テクニカル分析の中でも、比較的単純な分析手法であるサイコロジカルラインは「サイコロ」という名称で多くの投資家に利用されています。
英語名の「Psychological line」が示すように、投資家心理をテクニカル分析に落とし込んだ指標です。
本k時ではサイコロジカルラインの基本や使い方について解説します。
サイコロジカルラインの基本
サイコロジカルラインの原理は非常に簡単です。対象とする期間で、株価が上昇した日の割合を求めたものがサイコロジカルラインです。
それを計算式にすると以下のようになります。
数あるテクニカル分析指標の中でも、最も簡単な計算式の一つですね。
例えば、設定期間を10日として、そのうち7日で株価が上昇したとすれば、サイコロジカルラインの値は「7÷10×100」で70%になります。
言い換えれば、株価の上昇確率を数値化したものがサイコロジカルラインです。
これをローソク線チャートと比較してみると、このようになります。
勝率が高い(期間中に株価が上昇した日が多い)と、サイコロジカルラインの値も大きくなるということがわかります。
サイコロジカルラインの値は、上昇トレンドでは、上昇する日数の方が多いため、50%を超える日が多くなります。逆に下落トレンドでは下落する日数の方が多いので、50%を割る日が多くなります。
サイコロジカルの売買シグナルの考え方
サイコロジカルラインは0%~100%の間で推移しますが、50%を中立として、25%以下は売られ過ぎ、75%以上は買われ過ぎとして判断されます。
株価は上昇する場合でも、下落する場合でも、ずっと上昇や下落をし続けるわけではありません。
上昇トレンドの中でも調整を挟んで株価は上昇するため、一辺倒に上昇し続けサイコロジカルラインが75%を超えるのは買われ過ぎているという判断になるわけですね。
サイコロジカルラインの期間設定
サイコロジカルラインで用いられる期間設定では、日足なら12日、週足なら12週など12の倍数で用いられることが一般的です。
「9勝3敗」なら75%で買われ過ぎ、「3勝9敗」なら売られ過ぎとして判断出来るために分かりやすいですね。
サイコロジカルラインは補足的テクニカル分析
サイコロジカルラインは単純なテクニカル分析であるため、「ダマし」も多いのがデメリットです。
同じテクニカル分析でも、RSI(相対力指数)は、サイコロジカルラインの考え方に、株価の変動幅を導入したものです。そのため、RSIの方がサイコロジカルラインよりも信頼性が高いと言えるでしょう。
ただ、サイコロジカルラインは根拠が単純なために、補足的なテクニカル分析による売買判断には長けていると言えます。
メインにRSIやMACDなどを用いて分析し、補足的な分析手法として、根拠のわかりやすいサイコロジカルラインを使うことで、より多方向からの投資分析が可能になります。