投機なら売買タイミングは需給がカギ

投資の売買期間には人それぞれ考え方があります。

利益が出ているなら、どんな期間で売買しても正解と言えますが、本記事では「投機」の売買のタイミングについて解説します。

株式投資の投機と投資の違いは?

まず始めに、株式投資における投機と投資の違いについて説明します。一般的に投機と投資の違いは次のように説明されます。

株式投機

短期間の株価変動による譲渡益を目的とした株の売買を指します。

例:A社の株を100万円で買って、翌日120万円で売却する。

株式投資

配当金や長期的な株価上昇による譲渡益を目的とした株の保有または売買を指します。

例:A社の株を100万円で買って、毎年2万円の配当金を受け取り、5年後に200万円で売却する。

短期投資までが投機

一般的にはデイトレードから2,3カ月程度の短期投資を投機といい、保有期間が半年を過ぎた辺りからが投資と言われることが多いようです。

  • 株式投機:デイトレード、スイングトレード、短期投資
  • 株式投資:中期投資、長期投資

ただ、明確な定義はありません。大体それくらいの期間で投機と投資が区別されると考えてください。

投機の買いタイミングは『需要>供給』

投機は株価変動による譲渡益を目的とするため、買いのタイミングは短期的に株価の上昇するかどうかがポイントとなります。

短期的な株価上昇は単純に、需要が供給を上回るかどうかがポイントになります。つまり、投機では買いたい人が売りたい人よりも多くなった時が買いのタイミングです。

ちなみに、投機で株を売却するタイミングは反対に『供給>需要』となった時です。

投機の売買タイミングはテクニカル分析を使う

需給を判断するためには、テクニカル分析が重要な役割を果たします。

テクニカル分析では、移動平均線やRCI、MACDなどのテクニカル分析によるサインで、株の需要と供給の強弱を判断します。

買いのタイミングで有名なサインは「中期の移動平均線を短期の移動平均線が上抜くゴールデンクロス」と呼ばれるものです。

各テクニカル分析には特徴がありますが、代表的なのテクニカル分析の買いシグナルは以下のようなものです。

  • 移動平均線:中期<短期のゴールデンクロス
  • RSI:20~30付近
  • MACD:マイナス圏でのシグナル<MACDのゴールデンクロス
  • ボリンジャーバンド:-2σに到達した時

投機の売買タイミングは機械的に判断する

投機目的の売買をする際は、投資と投機を混同しないことが大切です。

投資においては、配当金や株主優待、業績などを考慮して、株を売買するかを判断します。

しかし、投機では長期的な視点は必要ありません。PER(株価収益率)やPBR(純資産倍率)、配当性向などを考えて割安、割高と判断しても意味がありません。

投機なら短期的な需要と供給バランスだけを考えれば良いのです。

失敗してもファンダメンタルズ分析に頼らない

投機目的で上がると思って買った株が下落した時には誰もが自分のミスを認めたくはありません。

しかし、ミスを正当化するために、投資と同じように企業の業績や配当に目を向けてしまうと、判断基準が大きくブレてしまいます。

投機ではテクニカル的に自分の判断が間違ったなら迷わず損切りをして、次の投機対象となる銘柄を探す方が遥かに効率が良いでしょう。

投機と投資を区別することが投資成績の向上につながる

株式投資の成績が上がらない人は、適切な損切りができなかったり、間違ったタイミングで買い増ししたりします。

それは、投資が下手というよりは、投機と投資の区別をしていないことが原因の一つだと思います。

投資をするつもりなのか、投機で終わらせるつもりなのかを売買の前に考えて投資戦略を作ることで、投資の成績は向上するでしょう。