株式投資の分析手法には大きく「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」に分類できます。
今回は、会社の業績や収益性、財務状況などを用いて株価水準を判断する「テクニカル分析」の代表的な指標について解説します。
テクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、過去の株価チャートの形状や出来高、売買などから、将来の株価の動きを予測する分析手法のことです。 投資を行う上でテクニカル分析の知識は必要不可欠と言っても過言ではないでしょう。
テクニカル分析は大きく分けると「トレンド系」と「オシレーター系」の2つに分類されます。
トレンド系テクニカル分析
株価チャートの形状は長期、短期に関わらず「上昇」「下落」「横ばい」の3種類のトレンドで構成され波のように動きます。トレンド系は、この波がどの方向に進んでいるか(トレンド)を示します。代表的なものに次の4つがあります。
移動平均線
移動平均線は特定の期間の株価の終値の平均値をグラフにしたものです。テクニカル分析の最も基本となる指標で短期・中期・長期の移動平均線を複合して、トレンドを予測するのが一般的です。
一目均衡表
一目均衡表は「株価は買いと売りの均衡が破れた方に動く」という考え方を基本にして、時間を重視したトレンドを予測をするための指標です。
「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅効スパン」の5つの線を複合してトレンドを予測します。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線の上下に標準偏差のラインを引いて、そのライン内で株価が動く確率を定めた指標です。
標準偏差の上下のラインをボリンジャーバンドと呼び、±1σ・±2σ・±3σのバンドを用いて特定の確率で、それぞれのバンド内に収まる確率を統計学的に導いています。
パラボリック
パラボリックは、株価チャートの上あるいは下に指示線を用いて、売買の転換するポイントを見極める指標です。
株価の上昇や下落のトレンドは次第に勢いが弱くなっていき、最終的には「転換点を迎えるという考え方に基づいて作られています。
オシレーター系テクニカル分析
オシレーター系は、現在の株価が買われ過ぎか、売られ過ぎかを判断するための分析手法です。 代表的なものに次の4つがあります。
RSI(相対力指数)
RSIは一定期間の相場における「値上がり幅」と「値下がり幅」から、値動きの強弱を数値で表し、買われすぎか売られすぎかを判断する指標です。
中心の50%のラインを挟んで、大体70%を超えると買われ過ぎ、30%を割れると売られ過ぎの水準にあると判断されます。
RCI(順位相関指数)
RCIは一定期間の終値を高い順に並べた際の順位と、現在の日付から近い順に並べた際の順位から、買われすぎか売られすぎかを分析する指標です。
「日数」と「株価」のそれぞれに順位をつけ、両者にある相関関係から、株価の先行きを予測します。
ストキャスティスク
ストキャスティクスは、直近の終値が一定期間の株価のレンジの中での高値と安値に対して、相対的にどのレベルに位置するかを基準に買われすぎか売られすぎかを判断する指標です。
ストキャスティクスは「ファースト」と「スロー」の2本の線を用いて売買シグナルを判断します。
MACD
MACDは短期の移動平均線と長期の移動平均線の乖離度合いから、株の買われすぎや売られすぎを判断する指標です。
MACDと呼ばれる基本となる線と、MACDの移動平均線であるシグナルと呼ばれる2本の線のから株価の動きを判断します。
テクニカル分析は短期投資に強い分析手法
短期的なトレードで用いる分析手法としてはファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析の方が効果的です。
また、複数のテクニカル分析手法から総合的にチャートの動きを予測すれば、より精度の高い投資判断ができるようになります。テクニカル分析を勉強するなら得意な分析手法を複数個身につけるのが投資技術を向上させるポイントです。