株を買うタイミングは人それぞれ考え方があると思います。
利益が出ているなら、どんな売買タイミングでも正解と言えますが、今回は「投機」の売買のタイミングについて解説したいと思います。
株式投資の投機と投資の違いは?
まず始めに、株式投資における投機と投資の違いについて説明します。一般的に投機と投資の違いは次のように説明されます。
株価の変動による利益、つまりキャピタルゲインを目的とした株の売買を指します。
例:A社の株を100万円購入して120万円で売却する。
配当金や株主優待、つまりインカムゲインを受け取る目的で株を保有する売買を指します。
例:A社の株を100万円保有して、毎年2万円の配当金と株主優待の割引券を貰う。
期間で考えると短期投資までが投機
一般的にはデイトレードから2,3カ月程度までの短期投資を投機といい、保有期間が半年を過ぎた辺りからが投資と言われることが多いように思います。
投機と投資
- 株式投機:デイトレード、スイングトレード、短期投資
- 株式投資:中期投資、長期投資
ただ、明確な定義は特に必要ありません。投機の途中でも配当が発生する場合もあるし、投資でもキャピタルゲインは発生します。
大体それくらいの売買期間で投機と投資が区別されると考えてください。
投機の買いタイミングは『需要>供給』
投機は株価の変動を目的とした売買ですから、買いのタイミングは短期的に株価の上昇するかどうかがポイントとなります。
短期的な株価の上昇には、四半期決算発表時を除いては業績や割安性などファンダメンタル的な要素はあまり関係ありません。
単純に、株に対しての需要が供給を上回るかどうかがポイントになります。
つまり、投機では買いたい人が売りたい人よりも多くなった時が買いのタイミングです。
ちなみに、投機で株を売却するタイミングも同じように『供給>需要』となった時です。
投機の売買タイミングはテクニカル分析を使う
これを判断するためには、テクニカル分析が重要な役割を果たします。
テクニカル分析とは、株価チャートの形状や出来高などから、株価の推移を予測する投資判断の方法です。
移動平均線やRCI、MACDなどのテクニカル分析によるサインで、株の需要と供給の強弱を判断します。
買いのタイミングで良く言われるのは「移動平均線で中期を短期が上抜くゴールデンクロス」と呼ばれるサインです。
それぞれのテクニカル分析には特徴がありますが、大まかにはそれぞれのテクニカル分析の買いシグナルは以下のようなものです。
テクニカル指標ごとの買いシグナル
- 移動平均線:中期<短期のゴールデンクロス
- RSI:20~30付近
- MACD:マイナス圏でのシグナル<MACDのゴールデンクロス
- ボリンジャーバンド:-2σに到達した時
投機の売買タイミングは機械的に判断する
投機目的の売買をする際の重要なポイントは、投資と投機を混同しないことです。
投資では保有株が変動した時に、配当金や株主優待、業績などを考慮して、その株を売却するかを判断します。
例えば、下落しても10年リターンがプラスと考えれば保有し続け、上昇して10年リターンに魅力を感じなければ売却するします。
しかし、投機ではそんな長期的な視点は必要ありません。つまりPER(株価収益率)やPBR(純資産倍率)、配当性向などを考えて割安、割高と判断しても意味がありません。
短期的な需要と供給の強弱だけを考えれば良いという事です。
失敗してもファンダメンタル分析に逃げない
投機目的で上がると思って買った株が下落した時には誰もが自分のミスを認めたくはありません。
しかし、そのミスを正当化するために、投資と同じように企業の業績や配当に目を向けてしまうと、判断基準が大きくブレてしまいます。
投機ではテクニカル的に自分の判断が間違ったと思うなら、機械的に割り切って、次の投機対象となる銘柄を探す方が遥かに効率が良いでしょう。
投機と投資の区別をつける事が投資成績を向上させる
株式投資で成績が上がらない人では、損切りが出来なかったり、買い増しのタイミングや額が間違えるケースが多く見られます。
それは、投資が下手というよりは、投機と投資の違いが分かっていないことも原因の一つだと思います。
投資をするつもりなのか、投機で終わらせるつもりなのかを売買の前に考えて投資戦略を作ることで、投資の成績も向上するかもしれません。
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