株式投資の成績は日経平均株価との相対評価で考える

株式投資の成績は何を基準に評価しているでしょうか。損益額や損益率で考えるのも大切ですが、それ以上に主要指数との相対評価が大切です。

本記事は株式投資の成績と日経平均株価を相対評価する考え方について解説します。

株式投資で常に利益を出し続けるのは難しい

デイトレードでも長期投資でも言えることですが、株式投資で常に利益を出し続けるのは難しいことです。

その理由は、相場には好不調の波があるからです。投資家が弱気な下落相場では、ほとんど全ての株が下落するため、利益を出し続けることは不可能に近いでしょう。

2023年から2024年1月現在にかけて日本株式市場は、特に強い相場が続いています。そのため、個人投資家の多くは利益を出しやすい状況が続いています。

しかし、その強い中でも急落相場があり、その際に大きな損失を被った投資家もいるでしょう。

株の損益は「個別株+相場」で考えよう

下落相場で損失を出したからと言って、必ずしも投資の内容が悪かったと考えるのは安直かもしれません。

上でも説明したように、株式投資の成績は個別株のポテンシャルだけでなく相場によっても大きく変動するからです。むしろ短期的な株価の変動は相場の強弱の影響が大きくなります。

ですから、株式投資では、個別銘柄だけではなく相場の良し悪しも考慮する必要があります。そのため株式投資の成績も「個別株+相場」で考えるのが必然です。

相場を何で測るのか

相場の強弱は「指数」を見る事で判断できます。

日本株には日経平均株価やトピックス、グロース指数など代表的な指数がいくつかあります。

ただ、日本を代表する指数と言えば日経平均株価ですから、日経平均株価を相場の基準として考えれば良いと思います。

もし、グロース市場に上場している銘柄のみを売買するというのであれば、グロース指数を基準にしても良いと思います。

投資資金基準:「100万円の利益」に対する評価

では、株式投資で100万円の利益が出たとして、その評価を投資資金を基準に考えてみましょう。

1000万円の投資資金に対して100万円の利益であれば、利益率は10%になります。500万円の投資資金に対して100万円の利益であれば、利益率は20%になります。

この2つを比べてみると、利益率の高い後者の方が運用成績が良いということになります。

相場基準:「100万円の利益」に対する評価

では、今度は相場を基準にして100万円の利益が出た場合を考えます。投資資金1000万円として100万円の利益、つまり利益率10%で考えてみましょう。

相場が5%上昇した場合に10%の利益が出たとしたら、相場の上昇率よりも5%効率の良い投資ができたことになります。

相場が15%上昇した場合に10%の利益が出たとしたら、相場の上昇率よりも5%効率の悪い投資をしたことになります。

この場合、前者は投資成績は良いと判断できますが、後者は投資成績が悪いと判断することができます。

相場基準では損失でも投資成績が良好である場合もある

相場変動を投資成績に加味すれば、株式投資で損失が出ていたとしても、実は投資成績は良好である場合もあります。

日経平均株価が10%下落しても自分のポートフォリオが5%しか下落していないのであれば、相場を5%上回る投資が出来ていると考えることができます。

【まとめ】相場との相対評価を意識することが大切

短期的にも長期的にも日経平均株価との相対評価を意識することで、自分の投資の修正すべきポイントや本質的な課題が見えてきます。

もし、利益が出ていても全体相場よりもパフォーマンスが悪ければ、何かしらの改善点があるでしょう。

逆に大きな損失が出ても、全体相場と比べて損失率が小さければ、投資の内容は悪くはありません。

1カ月に1%ずつでも日経平均株価よりも良いパフォーマンスが出来ているとすれば、年間で12%の差になります。投資の損益よりも、この1%を積み重ねる意識する方が投資は成功に近づくと思います。