デイトレードと長期投資はどっちが稼げる?【実体験から考えてみた】

デイトレードと長期投資はどちらの方が儲かるか

私は株式投資を15年続けていますが、1日で売買するデイトレードから1年以上株を保有する長期投資まで幅広い期間の投資をしています。

最近ではデイトレードの取引回数は少なくなり、長期投資を主体とした投資を行っていますが、そこには明確な理由があります。

そこで今回は株式投資でデイトレードをするのと長期投資をするのでは、どちらが稼げるかというのを記事にしました。

デイトレードの利益の種類と対象銘柄

デイトレードでは株価の変動による購入金額と売却金額の差額が利益になります。いわゆるキャピタルゲインと言われる利益です。

そのため、デイトレードの取引は「値動きのある銘柄を売買すること」が一般的です。

値動きのある銘柄を探す時は、以下のような銘柄をチェックします。

  • 出来高が急増している
  • 騰落率が大きい
  • ニュースなど話題性がある

そういった銘柄は、1日に10%以上変動することも珍しくない上に、売買が活況になることで1日の間にも株価が上下に大きくブレるのが一般的です。

そのような銘柄を売買すれば、極端に言えば1日で資産を2倍以上にすること理論的には可能です。

ただ、それだけの利益を出すためには何十回も失敗をしないで取引を繰り返さなければいけませんから、現実的には厳しいでしょう。

デイトレードの利益の目安と特徴

仮に100万円を使ってデイトレードをするとしたら、1日に10万円の利益になれば十分な結果だと言えるでしょう。

1日で10%の利益を出せるなら、相当なリターンが期待できるデイトレードですが、その利益額に比例して損失を出す場合の損失額も大きくなります。

1日で多くの投資家が激しく売買するデイトレードに適した銘柄ですから、もし売買のタイミングが噛み合わない場合には厳しい結果が待っていることになります。

そういう意味でもデイトレードの技術は、非常に個人差が大きいものになります。

利益を出し続けることが出来る人では、数ヶ月で資産を2倍、3倍にすることも可能ですが、技術がない人では逆に損失だけが膨らみ数ヶ月で資産の大半を失うことになるでしょう。

つまり、デイトレードは勝てる人は短期間で大きな利益を得る事ができる一方で、利益を出し続けることが出来る人は少なく損失になる人の割合が高めであると言えるでしょう。

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長期投資の利益の種類と対象銘柄

デイトレードと違い長期投資では、キャピタルゲインに加えて「配当金や株主優待と言われるインカムゲイン」を受け取れる事が大きな特徴です。

配当金とは企業が株主に向けて年に1、2回程度、利益や剰余金を分配する仕組みです。

詳細記事 「インカムゲイン(配当金)」と「キャピタルゲイン(譲渡益)」

新興企業では利益の分配よりも急成長を続けるための先行投資に利益を使う傾向にあるため配当金を実施していない企業も多いですが、東証1部や2部の企業は年間で株価の2%程度の配当を実施していることが一般的です。

投資家によってどちらを重視するかは違いますが、インカムゲインを目的とした投資では以下のような銘柄が投資対象になります。

  • 配当利回りが高い
  • 割安株(低PER・PBR)
  • 業績が安定している

このような特徴から、長期投資にインカムゲインを重視した長期投資には、成長性の高い新興市場の銘柄よりも東証1部、2部の成長性は乏しくても業績が安定している銘柄が向いているといえます。

長期投資の利益の目安と特徴

長期投資の場合にはデイトレードのように1年で資産を2倍、3倍にすることは難しいでしょう。株価チャートを見るとわかると思いますが、株価が1年で2倍以上になる銘柄はあまり多くないからです。

しかし、安定した業績を出す企業では株価の下落余地も制限され、年間で2%配当を貰えるとすれば、それが利益の上乗せにもなります。

また、長期投資では平均的なPER、PBRの企業が一定の業績水準を保てていれば利益が積み重なっていくことから、基本的には保有期間が2年、3年と伸びるにつれて株価が上昇する可能性が高くなります。

これらの事から、長期投資では一般的に損失よりも利益が出る可能性が高く、比較的投資知識の浅い投資家にも適した資産運用だと言えるでしょう。

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【結論】デイトレードと長期投資のどちらが儲かるか

以上のことから、デイトレードと長期投資のどちらが儲かるかというのをまとめると以下のように考えられます。

  • 利益率はデイトレードの方が高い
  • 勝率は長期投資の方が高い
【要点】
長期投資では1年で2倍以上にするような大きな利益は難しいが、保有期間が長くなるほど損失を出す投資家は少なくなる

最大利益ではデイトレードの方が高くても、勝率を考慮した場合に多くの人にとっては長期投資の方が儲かるのではないかと個人的には思います。

私がデイトレードから長期投資重視の投資にシフトした理由

私個人の投資経験で言えば、投資資産の少ない頃はデイトレードを中心にしていましたが、資産が大きくなるにつれて中長期投資の割合を増やしてきました。

理由としては、少ない投資資金なら失敗しても損失額が少額なので、仕事などで短期間で回収できますが、資産が大きくなると失敗した時に損失を回収するのが難しいと感じるようになったからです。

もちろん、デイトレードの技術が高ければ続けていけたとは思いますが、私は短期間で億を稼いだ億トレーダーのような投資の技術や精神力を持ち合わせていませんでした。

その結果、自然に損失を出す確率の低い中長期投資に切り替えて長期投資メインの投資スタイルになりました。

ただ、デイトレードを中心としていた時の資産は100~500万円程度、現在では1000万円を超える資産を運用しているので、利益率が小さくても生活できるレベルの収入は確保できるようになりました。

相場環境も重要なポイント

また、相場環境も投資スタイルを選ぶ重要なポイントになります。

単純に上昇相場では株が上昇する確率が高くなり、下落相場では株が下落する確率の方が高くなります。

そのため、強い上昇相場が続くような相場では、長期投資で運用するよりも利益率が高くなりやすいデイトレードの方が稼ぎやすいと言えるでしょう。

逆に、膠着相場や下落相場では、株を売買する時の勝率自体が50%よりも低くなるために、配当金や株主優待を貰える長期投資の方が稼ぎやすくなります。

これから投資を始めようと考えているのであれば、投資資産に対する考え方と相場環境の両方から考えるのがオススメです。

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