株」とは
「財務良好な株」とは、会社の財務が健全な株を指します。
何をもって財務が良好かと判断できるかと言えば、決算書にある財務諸表が一番詳しく判断できる材料になります。
3つの財務諸表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書



ただ、そこまで分析をするのは大変ですから、私の場合は自己資本比率や利益剰余金、有利子負債などで判断しています。
こちらは私の場合は割安銘柄の判断ほど具体的な基準はありませんが、会社四季報の財務状況の一覧を見て判断しています。
なぜ割安株、財務良好株は上がらないのか
私の保有している銘柄は割安株や財務的に他の比べて非常に良好なものもありますが、なかなか上がらないものも多くあります。
全体の動きに取り残されている感が強く焦りもありますが、どうして上がらないのでしょうか。
理由1:なるべくして割安株、財務良好株になった
「ニワトリが先か卵が先か」という言葉がありますが、まさにその通りです。
割安株、財務良好株は元々そうだったわけではありません。元々は同業種や市場の中で競争しつつ株価も上を目指すような銘柄だったはずです。
それが、競争の中で淘汰されて割安株、財務良好株になったということです。つまり、他に比べて割安、財務良好な銘柄は場合によっては「落ちぶれた結果そうなった」という事です。
投資家の期待する業績が出ず信頼性が低い
理由2:株主にとって魅力がない
割安である、財務的に健全であるというのは大きな魅力ではありますが、それ以上に魅力がないという事かもしれません。
投資家にとって、もっとも大きな魅力の一つは会社の成長性です。これから業績が伸びそうな会社であれば、PERやPBRが高く負債が多くても投資家は積極的に投資します。
しかし、業績は伸びず先行きも伸びる要素がない・・と判断されれば割安で財務良好であっても積極的な買いは入りません。
成長期待がない=株価の大きな上昇が見込めない
理由3:何度も株主の期待を下回った
会社の業績予想や新製品の発表、新しい事業の発表などは投資家にとって非常に注目すべき内容です。
良い業績予想であれば先高を期待して投資家の買いが入るし、魅力的な新製品や事業内容が発表されれば、それでも投資家の期待買いは入ります。
しかし、一旦発表されたそれらの内容が期待外れに終わったら・・投資家の失望売りが溢れます。
業績の下方修正や新製品の売れ行き不振、新事業の不振続き・・などが繰り返されれば全体の業績は黒字であっても、投資家にとって「この会社の経営能力は低い」と判断されてそう簡単には株価が上昇しない割安、財務良好株の出来上がりです。
投資家による慢性的な不信感
理由4:株価に無関心な経営者
株主にとって株価の推移は非常に大切ですが、会社の経営者にとっては必ずしもそうではありません。
株価に対して関心を持つ経営者であれば、自社株買いや配当の増額や積極的なIR情報の発信などで投資家にとって魅力のある会社であることをアピールします。
それに対し、株主にとって無能である経営者は株価が下落しようと安値で放置されようと何もしません。
それがわかっているから既存株主に見放され、新たな買い手は入らず株価の低迷は続きます。株価の水準は経営者によって大きく変わるという事です。
経営者が株主を軽視している事を投資家に見透かされている
理由5:ただ人気がない
中小型株では時価総額が低く機関投資家の大きな買いが入らないものが多くあります。
そういった銘柄は個人投資家中心の売買になりますので、なかなか大きな買いが入らず何かキッカケが入るまで低迷することがあります。
人気がないマイナーすぎる銘柄
以上、割安株、財務良好株がなかなか上昇しない理由でした。全てがダメなわけではありませんが、良くない点があるから割安、財務良好でも放置されているという事ですね。
割安株、財務良好株の売買のコツ
割安、財務良好株の売買のコツは集中投資や一度でまとめて買わない事です。上記の理由から、そういった株価で放置されているのは理由があるからです。
ただ、割安、財務良好だからこそ出来る売買もあります。
下値は深くないから買い下がりやすい
人気株、成長株であれば業績が鈍化すると株価が半分、四分の一になることもザラにあります。
しかし、元々割安だったり、財務が良好な銘柄の下値はそれほど深くない事が多いです。そのため一度に大量に株を買うよりも、少しずつ切り下げて買う(ナンピン買い)のに適しています。
例えば100株1000円の割安、財務良好株があるとして、まずは1000円で100株買い、あとは5%下がるごとに100株ずつ買い増しするといった買い方です。
買い下がった分が2,3%戻したら売却して、また下げるなら売却した分を再び買い戻したら、利ザヤだけでも十分に稼ぐことが出来ます。これは下げ幅が深くない可能性が高いからこそ出来る売買です。
買い増しするには割安株はオススメ
とにかく分散投資
割安株、財務良好株の特徴として日々の値動きが落ち着いているという特徴があります。人気のある銘柄と違い売り買いが激しくないからです。
ですから複数の銘柄を保有していても、株価の動向をチェックするのはそれほど手間にはなりません。
値動きが少ない分、多くの銘柄を同時に保有してもポートフォリオの管理が大変という事はないでしょう。
分散投資してもポートフォリオの管理は楽
【まとめ】人気がないからこそリスクも少ない
以上、「割安株、財務良好株」の株価が上がらない理由と、投資の仕方についてまとめてみました。色々な投資手法がありますので、参考の一つになればと思います。
ちなみに私は、この割安株でポートフォリオ組んでからは、年間で投資損益がマイナスになったことはありません。
投資資産が増えるほど、割安株投資は有利に働くと思うので、今後も割安株投資は続けたいと思います。
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