日本は世界有数の貯蓄文化の国です。ある統計によると日本人の平均貯蓄額は1600万円らしいですが、一人あたりの金額としては相当大きな金額です。
参考 大樹生命保険株式会社:日本人の平均貯蓄額は1,600万円ってホント?
この数字に信憑性があるかどうかは別にして、預金や貯蓄が生活におけるリスクを減らしてくれることは間違いありません。
しかし、この預金や貯蓄で生活リスクが完全に払しょくされるかと言えばそうではありません。今回は預金や貯蓄のリスクを知ることで、資産運用の重要性について考えてみたいと思います。
預金や貯蓄のリスクとは?
銀行などの金融機関に預金したり、金庫などに現金を保管することは自分の財産を守る最も一般的で簡単な手段です。この場合の財産を守るとは、稼いだお金を減らさないで維持する事です。
しかし、「減らさない事」と「価値が変わらない事」は全く別物です。
お金が減らなくても価値は変わり続ける
1000万円を預金したとすれば、その1000万円というお金は減る事はありません。しかし、お金の価値は日々変化しています。
例えば、以前は100円で買えたジュースが200円になったとすれば、お金の価値は半減したことになります。
そうなると1000万円の預金は減る事はありませんが、実質的に半分の価値しか持たない事になります。いわゆるインフレーション(お金の価値が下がり物価が上がる)ですね。
もちろん、逆にお金の価値が上がる可能性もあります。デフレーション(お金の価値が上がり物価が下がる)ですね。
100円で買えたジュースが50円で買えるようになったとすれば、1000万円の預金は何もせずとも倍の価値を持ったことになります。
経済は緩やかな物価上昇が理想
現在の日本の経済政策では、物価目標を2%として物価を緩やかに上昇させる事を目標としています。ここ数年のあらゆる物の価値を見ていてもわかるように、物価はジワジワ上昇し続けています。
そうなると、預金や貯蓄をしている状態は自分の資産を減らし続ける行為とも言えます。預金や貯蓄をすることは自分の資産価値を減少させるリスクが高いということですね。
資産運用で物価上昇による資産価値の減少を防ぐ
物価上昇による預金や貯蓄の価値の減少を防ぐための方法の一つは、資産運用で回避することが出来ます。
物価の上昇によるお金の価値の低減を資産運用で補うことが出来れば、預金や貯蓄で資産が目減りするのを指をくわえて見ている必要はありません。
株式投資で配当利回り2%以上を目標にする
例えば、株式投資で資産運用をした場合には、企業によっては配当金が受け取れます。
配当利回りが1年で2%の株で資産運用するとすれば、1年間で2%資産が増える事になります。
日銀を始め多くの国が物価目標を2%(年間で2%物価が上昇すること)としていますから、もし計画通りに経済が回っていれば、2%の配当金を受け取ることで自分の資産価値を維持できることになるわけです。
貯蓄のリスクか資産運用のリスクか
資産運用にも当然ながらリスクがあります。買った株の株価が下がれば資産は減少しますし、元本の一部を失う事になります。
しかし、前述したように預金や貯蓄で稼いだお金をただ守っているだけでも資産価値が減少していきます。
どちらの方法で資産を守るとしても、リスクがあるという事ですね。
預金や貯蓄と資産運用を併用してリスク分散
預金や貯蓄と資産運用ではどちらがリスクが大きいかというのは重要ではありません。
重要なのはどちらもリスクはあり、どちらか一方だけで自分の資産を守るとすれば、経済が大きく傾いた時に大きな損失を被る可能性があるという事です。
リスク回避には資産の分散
リスクを回避するための基本は資産の分散です。「守りの貯蓄」と「攻めの資産運用」によってバランスよく資産を分散させることで、自分の資産が経済の大きな動きによって著しく減少または目減りするリスクを減らすことが出来ます。
資産運用には知識や経験が必要になるために、そのために勉強する必要があります。煩わしく感じる人もいるかもしれませんが、預金や貯蓄がリスクになるとすれば、自分の資産を守るためにも資産運用という選択肢を考える事が大切と言えるでしょう。
例えば「預金8割、資産運用2割」くらいのバランスで無理なく資産運用をスタートしてみれば、資産運用で仮に失敗したとしても大きな損失にはなりませんので、試してみるも良いかもしれません。
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